カスタマージャーニーとは?初心者向けにメリットや目的も解説

カスタマージャーニーとは、顧客の行動を可視化し、一連の流れを旅に例えたもののことです。更にそれを具体的に見える形で表したものが「カスタマージャーニーマップ」です。

カスタマージャーニーマップは作成して終わりではなく、その都度更新されていくので優先すべき課題を見つけやすく、結果として精度をあげていくことが可能です。

そのためカスタマージャーニーは、「Webマーケティング戦略に一体感がない」とお悩みの方や「メンバー内で共通認識が不足している」と感じている方にこそおすすめしたいフレームワークです。

[st-midasibox title=”本記事で分かる内容は以下の通りです。” webicon=”st-svg-check-circle faa-ring animated” bordercolor=”#FFC107″ color=”” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”” borderradius=”5″ titleweight=”bold” myclass=””]

  • カスタマージャーニーとは何か?何のために作るのか?
  • カスタマージャーニーマップを作成するメリット
  • カスタマージャーニーマップを作成する上での注意点

[/st-midasibox]

カスタマージャーニーマップの作り方についても記載しているので、Webマーケティング戦略にご興味がある方は是非参考にしてみて下さい。

カスタマージャーニーとは顧客の購買プロセス

【完成品】Harmonic Society_ホワイトペーパー_page-0023

カスタマージャーニーとは、顧客が製品・サービスに出会い、そこから購入・契約に至るまでの道筋のことです。

直訳すると「顧客の旅」という意味で、プロセスを「旅」に例えています。その工程を可視化したものが「カスタマージャーニーマップ」です。

カスタマージャーニーマップは、顧客の感情・思考・行動をフェーズごとに時系列で想定します。そのため、各フェーズで顧客にどうアプローチするべきなのか俯瞰的に把握しやすいです。

したがって、カスタマージャーニーマップは適切なマーケティング施策を行うために取り入れられています。

カスタマージャーニーマップを作る目的

カスタマージャーニーマップは、主に以下の目的のために作成されます。

  • 顧客の行動を理解するため
  • 戦略に一体感を持たせるため

それぞれについて噛み砕いて説明していきます。

目的1:顧客理解

カスタマージャーニーマップを作成する目的の一つは顧客理解です。カスタマージャーニーマップを作成すると、顧客が実際に購入に至るまでの過程を時系列で把握することができます

するとどのタッチポイントが顧客にとって障害となっているか、そしてそこにどんな感情が生まれてどういう行動に繋がっているかを可視化できるため、顧客の行動をより深く理解できるようになります。

なお、タッチポイントとは、SNSやWeb広告、メルマガ、レビューサイトなど、顧客が企業と接触する顧客接点のことです。

結果、どの課題を優先して解決するべきかが分かりますし、顧客の思考を理解することで、顧客に寄り添ったマーケティング施策を考えられます。

目的2:マーケティング戦略に一体感を持たせる

商品開発やマーケティング施策を行っていく上では、多くの関係者が関わることになります。その際に、単に商品の情報やコンセプト、そして対象としているペルソナを共有するだけでは共通認識がズレてしまう恐れがあります。

ところがカスタマージャーニーマップはさまざまな部署が協力して作成するものなので、結果として社内全体で状況を把握することに繋がり、チーム全体が同じ方向を向いて進んでいくことができます。

Webマーケティング戦略に一体感を持たせるという目的が、カスタマージャーニーマップ作成の目的の2つ目です。

カスタマージャーニーは意味がない?

「カスタマージャーニーはもう古い」「意味がない」という声も中にはあります。

古いと言われてしまうのは、従来のカスタマージャーニーマップと、実際の顧客行動にずれが生じるようになったからです。

しかし実際のところ、購買行動が多様化している現代にこそ、カスタマージャーニーマップは必要です。その理由について説明していきます。

購買プロセスが多様化した

SNS時代に突入する前は、顧客行動は至ってシンプルなものでした。顧客が情報収集できる場は、テレビやラジオ、新聞などのマスメディアが中心だったからです。

以前はテレビでCMを放映して認知させ、クーポンを配ったりキャンぺーンを行って集客していました。「買う」という行動一つとっても、昔は店頭で購入することが普通だったのです。

