GA4に移行したけれど、コンバージョン設定のやり方がわからない――そんな中小企業のWeb担当者の方は多いのではないでしょうか。問い合わせや購入などの成果を正しく計測することが、Webサイト改善の第一歩です。
この記事では、GA4のコンバージョン設定方法を画像付きで初心者にもわかりやすく解説し、つまずきやすいポイントと解決策もあわせて紹介します。
GA4のコンバージョン設定とは?基本を理解しよう
「GA4でコンバージョンを設定したいけど、どこから手をつければいいかわからない」——こうした悩みをお持ちの中小企業のWeb担当者の方は多いのではないでしょうか。
この記事では、GA4のコンバージョン設定方法を初心者の方にもわかりやすく、画像付きで詳しく解説します。設定の手順だけでなく、つまずきやすいポイントや確認方法まで網羅していますので、この記事を読みながら実際に設定を進めていただけます。
コンバージョン設定は、Webサイトの成果を測る上で欠かせない仕組みです。LPの改善にはヒートマップ分析との併用も効果的です。問い合わせや資料請求、商品購入など、ビジネスにとって重要な成果を正しく計測することで、効果的な改善施策につなげることができます。検索結果での表示改善には構造化データマークアップも有効です。
UAとの違い:GA4のコンバージョンは「イベント」ベース
GA4とユニバーサルアナリティクス(UA)では、コンバージョンの考え方が大きく異なります。
UAでは、専用の「目標」機能で管理していました。到達ページ、滞在時間、ページビュー数、イベントという4つのタイプから選んで設定し、1つのビューにつき最大20個までという制限がありました。
GA4では、すべてのユーザー行動が「イベント」として記録され、その中から重要なイベントに「コンバージョン」というマークを付ける形になります。つまり、「このイベントはビジネスにとって重要だから、特別に集計しよう」という印をつけるイメージです。
なお、2024年以降GA4では「コンバージョン」が「キーイベント」に名称変更されましたが、機能や設定方法は同じですので、本記事では理解しやすさを優先して「コンバージョン」という表現を使用します。
| 項目 | UA(旧) | GA4(新) |
|---|---|---|
| 設定方法 | 目標として独立した設定 | イベントにマークを付ける |
| 設定数の上限 | 20個/ビュー | 30個/プロパティ |
| 計測の柔軟性 | 4つのタイプから選択 | イベントベースで自由度が高い |
コンバージョン設定をしないと何が困るのか
コンバージョン設定をしないまま運用していると、以下のような問題が生じます。
成果が見えない
アクセス数は分かっても、「実際にビジネスにつながったのか」が分かりません。
改善の方向性が定まらない
何を改善すべきかの判断基準がないため、感覚的な運用になってしまいます。
広告の費用対効果を測れない
Google広告などの有料施策を実施しても、無駄な広告費を使い続けてしまうリスクがあります。
過去データとの比較ができない
コンバージョン設定は遡って適用されないため、設定した時点からしかデータが蓄積されません。早めの設定が重要です。
ビジネスの成果を測るにはコンバージョン設定が不可欠です。特に中小企業では、限られたリソースを最大限活かすためにも、正確な効果測定が重要になります。
GA4イベントの種類とコンバージョン設定の考え方
GA4のコンバージョンは「イベント」をベースにしているため、イベントの種類を理解することが設定の第一歩です。
3種類のイベントを理解する
GA4のイベントは、大きく3つの種類に分かれます。
1. 自動収集イベント
GA4のタグを設置するだけで、自動的に計測されるイベントです。
page_view:ページ閲覧session_start:セッション開始scroll:90%スクロールfile_download:ファイルダウンロードvideo_start:動画再生開始
2. 推奨イベント
Googleが用途別に推奨している、名前とパラメータが定義されたイベントです。
purchase:購入完了generate_lead:リード獲得(問い合わせなど)sign_up:会員登録
推奨イベントは、Google広告などとの連携がスムーズになります。
3. カスタムイベント
自社のビジネスに合わせて独自に作成するイベントです。
contact_form_submit:問い合わせフォーム送信tel_click:電話番号クリックprice_page_view:料金ページ閲覧
どのイベントをコンバージョンにすべきか
すべてのイベントをコンバージョンに設定すると、かえって重要な成果が見えにくくなります。ビジネスゴールに直結する行動だけを厳選することが大切です。
選定の3つのポイント:
1. ビジネスの最終目標から逆算する
- BtoB企業:問い合わせ獲得、資料請求
- ECサイト:商品購入
- 採用サイト:エントリー、説明会予約
2. 主要コンバージョンとマイクロコンバージョンを分ける
- 主要コンバージョン:問い合わせ完了、購入完了など
