しかし、一世代前のユニバーサル アナリティクス プロパティ(以下UA)とは細かい仕様が異なるため「GA4のコンバージョン設定はどうやるの?」「コンバージョン設定で注意すべきポイントを教えてほしい」とお悩みの方も多いでしょう。
そこで今回は、GA4のコンバージョン設定と設定後の確認方法を解説します。GA4の新機能にも言及していますので、ぜひ参考にしてください。
<目次>
- GA4の特徴とメリット
- GA4のコンバージョン設定で重要なポイントは3つ
- GA4のコンバージョン設定の流れ
- GA4のコンバージョンを確認する方法
- GA4のコンバージョン設定がうまくいかないときの対処法
- GA4のコンバージョン設定以外に注目したい新機能
- Harmonic SocietyはGA4のコンバージョン設定に関するご相談も受け付けています
GA4の特徴とメリット
GA4が正式にローンチされたのは2020年10月。Webサイトとアプリをまたがった横断的な計測の実現、機械学習を活用した予測機能の実装など、新たな機能を搭載して世界的にローンチされました。
ユーザーの行動を「イベント」として計測することで、ユーザーの好みや行動パターンなどをより細かく分析できる点も大きな特徴です。
GA4の登場にともない、一世代前のアナリティクスツールであるUAは、2023年7月にすでに計測が終了しています。2024年7月1日からはUAにアクセスできなくなるほか、計測したデータも削除されてしまうため注意が必要です。
関連記事:GA4(Googleアナリティクス4)とは?なぜ今、GA4に注目すべきなのか
Googleアナリティクスとは?導入から効果を最大化するための活用法
GA4のコンバージョン設定で重要なポイントは3つ
GA4のコンバージョン設定で重要なポイントは、以下の3点です。
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1.「イベント」でコンバージョンを計測する
GA4における「イベント」とは、サイトやアプリ内でのユーザー行動のデータのことを指します。GA4ではこの「イベント」を設定しておくことで、サイト内をユーザーがどのように行動したのかがわかり、さまざまな分析に生かせます。
<イベントの種類と計測できる項目>
GA4には、「自動収集イベント」「拡張計測機能イベント」「推奨イベント」「カスタムイベント」という4つのイベントがあり、イベントごとに計測できるデータが異なります。以下の表で、それぞれのイベントと設定可能なデータを確認しましょう。
種類 | 概要 | 計測できる主なデータ (イベント) |
自動収集イベント | GA4にはじめから設定されているデフォルトのイベント |
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拡張計測機能イベント |
拡張計測機能を有効にした場合に、データ収集されるイベント |
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推奨イベント | Googleが推奨するレポート。 自動収集イベントでは十分なデータを収集できない場合に推奨されている |
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カスタムイベント | 自動収集イベントや推奨イベントに該当しないデータを収集するためのイベント。 すべてのイベントにコンバージョンのマークを付与できる |
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GA4でコンバージョンを設定する際は、マーケティング目標にあわせたイベントの設定が重要です。例えば、ドキュメントやPDFといったファイルのダウンロードを計測したい場合は、拡張計測機能イベントの設定が必須となります。
2.GA4とUAでコンバージョンのカウント方法が異なる
GA4とUAでは、コンバージョンのカウント方法が異なります。最終的なコンバージョン数に差が生じる可能性がありますので、その仕組みを確認しましょう。
まずGA4では、コンバージョンを計測するごとに、コンバージョン数が1回ずつカウントされていきます。仮に「カートに追加」をコンバージョンに設定した場合、ユーザーがWebサイトで商品やサービスを3回カートに追加すればコンバージョン数は3回と計測されます。
一方のUAは、1回のセッション(※1)において、同じコンバージョンがカウントされるのは1回までです。同じ商品を何度カートに追加しても、コンバージョン数は1回と計測されます。
※1 セッション~ユーザーがWebサイトを訪問して離脱するまでの一連の流れ
