ビジネスやマーケティングの現場で耳にする「KGI」と「KPI」。どちらも目標管理や成果測定に役立つ指標として有名ですが、両者の違いや意味を正しく理解しているでしょうか。
「KGIとKPIの違いがよくわからない」「具体的な設定例や注意点を知りたい」と感じている方は多いかもしれません。KGIとKPIはともに業績向上に向けた目標管理手法ですが、その役割や活用方法には明確な違いがあります。
本記事では、KGI・KPIの概要から、具体的な例、両者を設定する意味、そして導入時に押さえておくべき注意点まで、わかりやすく解説します。KGI・KPIを理解して正しく運用すれば、企業全体の生産性や士気を高め、マーケティング戦略の最適化、さらに企業利益最大化に大きく貢献できます。ぜひ参考にして、貴社のビジネス活動にお役立てください。
KGIとは何か?企業が達成したい最終ゴールの指標
**KGI(Key Goal Indicator)**は、直訳すると「重要目標達成指標」。企業が最終的に達成したいゴール(目標)を数値で定めた指標です。
KGIの特徴
- 最終目標を示す指標:
KGIは企業が「最終的にここまで到達したい」というゴールを示します。「1年後に売上を10億円達成」「半年後に市場シェアを20%拡大」など、組織全体が目指す究極の数値目標として設定します。 - 基本的に数は1つ:
KGIは最終目標であり、複数設定すると混乱を招きやすいです。原則として1つのKGIを定め、それに向かって全社的な行動を統合することで、一致団結した動きが可能となります。
KGIの具体例
- 1年後に売上高10億円を達成する
- 半年後に市場シェアを2%拡大する
- 1年後に利益率を15%まで引き上げる
- 年間契約件数を前年度比20%増加させる
KGI設定時のポイントは「定量的な数値」「達成時期」を明確にすること。定性的な目標では指標として機能しづらく、組織全体が具体的な行動に移すのが難しくなります。
KPIとは何か?進捗状況や達成度を可視化する指標
**KPI(Key Performance Indicator)**は、KGIに到達するまでの中間指標となるもの。進捗状況や成果達成度を定期的にチェックし、軌道修正を可能にする指標として活用されます。
KPIの特徴
- 中間目標や業務プロセスを示す:
KGIが「最終地点」なら、KPIはそこに至るための「道のり」を示します。例えば、「コンバージョン率を5%アップ」「問い合わせ数を月100件獲得」など、KGIを達成するために必要な要素(顧客獲得、リード育成、成約率向上など)を数値化します。 - 自由度が高い:
KPIはKGIに比べて複数設定が可能です。1つのKGI達成のために、複数のKPIを組み合わせて進捗を追うことで、より精密な業務マネジメントが可能になります。
KPIの具体例
- KGIが「年間売上10億円」なら:
- 月間成約件数を○○件アップ
- 新規顧客獲得数を○○件増
- 平均単価を○○円引き上げる
- KGIが「オウンドメディアの問い合わせ数アップ」なら:
- PV数を月間○○件
- UU(ユニークユーザー)数を○○人
- 直帰率を○○%改善
- SNSシェア数を月○○回
KPIはKGIに密接に関連する指標であり、KGIに近づいているか、現状はどの段階なのかを数値で客観的に評価するのに役立ちます。
KGIとKPIの違い
KGIとKPIの違いを一言で表すと、「KGI=最終目標、KPI=中間目標」です。
- KGI:企業が到達したい最終的なゴール(売上目標、シェア拡大など)
- KPI:KGI達成に必要なプロセスや進捗を測る中間的な指標(成約率、PV数、問い合わせ件数など)
KPIは、KGI達成を目指す過程で業務が正しく進んでいるか確認するための「道標」。KGI達成までの工程を細分化し、各ステップの成果を測りながら戦略を修正できます。
KGI・KPIを設定する意味
KGIとKPIを設定することには大きく2つのメリットがあります。
1. やるべきことが明確になる
KGIを設定することで「最終的に何を成し遂げるべきか」が明確化されます。さらに、KGI達成に向けてKPIを設定すれば、「どの指標を改善すれば良いか」や「どの業務に注力すべきか」が具体的になります。
これにより、従業員全員が共通の方向性を認識し、一致団結した行動が可能になります。業務の優先順位がはっきりし、生産性が向上するでしょう。
2. 優先順位をつけやすくなる
「売上を上げよう」という抽象的な目標だけでは、具体的な行動計画を立てにくく、優先順位付けも困難です。しかし、KGIを「前年対比110%の10億円達成」と定量化し、そのKGI達成に向けて「受注率△%アップ」「PV数××増加」といったKPIを定めれば、チームは「まずはPV拡大施策が先」、「次に受注率改善」と具体的な優先順位を引きやすくなります。
結果として、リソースの無駄遣いを防ぎ、効率的なマーケティング戦略実行へとつなげられます。
KGI・KPI導入時の注意点3つ
KGI・KPIを効果的に運用するためには、以下のポイントに留意しましょう。
1. 定量的な目標を設定する
KGI・KPIは定性的な目標ではなく、定量的な数値目標を設定しましょう。「売上を増やす」ではなく「売上を1億円増加」、「顧客満足度を高める」ではなく「顧客満足度調査で平均スコアを6→7へ上昇」といったように、具体的な数値や期間を示すことで、従業員が何をすべきかイメージしやすくなります。
2. KGIとKPIを関連付ける
KPIはKGI達成のための手段であり、両者は密接に関連していなければなりません。KGIと無関係なKPIを設定すると、KPI達成に注力しても肝心のKGIに成果が結びつかない「空回り」状態になる可能性があります。
KGIに合致したKPIを厳選し、KPI達成がKGI達成へ確実につながる設計を行いましょう。
3. KPIを細分化し過ぎない
KPIを細分化し過ぎると、チームが「KPI達成」自体が目標化してしまい、本来目指すべきKGIを見失いかねません。KPIは重要な指標に絞り、チームが理解しやすく行動しやすい程度に留めましょう。
例えば、「受注率5%アップ」というKPIをさらに「毎日受注率を0.2%アップ」などと極端に細分化する必要はありません。過度な細分化は現場にストレスを与え、逆に生産性低下を招く可能性があります。
KGI・KPIの違いを理解して企業利益を最大化
KGIは企業が達成したい最終的なゴール(例:売上10億円達成)、KPIはその過程を測る中間指標(例:月間成約件数××件アップ、PV数○○増など)です。この両者を正しく設定し、関連付けることで、企業全体が同じ方向を向き、効果的なマーケティング戦略を実行できます。
明確な数値目標と適切な進捗測定は、業務効率改善やモチベーション向上、最終的には企業利益最大化に寄与するでしょう。
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