- マイクロコンバージョン:資料ダウンロード、料金ページ閲覧など
最初は主要コンバージョンだけを設定し、慣れてきたらマイクロコンバージョンも追加するのがおすすめです。
3. 計測可能かどうか確認する
「電話での問い合わせ」など、Web上で完結しない行動は直接計測できません。その場合は「電話番号のクリック」を代替指標として設定します。
中小企業におすすめのコンバージョン設定例:
| 業種 | 推奨コンバージョン |
|---|---|
| 製造業・BtoB | 問い合わせ送信、資料請求、電話クリック |
| 小売・EC | 購入完了、カート追加、会員登録 |
| サービス業 | 予約完了、問い合わせ、料金ページ閲覧 |
設定数は3〜5個程度から始めるのが現実的です。多すぎると管理が大変になり、少なすぎると十分な分析ができません。
【方法①】GA4管理画面でコンバージョンを設定する
GA4の管理画面から直接コンバージョンを設定する方法は、最もシンプルで初心者におすすめです。
既存イベントをコンバージョンとしてマークする
すでにGA4で計測されているイベントをコンバージョンに設定する手順です。
手順:
- GA4の管理画面を開く
- 左下の「管理」(歯車アイコン)→「プロパティ」列の「イベント」をクリック
- コンバージョンに設定したいイベントの右側にあるトグルスイッチをオンにする
これだけで設定完了です。
注意点:
- イベント一覧に表示されていないイベントは、まだ一度も発生していないため、この方法では設定できません
- 設定後、データ反映には最大24時間かかる場合があります
- 一度設定したコンバージョンは、過去に遡って適用されません
新しくイベントを作成してコンバージョン設定する
既存のイベントでは要件を満たせない場合、新しいイベントを作成できます。
手順:
- GA4管理画面の「管理」→「イベント」→「イベントを作成」をクリック
- カスタムイベント名を入力(例:
contact_complete) - 一致する条件を設定
条件設定の例(問い合わせ完了ページの表示をイベント化):
パラメータ:event_name
演算子:次と等しい
値:page_view
AND
パラメータ:page_location
演算子:次を含む
値:/contact/thanks
- 「作成」ボタンをクリック
- 該当ページにアクセスしてイベントを発生させる
- イベント一覧に表示されたら、トグルスイッチでコンバージョンとしてマーク
イベント名の命名規則:
- 小文字とアンダースコアを使う(例:
contact_form_submit) - わかりやすく具体的な名前にする
- 日本語は避ける
- 推奨イベント名がある場合は優先的に使う
よくある設定ミスと対策
| 症状 | 原因 | 対処法 |
|---|---|---|
| イベントが一覧に表示されない | まだ一度も発生していない | 該当の行動を実際に行ってみる |
| トグルスイッチが押せない | 権限がない | 管理者権限を持つアカウントで操作 |
| 作成ボタンが押せない | 上限30個に達している | 不要なコンバージョンを削除 |
| イベント名のスペルミス | 入力ミス | 1文字でも違うと別イベントになるため注意 |
【方法②】GTMを使った設定方法
Googleタグマネージャー(GTM)を使うと、より柔軟で詳細なコンバージョン設定が可能になります。
GTMを使うメリット
GTMが必要なケース:
- 特定のボタンやリンクのクリックを計測したい
- フォーム送信を計測したい(サンクスページがない場合)
- サイトのHTMLを直接編集できない/したくない
GTMを使うメリット:
- サイト修正なしでイベント追加が可能
- より詳細な条件設定ができる
- プレビューモードでテストしやすい
- GA4以外のツールも一元管理できる
GA4管理画面だけで十分なケース:
- サンクスページへの到達を計測するだけでよい
- 自動収集イベントで要件を満たせる
中小企業の場合、まずはGA4管理画面での設定から始めて、必要に応じてGTMを導入するのが現実的です。
GTMでの設定手順(問い合わせフォーム送信の例)
全体の流れ:
- GTMでトリガーを作成
- タグを作成
- プレビューモードで動作確認
- 公開
- GA4でコンバージョンとしてマーク
ステップ1:トリガーの作成
- GTM管理画面で「トリガー」→「新規」をクリック
- トリガー名を入力(例:「問い合わせ送信ボタンクリック」)
- トリガータイプで「すべての要素」のクリックを選択
- 「一部のクリック」を選択し、条件を設定:
Click URL 含む /contact/thanks
- 保存
ステップ2:タグの作成
- 「タグ」→「新規」をクリック
- タグ名を入力(例:「GA4 - 問い合わせ送信」)
- タグタイプで「Googleアナリティクス:GA4イベント」を選択
- イベント名を入力:
contact_form_submit - トリガーで先ほど作成したトリガーを選択
- 保存
ステップ3:プレビューと公開
- GTM画面右上の「プレビュー」をクリック