3.コンバージョンは1プロパティにつき30個まで設定できる
GA4で設定可能なコンバージョン数は、1つのプロパティにつき最大30個までとなります。この数字は一般的なWebサイトの成果指標としては、十分な数といえるでしょう。
しかし、1つのアカウントで複数のWebサイトを管理する場合は、余計なコンバージョンはできるだけ削除した方がいいかもしれません。例えば「商品をカートに追加」と「購入の手続き開始」というコンバージョンは「購入」というコンバージョンに統一することで、コンバージョンの空きを確保できるはずです。
関連記事:GA4の使い方ガイド:基礎から高度なテクニックまで
GA4のコンバージョン設定の流れ
続いてGA4のコンバージョン設定の具体的な流れをみていきましょう。GA4のコンバージョン設定は、以下の流れで行います。
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ここでは、GA4の管理機能を使用して、推奨イベントやカスタムイベントを設定する方法を解説します。
1.イベントを作成
はじめに取り組む作業は、イベントの作成です。
GA4の管理画面をひらき、画面左下の「管理」と表示された歯車マークをクリックしましょう。
続いて「データの表示」という項目から「イベント」をクリックして、「イベントを作成」をクリックします。
「イベントを作成」をクリックしたら、検索窓の右にある「作成」をクリックしてください。
作成をクリックしたら、イベントの具体的な項目を入力していきます。ここでは企業が作成したホワイトペーパー(PDFファイル)のダウンロードをコンバージョンに設定してみましょう。一連の流れがこちらです。
- カスタムイベント名に名称を入力する(本記事ではホワイトペーパーのダウンロードと記載)
- パラメータに「event_name」を入力
- 演算子は「次と等しい」を選択
- 値は「file_download」と入力
ここで「条件を追加」をクリックして下の段の入力画面を出しましょう。
- パラメータに「link_url」と入力
- 演算子に「次を含む」を選択
- 値に「pdf」と入力
- 右上の「作成」をクリック
以上で、イベントの作成は完了です。
2.イベントにコンバージョンのマークを付ける
イベントの作成が完了したら、作成したイベントにコンバージョンのマークを付けます。
管理画面のトップから、画面左下の管理ボタンをクリックします。続いて「データの表示」から「コンバージョン」をクリックしてください。
コンバージョンをクリックしたら、次に「新しいコンバージョンイベント」をクリックします。
「コンバージョンイベントの作成」という項目が出てきますので、入力欄に先ほどと同じイベントの名称を入力してください。ここではホワイトペーパーダウンロードを入力します。続いて「保存」をクリックしましょう。
ここまでの作業を完了すると、コンバージョンイベントの一覧画面に作成したイベント名が表示されているはずです。コンバージョン名や数(変化率)といった表記の横に「コンバージョンとしてマークを付ける」という項目があるかと思いますので、そのトグルがONになっているか確認しましょう。ONになっていれば設定は完了です。
設定の反映に時間がかかる場合もあります。設定完了後、少し時間を置いてから次章の作業に開始しましょう。
GA4のコンバージョンを確認する方法
GA4のコンバージョン設定が完了したら、次の作業はコンバージョンの確認です。ここでは、コンバージョン数とコンバージョンが発生したページを確認する方法を解説します。
コンバージョン数
コンバージョン数は、以下の方法で確認できます。
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以上の流れで、コンバージョンごとの発生数を確認できます。
流入経路別のコンバージョン数
流入経路別のコンバージョン数の確認方法は、以下の通りです。
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流入経路は英単語で表示されています。主な項目の意味を下表に示します。
流入経路 | 意味 |
Organic Search | 自然検索からの流入 |
Direct | 参照元ページが不明な流入 |
Affiliates | アフィリエイトサイトからの流入 |
Paid Search | リスティング広告からの流入 |
Unassigned | 分類できない流入 |
コンバージョンが発生したページ
コンバージョンが発生したページを確認する方法がこちらです。