ところが現代では「Webで購入する」という行為一つとっても、「SNS経由で購入」「ECサイトで購入」など多岐に渡っています。

スマホとSNSの普及により、顧客の行動は一本道ではなくなったのです。とりわけBtoCでは、衝動的に購買する「パルス型消費」が増えたことも背景にあげられます。

パルス型消費とは、例えばなんとなくスマホで情報収集しているときに、ピンときて購入に至る直感的な消費行動のことです。

他にも予測していたプロセスを経ることなく購入に至るケースもありますし、プロセス間を何度か往復した後に購入するという顧客もいます。

そのため、従来のカスタマージャーニーマップで予測された動きとは、異なる行動をとる顧客が多くなりました。結果、顧客に対して一方通行であるカスタマージャーニーマップは「古い」と言われるようになってしまったのです。

カスタマージャーニーは現代でも通用する考え方

衝動買いと言っても実際に商品の購入に至るまでに顧客は、CMや店舗、SNSなどで複数のタッチポイントを経ていることが多いです。

予測していたプロセスを行ったり来たりする購買行動に関しても、次のステージへと進まないということは何かがあるわけです。つまりそこには改善の余地があり、原因を把握すれば顧客獲得に繋がります。

大事なのは、各ペルソナに合わせてパターンを分析し、顧客がどのタイミングで購買へと繋がったのか、どこが不適切だったのか、洗い出してカスタマージャーニーマップを再設計することです。

適切にカスタマージャーニーマップのアップデートを行えば、行動をステージ分けできるカスタマージャーニーマップは現代のWebマーケティングでも十分に効果を発揮する手法と言えるでしょう。

カスタマージャーニーマップを作るメリット

[st-slidebox webicon=”” text=”+ カスタマージャーニーマップを作成するメリットは以下の4点です。” myclass=”” bgcolor=”” color=”#1a1a1a” margin_bottom=”20″]

  • 顧客視点でマーケティングが行える
  • 的確に問題解決と向き合える
  • 優先すべき課題が分かる
  • 意思疎通がスムーズに

[/st-slidebox]

顧客視点でマーケティングが行える

カスタマージャーニーマップを作る1番のメリットは、顧客視点でマーケティングができることです。

ビジネスは売り手目線になりがちですが、カスタマージャーニーマップはペルソナを設定してペルソナの感情や行動を想定して作られるので、自然と顧客視点に立つことができます。

