「採用広報ってなんで注目されているの?」「具体的に何をすれば良いのかが分からない」と思っている人もいらっしゃるでしょう。
採用広報はすでに多くの企業が活発的に行っている手法なため、現時点で何も取り組んでいない場合には注意する必要があります。ただ、なぜ採用広報を始めるべきなのかが分からないと、中々取り組むモチベーションは湧きませんよね。
そこで本記事では採用広報が「なぜ重要なのか」や始める流れなどについて解説していきます。
[st-midasibox-intitle title=”本記事で分かる内容は以下の通りです。” webicon=”st-svg-check-circle faa-ring animated” bordercolor=”#FFC107″ color=”” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”” borderradius=”5″ titleweight=”bold” myclass=””]
- なぜ採用広報をしなければならないのか
- 採用広報で利用すべき媒体の種類
- 実際に採用広報をする際の4ステップ
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採用広報とは自社の求める人材を確保するための能動的な広報活動
採用広報とは「自社の求める人材を獲得するために行う広報活動の1つ」です。明確な定義はないため、人によって解釈が異なります。これまでのように求人サイトや人材サイトなどを利用した「受動的」な採用活動ではなく、企業自らが「能動的」に求人者に対してアプローチする方法だと認識しておきましょう。
採用広報の手法は以下のような例が挙げられます。
- オウンドメディアで情報を発信する
- SNSを通じて交流をする
採用広報が注目されている理由は2つ
[st-slidebox webicon=”” text=”+ 採用広報の注目度が高まっている要因は2つです。” myclass=”” bgcolor=”” color=”#1a1a1a” margin_bottom=”20″]
- 採用における売り手市場の浸透
- デジタルメディアの発達
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採用における売り手市場の浸透
日本において2014年から有効求人倍率が1.0を超え、2023年時点でも継続して1.0以上が続いています。つまり、求職者よりも求人数が多い状況で「売り手市場」とも言えるでしょう。
求職者は数多くの求人から選べる状況であるため、企業側は「選ばれる必要」があるわけです。企業側が自ら情報発信をして求職者にアプローチしなければ、そもそも求職者の目にも付かず、人手不足に陥る可能性が高くなってしまいます。少子高齢化の背景も相まって今後も売り手市場が継続していく傾向があるため、採用広報は今後も重要性が増していく可能性が高いです。
デジタルメディアの発達
SNSやオウンドメディア、YouTubeなどデジタルメディアの利用が一般的になっているのも採用広報が活発化している理由の1つです。
これまでも「情報発信」自体はやろうと思えば可能でした。ただ、今の時代はさまざまなデジタルメディアが誰でも簡単に利用できるため、情報発信のハードルが下がってきています。
一昔前は「採用ページや求人サイトの限られたページ内」でどれだけ企業の魅力を伝えられるのかが勝負でした。ただ、今は勝負する場所が幅広く表現方法も広がってきているため、企業間で「採用広報」の差が顕著に現れています。
つまり、「これまで通り=現状維持」ではなく「これまで通り=採用力の低下」と言えるでしょう。各社さまざまなデジタルメディアで能動的に採用広報を行っているため、何もしなければ相対的に採用するのが難しくなるのは明らかです。何か少しずつでも手を出していくことをおすすめします。
採用広報を行うメリットは3つ
[st-slidebox webicon=”” text=”+ 採用広報を行うメリットはこちらの3つです。” myclass=”” bgcolor=”” color=”#1a1a1a” margin_bottom=”20″]
- 企業の認知を拡大できる
- 採用コストを下げられる
- 採用のミスマッチを減らせる
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企業の認知を拡大できる