- サイトのURLを入力して「Connect」
- 実際にフォーム送信を行い、GTMデバッグ画面で「Tags Fired」に作成したタグが表示されるか確認
- 問題なければ「公開」ボタンをクリック
ステップ4:GA4で確認
- GA4のリアルタイムレポートで、イベントが発生しているか確認
- 24時間以内にイベント一覧に表示される
- トグルスイッチでコンバージョンとしてマーク
GTM設定時のチェックポイント
設定前:
- [ ] GTMコンテナタグが正しく設置されているか
- [ ] GA4測定IDが正しいか
設定中:
- [ ] イベント名は小文字・アンダースコアで統一されているか
- [ ] トリガー条件は適切か
- [ ] 既存のタグと重複していないか
設定後:
- [ ] プレビューモードで意図通り発火するか
- [ ] GA4のリアルタイムレポートでイベントが確認できるか
設定後の確認方法
コンバージョン設定は、設定しただけでは不十分です。正しく計測されているか必ず確認しましょう。
リアルタイムレポートで即座に確認する
最も手軽で即座に確認できる方法です。
確認手順:
- GA4管理画面の「レポート」→「リアルタイム」をクリック
- 自分で該当のアクション(フォーム送信など)を実行
- 「イベント数(イベント名別)」セクションで設定したイベント名が表示されるか確認
- 「コンバージョン」セクションでカウントされているか確認
リアルタイムレポートは数秒〜数分で反映されるため、すぐに結果を確認できます。
DebugViewを使った詳細確認
より詳細な確認が必要な場合は、DebugViewを使います。
確認手順:
- Google Chromeの拡張機能「Google Analytics Debugger」をインストール
- 拡張機能を有効にしてサイトにアクセス
- GA4管理画面の「管理」→「DebugView」を開く
- 該当のアクションを実行
- イベント名とパラメータが正しく送信されているか確認
DebugViewでは、パラメータの値まで詳細に確認できます。
レポートでコンバージョンデータを見る
設定後24時間以上経過したら、通常のレポートでもデータを確認できます。
確認手順:
- 「レポート」→「エンゲージメント」→「コンバージョン」をクリック
- 設定したコンバージョンが表示されているか確認
- コンバージョン数が正しくカウントされているか確認
計測されない場合のよくある原因
| 原因 | 対処法 |
|---|---|
| イベントがそもそも発生していない | GA4のイベント一覧で確認 |
| コンバージョンのトグルがオフになっている | イベント設定画面で確認 |
| GTMのタグが公開されていない | GTMで公開状態を確認 |
| トリガー条件が厳しすぎる | GTMプレビューモードで確認 |
| 広告ブロッカーが有効になっている | テスト時は無効にする |
よくある質問
イベントは表示されるのにコンバージョンにならない
イベント一覧でイベントは確認できるのに、コンバージョンレポートに表示されない場合は、トグルスイッチがオフになっている可能性があります。「管理」→「イベント」で該当イベントのトグルを確認してください。
過去のデータにさかのぼって適用される?
適用されません。コンバージョン設定は、設定した時点からのデータのみが計測されます。そのため、早めの設定が重要です。
複数のコンバージョンを設定する場合の注意点
GA4では1プロパティあたり30個までコンバージョンを設定できますが、多すぎると管理が煩雑になります。本当に重要なものだけに絞り、3〜5個程度から始めるのがおすすめです。
コンバージョンの削除・編集方法
削除する場合は、「管理」→「イベント」で該当イベントのトグルスイッチをオフにします。イベント名の変更はできないため、新しいイベントを作成する必要があります。
GA4コンバージョン設定を活かした次のステップ
設定したコンバージョンをどう活用するか
コンバージョン設定後は、以下のような活用が可能です。
- 流入元別の成果を比較:どのチャネルが効果的か把握
- デバイス別の成果を分析:PC・スマホの最適化
- ランディングページの効果測定:どのページが成果につながるか
定期的にレポートを確認し、改善のPDCAサイクルを回しましょう。
Google広告との連携でできること
GA4のコンバージョンをGoogle広告にインポートすることで、以下が可能になります。
- コンバージョンに基づいた広告の自動最適化
- より正確なROI(投資対効果)の測定
- リマーケティングリストの作成
「ちょうどいい仕組み」で業務を効率化するために
コンバージョン設定は、一度設定すれば自動的にデータが蓄積されます。完璧を目指さず、まずは主要な成果を計測できる「ちょうどいい」設定から始めることが大切です。
設定に不安がある場合や、より高度な計測が必要な場合は、専門家のサポートを受けることも検討しましょう。限られたリソースを最大限活かすためにも、データに基づいた意思決定ができる環境を整えることが、ビジネス成長の第一歩です。