また、顧客の行動の背景を知ることで、顧客満足度の向上にも繋がります。

適切に問題解決と向き合える

顧客が予測していた動きとは異なる行動を取ったとしても、カスタマージャーニーマップがあると課題点を洗い出しやすくなります。

従来のやり方ではタッチポイントが設定されていないため、施策がうまくいっていない時に顧客行動を把握しきれず、何が原因か分からないというケースがあります。

しかしカスタマージャーニーマップを作成することで、顧客の行動をフェーズごとに分析できます

優先すべき課題が分かる

カスタマージャーニーマップはフェーズごとに課題を明確化できるため、「重要度を比較できる」「KPIが明確になる」というメリットがあります。

課題の重要度の比較

顧客への理解が深まるとどういう施策を打っていけばいいのかという課題が明らかになります。

課題が分かると、「興味・関心」「情報収集」「比較・検討」などのステージごとに仮説を立てられるため、課題の重要度を比較できます。

結果として、優先すべき課題から取り組めるので、迅速に施策を進めることに繋がり、競合他社と差別化できます。

KPIが明確になる

カスタマージャーニーマップに基づいてマーケティング施策をするということは、自然とKPI(Key Performance Indicator)の設定に繋がります。

フェーズごとに顧客の動きを把握できるため、目標を達成できたのか、出来ていないのかが分かります。

施策がうまくいっていなかったのであれば原因を分析し、PDCAサイクルを高速で回すことも可能になるのです。

意思疎通がスムーズに

カスタマージャーニーマップは経営層などメンバー外との調整や確認にも利用することができます

したがって、関係者全員で共通認識を持てるので、社内での意思決定を迅速に行えますし、意思疎通がスムーズです。

また、カスタマージャーニーマップは外注先とコミュニケーションを取るときにも役立ちます。

カスタマージャーニーマップの作り方

【完成品】Harmonic Society_ホワイトペーパー_page-0024

カスタマージャーニーマップを作成する具体的な手順を紹介します。

1.ゴールを設定する

カスタマージャーニーマップを作成する場合、まずはゴールを設定しましょう。

カスタマージャーニーマップを作成することで得たい成果は何なのか、明確に目標を定めることが大切です。

ゴールによって、どんな情報が必要なのか、どういう顧客を想定すべきなのかも変わります。

2.ペルソナを設定

ゴールの設定が出来たら、次はターゲットとする架空の顧客像(=ペルソナ)を考えます。

異なる部署間や外部でも同じイメージを共有できるようにペルソナは具体的であればあるほど良いです。

  • 氏名や性別
  • 年齢
  • 職業(業種、役職、会社規模)
  • 収入
  • 家族構成
  • 性格、考え方
  • 趣味嗜好

例えばBtoCの場合は、以上の項目を埋めるくらい細かく想定することで、顧客の思考や感情を想定しやすくなります。

既存顧客の情報をペルソナに設定するのもおすすめです。

  • 業種
  • 従業員数
  • 売り上げの規模
  • 市場の規模
  • 企業の理念
  • 予算
  • 実現したい目標

BtoBの場合は、以上の項目を参考にペルソナを作成してみてください。

関連記事:ペルソナの作り方を具体的に解説!メリットや注意点も紹介

3.枠組みに当てはめてペルソナの行動を想定

ゴールとペルソナが固まったら、いよいよ枠組みに入りましょう。

横軸には各フェーズ「無関心」「興味・関心」「情報収集」「比較・検討」「購買」を設定します。縦軸には「感情」「行動」「施策」などの情報を入れます。

そして横軸に設定したフェーズごとに、ペルソナがどういう感情を抱くのか、どういうタッチポイントで行動を取るのか、そしてその行動を取らせるためにはどういう施策を取るべきなのか書き出します。

カスタマージャーニーマップを作る上での注意点

顧客に対して適切なWebマーケティングを行う上で必要不可欠なカスタマージャーニーマップですが、作成する上でいくつか注意したいことがあります。

作成して終わりではない

カスタマージャーニーマップは、一度作成して完結するものではありません。マップから導き出された施策を取った結果どうなったか、分析と改善を行っていく必要があります。

各ステージごとに問題点を洗い出し、その都度カスタマージャーニーマップを更新して精度を上げてこそ、効果が発揮されるものなのです。

カスタマージャーニーマップはメンバー間で共有し、顧客高度の変化に合わせて柔軟に対応出来るようにする必要があります。

ペルソナの設定を間違えない

カスタマージャーニーマップを作成する上でやってしまいがちなのが、企業が考える理想の顧客をペルソナとして設定するという失敗です。

例えば「顧客がSNS広告で自社商品を見かける→何度か見かけるうちにクリックしてサイトに流入→商品を気に入って購入」という流れは、顧客行動ではなく企業側にとっての理想です。

ペルソナを設定する際に「顧客にこういう感情を抱いて、ここで購買行動に至ってほしい」と考えるのは、顧客目線に立っているとは言えません。

理想を詰め込むのではなく、ペルソナは顔と性格を思い浮かべることができるくらい具体的に設定し、自分が顧客側に立ったつもりで考えましょう。

現代にこそカスタマージャーニーが必要

購買行動が多様化した現代にこそ、各フェーズごとに顧客の思考・行動を分析できるカスタマージャーニーマップは役に立ちます

また、Webマーケティングを行っているものの、なんとなく足並みが揃っていないなと感じるときや、外注先との意思疎通に不満があるときにも、カスタマージャーニーマップは便利です。

同じ顧客へのプロセスでも、どんな立場から顧客を考えているかで認識の違いが生じるからです。

メンバー間での共通認識が不足していると感じている方や、外注先とのコミュニケーションに不満がある方は是非カスタマージャーニーを取り入れてみてください。

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Harmonic Society編集部です。コンテンツ・マーケティングを軸にWebマーケティングの情報を発信しています。Creating Harmony in small steps, 世の中にもっと調和が訪れますように。

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