ビジネスにおいて、マーケティング戦略の効果を客観的に評価することは非常に重要です。そのためには、「コンバージョン率」という指標に注目する必要があります。
コンバージョン率は、特定の目標を達成するために必要なアクションを実行する人の割合を表します。Webマーケティング業界では、この割合を高めるための取り組みをCRO(Conversion Rate Optimization/コンバージョン率最適化)と呼んでいます。
具体例として、アマゾンや楽天市場などのECサイトのコンバージョン率は、サイトを訪れたユーザーのうち、目標とするアクション(例えば、商品の購入、メール登録、フォームの送信など)を実際に行った人の割合です。コンバージョン率が高いWebサイトとは、ユーザーが望むアクションを達成しやすいWebサイトのことです。
今回紹介するABテストツールは、コンバージョン率を向上させることを目的としたツールです。このツールを使用してコンバージョン率をモニタリングすることで、自社のWebサイトの改善につながります。
本記事で分かる内容は以下の通りです。
- コンバージョン率を高める手法
- ABテストツールの主な機能
- 主流なABテストツールの特徴や価格帯など
ABテストツールの主な機能
まず初めに、ABテストツールが備えている主な機能についてご紹介します。
1. バリエーションの作成
バリエーションの作成とは、異なる要素やデザインの変更を反映した複数のバリエーションを作成するプロセスを指します。テスト対象のページやコンテンツの複数のバージョンのコンバージョン率などを比較することができます。
2. 分割トラフィックの誘導
分割トラフィックの誘導によって、異なるバリエーションのアクセス数を揃えるなど、同じ状況で比較することができます。これにより、バリエーション間の差異を正確に評価し、最適な改善策を特定することが可能となります。
3. 統計分析機能
ABテストの結果を正確に評価するためには、統計を分析する機能が必要です。
ABテストツールは、結果の信頼性を確保するために統計的な解析手法を提供し、各バリエーションのパフォーマンスを比較してくれます。
4. レポートと可視化
ABテストの結果や進行状況をわかりやすくレポート化して表示する機能があります。グラフやヒートマップなどを通じて、異なるバリエーションの結果や進捗を視覚的に把握することができます。
5. 自動化と最適化
ABテストツールは、自動化されたテストの実行や最適化をサポートする機能を提供します。これにより、テストの設定や実行にかかる手間を削減し、最良のバリエーションを特定するプロセスを迅速化します。
おすすめABテストツール7選
それでは当社がおすすめするABテストツール7選を解説していきます。
Optimizely
企業名:株式会社ギャプライズ
URL:https://www.optimizely.com/
Optimizelyの機能一覧
- Webサイト編集機能
- ABテスト機能
- 多変量テスト機能
- 複数ページテスト機能
- 目標の設定・計測
- テスト結果の分析機能
- ターゲティング機能
- プロジェクト管理機能
- CDNを選定するためのパフォーマンステスト
- データプラットフォーム「Lite」
- AIダッシュボード
Optimizelyの特徴
Optimizely(オプティマイズリー)は、株式会社ギャプライズが正規代理店として提供している海外産ABテストツールです。およそ7,000社以上の導入実績があり、ABテストツールの中では、世界のNO.1のシェア率を誇っております。
機能の特徴として、作成できるABテストのバリエーションに制限が設けられていないなど、大規模なテストを行うことができる点が特徴です。テスト後の解析機能も備わっており、より高いコンバージョン率のサイト作成をサポートしてくれます。
また、従量課金制で様々な機能を利用することができるので、導入コストの方も柔軟に対応することができます。30日間の無料トライアル期間も設けられているので、使用感を試してみることもできるので、導入のハードルが低い点も特徴の1つです。
Optimizelyの料金表
月額 | 要問い合わせ |
初期費用 | 要問い合わせ |
無料トライアル | 30日間 |
Ptengine
企業名:株式会社Ptmind
URL:https://www.ptengine.jp/
