インバウンドとアウトバウンド。メリットデメリットや運用の注意点を解説

BtoB企業が効果的にマーケティング活動を推進したいときは、インバウンドマーケティングとアウトバウンドマーケティングが効果的です。

ただし、両者にはそれぞれ特徴があり、導入後のメリットやデメリットも異なります。

両者の違いをしっかり押さえれば、見込み顧客を効率的に獲得できるようになり、プロジェクトの売上達成も近づくでしょう。

本記事では、インバウンドマーケティングとアウトバウンドマーケティングの概要やメリットデメリット、さらに両者を組み合わせる手法までわかりやすく解説します。

企業に勤めるマーケティング担当者はもちろん、自社のマーケティング活動を効率的に運用したい方は、ぜひ最後までご覧ください。

インバウンドマーケティングとは、「自社に問い合わせがくるような仕組みづくり」のこと

インバウンドマーケティングとは、「自社の商品やサービスに対して、見込み顧客から問い合わせがくるような仕組みを作ること」を指す営業活動です。

顧客を獲得すると聞くと、従業員が顧客に売り込みをかける姿を想像するかもしれませんが、それはアウトバウンドマーケティングに該当します。

インバウンドマーケティングでは、オウンドメディアやWebサイト、メルマガといったコンテンツを通して、顧客に興味を持ってもらうようにアプローチするのです。

例えば、自社の公式ホームページやオウンドメディアに、ターゲットユーザーに対して有益なコンテンツを掲載する方法があります。

ターゲットユーザーが、Googleなどの検索エンジンを通して自社サイトを発見。そこで「有益な情報のあるサイトだ」と感じてくれれば、自社のファンになってもらえるでしょう。

その結果、自社の商品やサービスの成約率向上につながるのです。

ただし、ユーザーに自社サイトを見つけてもらうためには、Web上で見つかりやすい仕組みを構築する必要があります。

SEOやWebマーケティングの知識があると、検索エンジンで自社サイトを上位表示させる施策に役立つでしょう。

そして、インバウンドマーケティングでは、オウンドメディアやメルマガといったオンライン手法以外にも、セミナーを開催して現地で顧客にアプローチする方法も効果的です。

アウトバウンドマーケティングとは「自社からアプローチを仕掛ける」営業活動のこと

一方のアウトバウンドマーケティングとは、自社から見込み顧客へアプローチする営業活動を指します。

新聞・雑誌、Web広告、DM、FAX、テレコール、展示会などの方法で、不特定多数に自社の魅力をアピールします。

インバウンドマーケティングが、自社の存在を認知している顧客にアプローチするのに対して、アウトバウンドマーケティングでは自社を全く知らない顧客にもアピールできる点が特徴です。

例えば、新聞・雑誌、Web上に広告を掲載すれば、媒体を見たユーザーの目にとまります。

広告の大きさやデザインにユーザーの印象は左右されますが、多くの人に会社名や自社の魅力をアピールできるのです。

不特定多数のユーザーに働きかけて、自社の存在を認知してもらい見込み顧客獲得へつなげる手法がアウトバウンドマーケティングになります。

インバウンドとアウトバウンドに関するニーズの変化

スマートフォンをはじめとするIT機器が普及した現代では、ユーザーは自分の好きなときに必要な情報にアクセスしています。

例えば、電車の中では、車内広告よりも手元のスマートフォンで自分が知りたい情報を集めているユーザーの方が多くなっています。

そのため、従来の広告やテレビCMといったアウトバウンドマーケティングは、徐々にその影響力が小さくなっているのです。

反対に、ユーザーが自ら情報を求める仕組みを作るインバウンドマーケティングは、時代のニーズに合っており、今後も有効な営業活動といえるでしょう。

インバウンドとアウトバウンドのメリットデメリット

インバウンドマーケティングのメリットは、見込み顧客との間で信頼関係を醸成できる点です。

インバウンドでは、顧客に対して有益な情報を継続的に提供します。

そのため、一度顧客との信頼関係を構築できれば、信頼関係が強固になりやすいのです。

アウトバウンドマーケティングに比べて即効性は期待できませんが、継続的に利用してくれるリピーターの確保を期待できるため、中長期的な売り上げアップも見込めるでしょう。