SNSやオウンドメディアなどで情報発信を継続的に行っていると、少なからず認知度が上昇します。認知度が上昇することによって、以下の2つのパターンで採用が可能になるわけです。
- その場で興味を持って採用に進んでくれる(転職顕在層)
- 今は転職を考えていないけど、転職を決めた時点で思い出してくれる(転職潜在層)
認知拡大はその場での採用力が高まるだけではありません。情報発信をみたユーザーが転職を考えた際の「転職候補」として想起してもらえる可能性もあるわけです。
ただ、認知拡大は短期的に可能なものではありません。継続的に情報を発信していくことで少しずつ高められるものだと認識しておきましょう。
採用コストを下げられる
オウンドメディアやSNSでの発信は、利用方法によっては採用コストを限りなくゼロにできます。
マイナビの「中途採用状況調査2022年版」によると、中途採用における直近1年間の予算(全体)は以下の通りです。
人材紹介:373万円
求人広告:137.1万円
求人サイトの掲載料や転職エージェントに対して各社年間で100万円を軽く超える金額を支払っていることがわかります。オウンドメディアやSNS経由で直接採用が決まれば、求人サイトなどに広告費を支払う必要はありません。メディアの運営にかかる人件費を除けば、無料で採用が可能になります。
ただ、現実問題として採用広報を強化したからと言って広告費をゼロにするのは難しいです。しかし、SNSやオウンドメディアを上手く活用すればこれまでよりも採用コストを大幅に削減できます。
採用のミスマッチを減らせる
採用広報で自社の情報や雰囲気などをオープンにすることによって、入社してから「こんなことは想像していなかった」と思われるミスマッチのリスクを減らせるでしょう。
採用でせっかく優秀な人材を獲得できたとしても、早期退職してしまっては採用活動や採用コストが無駄になってしまいます。
注意点としては「情報を発信する=ミスマッチが減らせる」わけではありません。情報発信の仕方や表現方法によってはミスマッチが加速してしまう可能性も。
採用を強化しようとするあまり、現実とかけ離れたイメージを持たれてしまっては意味がありません。
自社の魅力を伝えることはもちろん重要ですが、魅力を伝えることを第一に考えて弱みやデメリットを全く見せないこともリスクです。
実際の雰囲気からかけ離れたイメージを持たれることがないように、できる限り現実的な情報発信を心がけるようにしましょう。
採用広報で利用できる手法は3種類
採用広報では「トリプルメディア戦略」がよく用いられています。それぞれのメディアに強みが存在しているため、複数を利用することによって効果が高まると言われています。
[st-slidebox webicon=”” text=”+ トリプルメディア戦略とは、以下の3つのメディアを活用することです。” myclass=”” bgcolor=”” color=”#1a1a1a” margin_bottom=”20″]
- オウンドメディア:自社ブランディングや企業理解に利用
- ペイドメディア:企業を認知してもらうのに利用
- アーンドメディア:信頼関係の構築に利用
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オウンドメディア
オウンドメディア(Owned Media)とは自社が運営するWebメディアやブログです。弊社Harmonic Societyでもサイト上部の「Blog」がオウンドメディアに該当します。
自社で運営しているため、他サービスの制限を受けることなく完全に自由に発信ができるのが魅力的です。
オウンドメディアで採用に関わるコンテンツは以下の例が挙げられます。
- 社員のインタビュー記事
- 会社の雰囲気や代表からのメッセージ
- 職種の紹介
自社の雰囲気や魅力を文字数など制限なく伝えられるため、上手く利用できればページを見たユーザーの志望度を高めることも可能です。
また、noteやWantedlyなどのビジネスSNSにおいて自社ページを保有することも広い意味ではオウンドメディアの活用と言えます。
オウンドメディアはゼロから作ろうとするとCMSの構築など手間も多く、SEOなどの専門知識も必要です。
手軽に始めたいと思う人はビジネスSNSの活用も検討してみてください。
オウンドメディアの詳しい内容については下記の記事を確認しましょう。
関連記事:オウンドメディアとは?作成する目的やメリット、ホームページとの違いも解説
関連記事:オウンドメディアの作り方とは?業務フロー別の作り方を紹介!