Ptengineの機能一覧
- Webサイト編集機能
- ABテスト機能
- リダイレクトテスト
- Web接客のテスト
- コードモードによる高度なテスト
- 詳細なユーザーセグメントをテスト
- ベイズモデル搭載
- AIスマート配信機能
- ヒートマップ・アクセス解析
- セグメント別レポート機能
Ptengineの特徴
Ptengineの最大の特徴は、プログラミングの知識がなくても簡単にABテストのバリエーションを作成できる点です。直感的な編集画面を通じて、ABテストを行うことができるので、このようなツールに慣れていない方でも簡単に使いこなすことができます。
さらに、Ptengineはターゲットのニーズや興味に沿った訴求をテストする機能も提供しています。CTA周辺のテストやリダイレクトテストを通じて、ユーザーのクリック率を向上させる効果的な手法を見つけることができます。
Ptengineの料金表
プラン名 | Free | Growth | Premium |
月額 | 無料 | 7,980円 | 従量課金 |
計測可能PV数/月 | 3,000 | 3,000~500,000 | カスタマイズ |
利用可能ユーザ数 | 3 | 20 | カスタマイズ |
ページグループ設定数 | 1 | 10 | カスタマイズ |
コンバージョン設定数 | 3 | 20 | カスタマイズ |
※Growthプランのみ14日間の無料トライアル期間あり
SiTest
企業名:株式会社グラッドキューブ
URL:https://sitest.jp/
SiTestの機能一覧
- Webサイト編集機能
- ABテスト機能
- パーソナライズ機能
- ポップアップ機能
- EFO(エントリーフォーム最適化)
- データ比較機能
- ヒートマップ・アクセス解析
- Web広告連携機能
- 解析レポートの自動生成
SiTestの特徴
SiTestの特徴は、ヒートマップの解析機能に特化している点です。ヒートマップは、サイト訪問者の行動を座標軸データに変換して「色」で視覚化するグラフの一種です。コンバージョン率を高めるためのフィードバックの1つとして重宝されています。
SiTestでは、スクロールやマウスグラフィ、クリック/タップなど、様々な訪問者の行動に対応したヒートマップが用意されているので、自社のWebサイト上でのユーザーの行動を詳しく調査したいという方におすすめのABテストツールとなっています。
ヒートマップによる解析結果をレポートとして、自動でまとめてくれる点も特徴の1つです。
SiTestの料金表
月額 | 要問い合わせ |
初期費用 | 要問い合わせ |
無料トライアル | あり |
AB Tasty
企業名:株式会社ギャプライズ
URL:https://abtasty.gaprise.jp/
AB Tastyの機能一覧
- Webサイト編集機能
- ABテスト機能
- 多変量テスト機能
- 複数ページテスト機能
- リダイレクトテスト機能
- ベイズモデル搭載
- セグメント機能
- トラフィック割り当て
- パーソナライズ機能
- データ分析機能
AB Tastyの特徴
AB Tastyは、株式会社ギャプライズが提供する、国産ABテストツールです。
ABテスト、複数ページテスト、多変量テスト、リダイレクトテストなど、目的に合わせた実験をエンジニアリソースなしで実装・開始できます。
AI機能やCDP(顧客データプラットフォーム)やデータレイクとの統合により、細かいユーザーセグメントを作成できます。
設定済みのカスタマイズ可能なテンプレートも用意されているので、導入のハードルが低い点も1つの特徴です。
㈱ギャプライズは、前述したOptimizelyなど、他にも複数のABテストツールを提供しています。状況や要件によって最適なツールは変わってくるので、自社に必要な機能を備えたツールを導入することが重要です。
AB Tastyの料金表
月額 | 要問い合わせ |
初期費用 | 要問い合わせ |
無料トライアル | あり |
Sprocket
企業名:株式会社Sprocket
URL:https://www.sprocket.bz/
Sprocketの機能一覧
- Webサイト編集機能
- ABテスト機能
- 行動データの計測
- バリエーションの作成
- ユーザー数分析
- 行動データ数分析
