「UI/UXって良く聞くけど、具体的にはどういうこと?」「なぜUI/UXが必要なのか知りたい」という悩みを持っている人もいらっしゃるでしょう。
同じような意味を持つUIとUXですが、違いを正しく理解できている人は少ないですよね。そこで本記事ではUI/UXの言葉の意味と違い、なぜ必要なのかについて解説していきます。
[st-midasibox title=”本記事で分かる内容は以下の通りです。” webicon=”st-svg-check-circle faa-ring animated” bordercolor=”#FFC107″ color=”” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”” borderradius=”5″ titleweight=”bold” myclass=””]
- UIとUXのそれぞれの言葉の意味
- UIとUXの違い
- UI/UXの考え方が必要な理由
- UI/UXを高めるためのコツ
[/st-midasibox]
そもそもUI/UXとは?
UI/UX(ユーアイ/ユーエックス)はひとくくりにして説明されがちなので、それぞれの言葉の意味を正しく理解できている人は少ないと思います。
まずはUI/UXそれぞれの意味を理解していきましょう。
UXとは商品やサービスに触れた際に得られる”すべての経験”
UX(ユーザーエクスペリエンス)とは「ユーザーの”Experience”(経験)」。ユーザーが商品・サービスを通じて得るすべての経験という意味です。もう少し簡単にUXを解説すると、ユーザーが商品・サービスに触れた際に感じる「使い心地」「感情の起伏」「印象」などがUXだと言えるでしょう。
UXと聞くと、どうしてもインターネット上のことに着目されがちです。ただ、現実世界にもUXの考え方は存在しています。
ネット上・現実世界におけるUXの具体例は以下の通りです。
- サイトがおしゃれで購買意欲が高まった経験
- ネット通販で自分が探しているものがすぐに見つかった経験
- カフェのコーヒーが美味しかった経験
- レストランの接客が丁寧で親切だった経験
上記した例はあくまでプラスのUXですが、「マイナス的な体験」もUXに含まれます。
ユーザーが自社の商品やサービス、Webサイトなどに触れた際に「どのような感情を抱くか」がUXだと言えるでしょう。
UIとは商品やサービスを触れた際に得られる”視覚的な使いやすさ”
UI(ユーザーインターフェイス)とはユーザーと「商品やサービスとの接点(インターフェイス)や接触」を意味します。
UXと同様に、定義だけ聞いてもイメージしにくいですよね。
UIを分かりやすく解説すると、Webサイトやサービスの「見た目が使いやすいかどうか」を意味します。
例えばWebサイトが重くて読み込み速度が遅いといった「サイト自体の利便性の悪さ」などは基本的にUIには分類されません。
UIは基本的に「目に見える部分」に関する利便性を指すことが多く、「UIが悪い = サイトの操作性が悪く使いにくい」という意味です。
単に見た目の良し悪しを言うのではなく、「ストレスなくサイトを使えるのかどうか」が良いUIとなる条件だと言えるでしょう。
優れたUIの具体例は以下の通りです。
- ボタンが適切な場所に配置されている
- 欲しい情報が目立つようにフォントサイズが調整されている
- ファーストビューにサービスの情報が網羅的に紹介されている
上記した視覚情報以外にも、目が不自由な人に対する「読み上げ機能」などもUIに分類されます。
また、ゲーム機やスマホなどのデバイスにおける単純な「見た目」についてもUIと言う場合も。
ただ、基本的には「UI = Webサイトやサービスの使いやすさ」といった意味で使われることが多いことを認識しておきましょう。
UIとUXの違いとは扱う範囲
UIとUXは非常に深く関わっており、同じ意味で使われることもあります。
例えば「東京で人気のコーヒー豆ショップ(店舗型)」がオンライン通販を始めた例を参考にしてみましょう。
「東京の店舗で人気がある」という事実から、おそらく店舗でユーザーが満足するUXを提供できていることが予想されます。
店舗でのUXが良いからと言って、オンライン通販でもそのままの経験をユーザーに提供できるわけではありません。
オンライン通販において「Webサイトの文字が見にくい」または「コーヒー豆を購入するまでの手間がかかりすぎる」など、ユーザーにとっての利便性(UI)が悪い場合、結果としてUXが阻害されてしまう可能性があります。