ただし、信頼獲得までに一定の時間が必要になる点は、インバウンドマーケティングのデメリットといえます。

一方のアウトバウンドマーケティングには、短期間に大量の見込み顧客を獲得できるというメリットがあります。

広告やテレコールなどを活用すれば、不特定多数の潜在顧客にアピールできるため、集中的に見込み顧客を集めたいときに役立つでしょう。

しかし、顧客が望んでいないタイミングで自社の情報を届けるケースがあるため、不快感を感じる人もいるかもしれません。

アウトバウンドマーケティングは、自社の存在を認知していない顧客にもアピールできますが、場合によって企業のイメ―ジダウンにつながる点に注意が必要です。

メリットデメリット
インバウンドマーケティング・継続するほど顧客とのつながりが増える
・信頼関係を醸成できる
・低コストで運用できる
・効果が出るまでに一定の期間が必要
・コンテンツ作成に時間がかかる
アウトバウンドマーケティング・即効性が期待できる
・不特定多数の顧客にアピール可能
・自社のイメージダウンにつながる可能性がある
・運用に人的コストが発生する

インバウンドとアウトバウンドを組み合わせる手法

インバウンドとアウトバウンドには、それぞれ長所と短所があります。

そのため、どちらか一方に偏ったマーケティング活動を展開するよりも、インバウンドとアウトバウンドを組み合わせて両者の長所を生かす方法をおすすめします。

例えば、「この商品が欲しいけど出費が気になるし…自分じゃ決められない」という顧客に対しては、商品のメリットをどんどん伝えていく「押す」営業活動の方が効果を発揮すると考えられます。

また、「自分で有益な情報を探して検討するのに疲れた」という顧客もいるかもしれません。

そのような顧客へは、下取りキャンペーンやカムバックキャンペーンといったお得な情報を届ける方法が有効です。限られた情報で決めたいと考えるユーザーも存在するからです。

反対に、積極的な営業活動が裏目に出そうなときは、「引く」営業活動が有効です。

ターゲットの役に立つコンテンツを作成したり、ユーザーがより使いやすいWebサイトを構築したりして、じっくり顧客との関係構築を目指しましょう。

インバウンドマーケティングもアウトバウンドマーケティングも、企業の商品やサービスをより多くの顧客に届けるための営業活動です。

自社の商品やサービスの特徴、プロモーションの時期、ターゲットユーザーの特徴などにあわせてお互いの長所が生きるマーケティング活動を運用してください。

インバウンドとアウトバウンドを運用する際の注意点

インバウンドとアウトバウンドを運用する際は、顧客の立場に配慮しましょう。

顧客に同じメールを送付したり同じ返答を繰り返させてしまうと、顧客の購買意欲が低下するかもしれません。

効果的なマーケティング施策を運用しても、最後に顧客に不快感をあたえてしまうと、成約率アップがむずかしくなります。

基本的なことかもしれませんが、最後まで顧客の満足度を向上させる取り組みを続けることをおすすめします。

集めた顧客情報を営業部門と他部門で共有できる仕組みを構築したり、部門間の連携を高めていきましょう。

まとめ

見込み顧客自らが問い合わせする仕組みを作るインバウンドと、顧客に積極的にアプローチするアウトバウンド。

購買意欲や特徴もさまざまな顧客に効果的にアピールするためには、両者の長所を上手に活用することが近道です。

両者の特徴を上手に生かして自社の売り上げアップにつなげてください。

関連記事:インサイドセールスが顧客獲得を効率化する理由とは?

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