- コンバージョン影響度分析
- EFO(エントリーフォーム最適化)
- ヒートマップ作成
- 外部サービス連携
Sprocketの特徴
Sprocket(スプロケット)は、CRO(コンバージョン率最適化)プラットフォームを開発・販売・運用し、利用者に最適な企画・施策を提供しています。また、Sprocketはユーザーのさまざまな行動データを計測・記録する機能を持っており、ページの閲覧やスクロール、クリックなどの行動データを取得できます。
これにより、ABテストを行いながらコンバージョンにつながる、より効果的なWebサイトのデザインなどを見つけることができます。
さらに、行動データをトリガーとしてポップアップを表示させたり、サイトの設計を調整したりすることも可能です。
Sprocketは数多くの実績を持ち、350社以上で導入されています。さまざまなWebサイトでの導入実績があり、平均的なCVR(コンバージョン率)改善率は148.3%という高い改善効果が報告されています。
Sprocketの料金表
月額 | 要問い合わせ |
初期費用 | 要問い合わせ |
無料トライアル | デモアカウントの貸し出し |
DLPO
企業名:DLPO株式会社
URL:https://dlpo.jp/
DLPOの機能一覧
- Webサイト編集機能
- ABテスト機能
- ABテスト代行
- 多変量テスト機能
- パーソナライズ機能
- ターゲティング機能
- 外部ツールとの連携
- プロジェクト管理機能
H4 DLPOの特徴
DLPOは日本国内だけでも導入実績が800社以上あるツールとして有名なツールです。このツールではLPに特化したABテストによってコンバージョン率を改善することができます。
DLPOの特徴として、他企業のABテストツールと比較してサポート体制が手厚いのが特徴です。ツールの導入から、その後のテストや解析までサポートしてくれるので、ツールを使い慣れていない方でも安心して使用することができます。
ABテスト代行サービスも提供されており、パッケージの作成からテスト、解析レポートの作成までを一貫して行ってくれます。
ABテストを行いたい方に最適なツールとなっています。
DLPOの料金表
プラン名 | DLPO ツール提供プラン | DLPO コンサルティングプラン |
月額 | 100,000円~ | 300,000円~ |
初期費用 | 200,000円 | 要問い合わせ |
Gyro-n EFO
企業名:株式会社ユニヴァ・ジャイロン
URL:https://www.gyro-n.com/efo/
Gyro-nの機能一覧
- Webサイト編集機能
- ABテスト機能
- ログ解析機能
- フリガナ自動入力
- MAツールとの連携
- おまかせ設定機能
- サポート機能
- リアルタイムエラーチェック
- 郵便番号から住所自動補完機能
Gyro-nの特徴
Gyro-nは、エントリーフォームの離脱率を減らすことにフォーカスを当てたツールです。導入フォーム数は6000以上と、確かな実績を誇っています。
EFO(エントリーフォーム最適化)の主な目標は、ユーザーがフォームへの入力を完了するために必要なステップや入力項目を最小限にすることです。これにより、ユーザーは迅速かつ容易に情報を入力し、少ないストレスで快適な利用体験を得ることができます。ストレスの少ないフォーム作りが、コンバージョン率の向上に繋がります。
自社サイトのエントリーフォームを最適化したい方におすすめのツールとなっています。
H4 Gyro-nの料金表
月額 | 15,000円~ |
初期費用 | 基本無料 |
最低契約期間 | 6ヶ月間 |
※初期費用は2フォームまで無料です。
3フォーム目以降は、1フォームあたり設定費用10,000円(税別)が掛かります。
まとめ
本記事では、ABテストツールの機能や特徴、価格についてご紹介しました。
日々競争が激しくなっているWebマーケティング業界において、自社サイトのコンバージョン率を改善し、売り上げを伸ばすためには欠かせないツールとなっています。
LPに特化されたものやエントリーフォームに特化されたものなど、それぞれのツールごとに強みが異なるので、自社に適したABテストツールを導入しましょう。
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