「UXの良し悪しを決める1つの要素」としてUIが含まれているわけです。つまり、UIとUXの違いは「扱う範囲の広さ」だとも言えるでしょう。
特にWebサイトやアプリなどを扱う場合、UXを高めるためには優れたUIが必要不可欠です。
そういった意味でインターネットの利用が加速している中、「UI/UX」を高められる人材の需要が高まっていると言えるでしょう。
最近特にUI/UXデザイナーという言葉を耳にする人もいると思います。
UI/UXデザイナーとは上記したUX・UIを向上させるデザインを仕事にしたデザイナーです。
WebデザイナーとUI/UXデザイナーは良く混同されがちなので、それぞれの仕事内容の相違点を理解しておきましょう。
- Webデザイナー:Webサイトなどにおける「見た目」を専門にするデザイナー
- UI/UXデザイナー:Webサイトに加えてアプリやサービスの「見た目のデザイン」や「機能面を高めるデザイン」を専門にするデザイナー
ただ、WebデザイナーとUI/UXデザイナーの線引きは人によって異なります。
明確な定義の違いよりも「UI/UXデザイナーの方がより広い範囲を請け負っている」程度に理解しておきましょう。
UI/UXの必要性が高まっている理由は主に3つ
UI/UXの必要性が高まっている要因は多く存在しますが、筆者が個人的に大きいと感じる要因は以下の3つです。
- [st-slidebox webicon=”” text=”+ UI/UXの必要性が高まっている要因” myclass=”” bgcolor=”” color=”#1a1a1a” margin_bottom=”20″]
- インターネットの普及
- 市場全体における質の向上
- サブスクリプション型サービスの出現
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インターネットの普及
まずは言わずもがな「インターネットの普及」はUI/UXが必要となった大きな要因です。
インターネット上で商品やサービスの販売をしている場合、サイト自体のUI/UXの高さは売上に直結します。
販売自体をインターネット上で行っていない場合においても、自社サイトのUI/UXは重要だと言えるでしょう。
商品やサービスをネットで購入しない場合でも、購入するまでのプロセスの中で自社サイトに来て調べるユーザーも少なくありません。
商品やサービスの質が良かったとしても、自社サイトの利便性が悪かったら購入に対して消極的になってしまう可能性が高いです。
市場全体における質の向上
以前までは商品やサービスの質は企業によって大きく異なり、「〇〇社が圧倒的に質が一番良い」というような業界も少なくありませんでした。
ただ、最近では「質がいいのが当たり前」で、企業による商品やサービスの質に差がなくなってきています。
つまりどれを使ってもあまり支障がないからこそ、UI/UXが重要になっているわけです。
UI/UXが悪ければ他にも質が高いものがたくさんあるため、乗り換えられてしまう可能性が高くなってしまいます。
サブスクリプション型サービスの出現
UI/UXの考え方が重要視されている要因として「サブスクリプション型サービスの台頭」も大きいと思います。
NetflixやHuluなどtoC向けのサブスク型サービスはイメージしやすいと思いますが、toBにおいてもサブスク型サービスは徐々に増えてきている傾向です。
サブスク型サービスは「買い切り型サービス」に比べて初期費用が抑えられるため、乗り換えコストも低くなります。
つまりユーザーはサービスの利便性が悪ければ、他のサービスに乗り換える可能性が高くなるわけです。
「市場全体における質の向上」に加えて、サブスクリプション型サービスの台頭による「乗り換えコストの低下」によって、UI/UXの重要度は高まってきています。
UI/UXを高めるポイントは4つ
[st-slidebox webicon=”” text=”+ UI/UXを高めるポイントは以下の4つです。” myclass=”” bgcolor=”” color=”#1a1a1a” margin_bottom=”20″]
- ユーザーを理解する
- 競合他社を参考にする
- 目的やゴールを明確にする
- 定量的なデータ分析をする
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ユーザーを理解する