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以上で、コンバージョンが発生したページを確認できます。
GA4のコンバージョン設定がうまくいかないときの対処法
コンバージョンが思うように計測されない場合は、以下の対処法によって改善される可能性があります。具体的な内容を確かめましょう。
コンバージョン設定を見直す
コンバージョン設定に誤りがある場合、正しい計測ができなくなります。コンバージョンを管理画面から設定した場合は、「パラメータ」「演算子」などに間違いがないか確認してみてください。
「除外する参照のリスト」をチェックする
GA4では、内部ユーザーのデータを除外してレポートに表示させないようにする「除外フィルタ」という機能があります。除外フィルタの設定内容によってはコンバージョンを正しく計測できない可能性があります。
管理画面→「データとストリーム」→「タグ付けの詳細設定」を順番にクリックすると表示される「除外する参照のリスト」や「内部トラフィックの定義」をチェックして、入力内容に間違いがないかチェックしましょう。
設定して間もないなら時間を置く
GA4では、設定から反映されるまでに24時間から48時間ほどかかる場合があります。コンバージョンが計測されないときは、データの反映が完了していないのかもしれません。設定を完了して間もない場合は、24時間ほど時間を置いてみましょう。
GA4は過去にさかのぼって計測できない
GA4は、コンバージョンが設定されてから、計測を開始します。GA4を導入しただけでは、データを計測できませんのでご注意ください。
また、過去にさかのぼってデータを計測することもできません。GA4でユーザーの行動を収集・分析したい場合は、できるだけ早くコンバージョン設定を完了させましょう。
GA4のコンバージョン設定以外に注目したい新機能
GA4には、データ探索機能と機械学習機能という新たな機能が備わっています。特徴やメリットを確認して、マーケティング業務に役立てていきましょう。
データ探索機能
データ探索機能とは、自由にレポートを作成できる機能です。売上などの数値データと商品などの項目データを、目標に沿って設定できるようになります。セグメント機能やフィルタ機能も使用することで、分析しやすいレポートの作成が可能です。
また、「自由形式」「ファネルデータ探索」などのテンプレートも用意されており、6つのテンプレートの中から目的にあわせたタイプを使用してレポートを作成できます。
機械学習機能
GA4には、機械学習によってユーザーの将来の行動を予測する機能が備わっています。
例えば「購入の可能性」という予測指標を活用して、購入しやすいユーザーや、離脱につながるユーザーの特徴を見極めていきます。購入の可能性とは、「過去28日間に操作を行ったユーザーの行動を分析して、今後7日間以内に特定のコンバージョンが記録される可能性」を示した予測指標です。
Googleの公式ヘルプには、上記以外の予測指標が掲載されているほか、予測指標を使用するための前提条件も掲載されています。
参考:Google アナリティクスヘルプ [GA4] 予測指標
Webサイトとアプリを横断的に計測
UAの計測対象はウェブサイトのみでしたが、GA4ではウェブサイトとアプリの両方からイベントベースのデータを収集できます。
パソコンとアプリといったデバイスをまたいだ行動であっても、同一人物の行動であると判別ができるのです。
Harmonic SocietyはGA4のコンバージョン設定に関するご相談も受け付けています
GA4のコンバージョン設定を行うためには、計測したい項目に対応したイベントを設定することが大切です。自社のマーケティング目標を再確認して、適切なデータを計測できるイベントを設定しましょう。
コンバージョン設定後に思うように計測できない場合は、本記事を参考に設定内容を見直してみてください。設定の値に間違いがある場合、正確なコンバージョンを測定できないおそれがあります。
GA4のコンバージョン設定を正しく行い、自社の見込み顧客の好みや行動パターンの把握につなげていきましょう。そして自社のマーケティング活動を最適化させてください。
なお、Harmonic Society株式会社は、GA4のコンバージョン設定に関するご相談も受け付けています。弊社は、企業の強みを言葉にして届けるライティング力を武器に、企業の成長を併走型サービスによってサポートします。コンバージョンの設定や経営に関するお悩みを抱えている方は、ぜひこの機会にHarmonicSocietyまでご相談ください。
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