関連記事:SEOとは?基本知識やメリット、具体的な流れをわかりやすく解説
ペイドメディア
ペイドメディア(Paid Media)とは外部のメディアを利用して認知拡大を目的としています。
具体例としては以下の通りです。
- テレビや新聞などのマスメディア広告を利用する
- Web広告を利用する
- 求人媒体に掲載する
テレビや新聞では難しいですが、Web広告や求人媒体では広告を表示するターゲット層を絞ることが可能です。
自社に合ったターゲットを理解し、限られた範囲に広告を表示することによって比較的コストを抑えて利用できます。
アーンドメディア
アーンドメディア(Earned Media)とは第三者が利用する外部の情報発信メディアを活用して、信頼関係を構築する手法です。
具体例としては「SNS」や「口コミサイト」の利用が挙げられます。
SNSに関しては完全に無料で利用できるメリットがあるだけではなく、多くのユーザーにアプローチできるのが魅力的です。
例えばTwitterの国内ユーザー数は4,500万人以上だと言われており、近年Twitterから採用を行う例も珍しくありません。
SNSはユーザーとの信頼関係を構築できるだけではなく、認知拡大にも繋がります。SNSマーケティングについては下記の記事をご覧ください。
関連記事:SNSマーケティングとは?企業が行うべき理由と活用方法をご紹介
採用広報の始め方は4ステップ
[st-slidebox webicon=”” text=”+ 採用広報は以下の4つのステップに従って始めてみましょう。” myclass=”” bgcolor=”” color=”#1a1a1a” margin_bottom=”20″]
- 採用広報の目的やターゲットを決める
- 発信内容を決める
- 発信媒体を決める
- 採用広報の効果を分析する
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ステップ1. 採用広報の目的やターゲットを決める
採用広報の目的は1つではないため、「なぜ採用広報を始めるのか」については明確にするようにしましょう。
目的やターゲット層がぶれていると、発信内容や発信媒体も定まりにくいと思います。
例えば「応募は来るけど自社にマッチした人が少ない」という悩みがあるケースを想定してみましょう。
この場合、SNSなどでよりオープンな情報を発信することで「この会社って〜のような感じなんだ」と求人者の理解が向上しますよね。
理解が向上すれば、当然自社に合った人が応募してくれる可能性が高くなります。
また、ターゲット層のペルソナを分析することによって、どのように発信していけば良いのかが判断できるでしょう。
ペルソナついては下記の記事をご覧ください。
関連記事:ペルソナの作り方を具体的に解説!メリットや注意点も紹介
ステップ2. 発信内容を決める
次に「どのように発信していくのか」を決めるステップです。自社にマッチした人はどのような人で、その人にはどのような情報を発信すべきかを考える必要があります。
実際に自社で働いている人にインタビューをするのもおすすめです。
特に「勤続年数が一定年数たっており自社にマッチしている社員」に対して色々聞くことによって新しいアイデアが出てくることもあるでしょう。
発信内容が間違ってしまうとミスマッチが加速してしまうリスクも。自社情報を正しく言語化できるように複数人で確認した上で最終的な発信内容を決定しましょう。
ステップ3. 発信媒体を決める
先ほども解説したように、採用広報の発信媒体はさまざまな種類が存在しています。
ステップ1で明確にした目的やターゲットに適した媒体を選択するようにしましょう。
例えば、短期的な認知拡大や緊急の採用活動であればペイドメディアが適しています。ペイドメディアはコストを支払えば支払うだけより多くの人の目に留まるのが特徴です。
ただ、情報を発信する媒体は1つに絞る必要はありません。
何個も手を出して中途半端になるのは避けるべきですが、並行して複数の媒体を利用するのもおすすめです。
ステップ4. 採用広報の効果を分析する
実際に行った採用広報が「どのくらい効果が合ったのか」については必ず計測するようにしましょう。
採用活動は企業が存続する限り半永久的に行う必要がある場合が大半です。つまり、採用広報も効果を分析して次年度以降に改善していくべきだと言えるでしょう。
例えば、SNSで企業の雰囲気の良さをアピールしようとしすぎて「中途半端な志望動機の人が多く応募してきた」という結果が出たとします。
より志望動機が固まっている人を応募したい場合には、雰囲気の良さもアピールしつつ真面目な部分も発信していく必要があると分析できるでしょう。
定量的・定性的どちらの指標からも採用広報の効果を分析し、次に活かせるようにすべきです。
採用広報で優秀な人材を確保しよう!
採用広報は優秀な人材を確保するために「必要不可欠」だと言えるでしょう。
多くの企業では採用広報に力を入れてきているため、何もしていないと相対的に採用力は衰退し続けてしまいます。
採用広報には人件費などコストが必要になりますが、上手く活用できれば採用者のミスマッチを防ぎ求人サイトなどの広告費も減らすことが可能です。
採用広報は小さいことからでも始められるため、まずは1つずつでも始めてみてはいかがでしょうか。
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