UI/UXには「〜すべき」といった明確な正解はありません。各サイト・サービスごとにUI/UXを高めるための最適解は異なります。
つまりUI/UXを高めるために、まずは「自社のサイトやサービスを利用するユーザー」を理解しなければなりません。
自社サイト・サービスを利用するターゲット層を理解できれば、おのずとUI/UXを高める施策が考えやすくなるでしょう。
例えば自社のターゲット層が60代以上がほとんどの場合、Webサイトの文字を大きくして丁寧に説明することによってUI/UXは高まるでしょう。
逆に30代〜40代のハイキャリアビジネスパーソンをターゲットにしている場合、丁寧すぎるよりも簡潔にまとまっている方が良い場合もあります。
つまり、そもそものターゲット層を理解できていなければ「何をするとユーザーの利便性が高くなるのか」が明確にならないでしょう。
ターゲットを深く理解できていない場合には「ペルソナ」を作成するのがおすすめです。
ペルソナについては下記の記事で詳しく解説しているため、興味がある人はチェックしてみてください。
関連記事:ペルソナの作り方を具体的に解説!メリットや注意点も紹介
競合他社を参考にする
UI/UXを高めるためには競合他社を確認するのがおすすめです。
例えばWebサイトのフォームを変更する場合、何も参考にせずイメージだけで「UI/UXが高まる施策」を考えるのは簡単ではありません。
実際に競合他社のサイトフォームを確認すれば、どのようにしてUI/UXを高めているのかが理解できる場合があります。
先ほども解説したように、UI/UXの正解はターゲット層によっても異なるため、ターゲット層の近い競合他社が参考対象として適切だと言えるでしょう。
ただ、もちろんまったく違う業界のサイトでもUI/UXの施策として参考になる可能性も十分にあります。
まずは競合他社もしくは業界の近いところから探してみて、それでも見つからない場合には業界の幅を広げてみましょう。
目標やゴールを明確にする
UI/UXを高めるためには当然「目標」や「ゴール」を設定すべきです。
「UI/UXを高める」といった曖昧な目的では、どこから手をつけるべきかが分かりにくいと思います。
例えば「商品やサービスの販売を促進したい」といった目的がある場合を想定してみましょう。
この目的の場合、ユーザーがサイトに来てから購入するまでの過程である「カスタマージャーニー」からUI/UXの高める施策を考えるのが良いと思います。
カスタマージャーニーでユーザーが「サイト内をどのように行動するのか」を明確にすることによって、具体的にUI/UXを高める施策を考えやすくなるでしょう。
カスタマージャーニーについては下記の記事で解説しているので、ぜひチェックしてみてください。
関連記事:カスタマージャーニーとは?初心者向けにメリットや目的も解説
定量的なデータ分析をする
ペルソナ分析で自社のターゲット層について理解した上で「UI/UXの向上施策」をしたとしても、定量的な数値のデータが確認できなければ施策が正解だったのかは分かりません。
例えば自社サイトにおいてUI/UXの向上施策をしたとするならば、Googleアナリティクスを使うのも有効です。
Googleアナリティクスを使えばサイトごとの「ユーザーの滞在時間」などを確認できるため、ぜひ利用してみてください。
またABテストツールやヒートマップを導入することによって、UI/UXが向上しているのかを確認できます。
せっかくターゲット層を分析してUI/UX施策を行うのであれば、ツールを導入して定量的なデータを確認できる状態にしておくのがおすすめです。
関連記事:GA4(Googleアナリティクス4)とは?なぜ今、GA4に注目すべきなのか
UI/UXの考え方は今後も重要性が高まってくる!
UI/UXはここ最近で良く耳にするワードになってきていますが、今後もますます重要性は高まっていくでしょう。
まずは最低限「ユーザーの利便性を阻害しない」程度のマイナス面を改善していくのがおすすめです。
「UI/UXを向上させてユーザーを獲得する」というような施策よりも、現状のマイナス面を無くして「ユーザーがスムーズにサイトやサービスを利用できる」といった状態にするのを優先してください。
UI/UX施策をする場合には、ツールを導入した上で「施策の結果がどのように作用されたのか」を確認できるようにしておくのがおすすめです。
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