インサイドセールスを導入したものの、「インサイドセールスを効果的に運用できているのかわからない」とお困りではないでしょうか?
インサイドセールスの成果を確認して、売上アップにつなげるためには、KPIの設定が鍵になります。
本記事では、インサイドセールスに効果的なKPI設定の方法について詳しく解説します。また、KPI設定後のインサイドセールスを成功させるポイントも紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
なぜKPIの設定がインサイドセールスに効果的なのか?
KPIをインサイドセールスに設定すると、企業の売上アップにつながります。
KPIの設定には、インサイドセールスの進捗状況や成果を数値で示す効果があるからです。
インサイドセールスの進捗状況や成果を数値で確認すると、顧客にリーチした件数や商談化した件数などが具体的にわかります。その結果、より効果的なインサイドセールスが可能になるのです。
例として、A社のインサイドセールスに「商談件数」のKPIを設定したケースを紹介します。
<A社:飲食店向けに店舗支援サービスを提供している>
- 営業マンが一日に電話でリーチできる数に限界を感じて、インサイドセールスを導入した
- 「月間20件の商談件数」が目標
月間20件の商談件数を目標とした場合、1週間あたり約5件の商談が目標達成の目安です。もしも、1週間で5件の商談が未達成の場合、インサイドセールスを軌道修正する必要があるでしょう。
例えば、アポイントメントの獲得数を増やしたり確度の高いホットリードに絞ってアプローチするといった対策が考えられます。インサイドセールスを軌道修正できれば、今からプロジェクトの売り上げを伸ばすことも十分に可能です。
インサイドセールスに設定したKPIの情報から、売上アップにつながる行動のヒントが得られます。
その結果、「月間売上目標」や「年間売上目標」といった大きな目標の達成にもつながるでしょう。
そもそもKPIとは?
KPI(重要業績評価指標)とは、重要な業績を評価するための指標です。
KPIは、部門ごとのパフォーマンスを評価するためにも使用されます。特徴の異なる各部門の進捗状況や成果を、具体的な数値で表して客観的に評価するのです。
そして、KPIを設置する最終的な目標は、売り上げの拡大です。各部門のパフォーマンスを客観的に評価して改善につなげることで、より効果的な事業活動につなげます。
さらに適切なKPIの設定は、従業員の働きやすさにもつながるでしょう。
「今週中にアポを3件取れたら目標達成できる」「業績達成までもうひと頑張り。顧客へのアプローチ数を少し増やそう」などと具体的な行動を自分で決定できれば、モチベーションの維持向上にもなります。
このように、KPIは業績管理だけでなく、インサイドセールスに従事する従業員にも効果的に働くのです。
そのために必要な項目が、次に紹介する「適切なKPIの設定」になります。
インサイドセールスに効果的なKPIの設定
インサイドセールスに設定する効果的なKPIを解説します。
活動数
活動数とは、架電(コール)数、メールの送付数といった見込み顧客(リード)へアプローチした回数を指します。活動数では、他のKPIとの違いをわかりやすくするために、単純な活動数のみを指標にするとよいでしょう。
「担当者へリーチできたか」「有益な情報を伝えたか」といった具体的な成果よりも、「見込み顧客(リード)へ電話をかけた回数」「メールを送付した枚数」といった単純な活動を指標にするのがおすすめです。
活動数をKPIに設定すると、目標までの具体的な取り組みがわかりやすくなります。
さらに、この後紹介する「接続件数」や「商談件数」と併せて確認すれば、成約に必要なアクションも見つけやすくなるでしょう。
接続件数
接続件数とは、「決済権を持つ担当者につながった件数」といった成約につながる顧客に接続できた件数を指します。
例えば、見込み顧客(リード)に電話がつながったものの「担当者が忙しくて対応できない」と返答された場合は、接続件数にカウントしなくても構いません。
成約につながる可能性が低いアプローチの場合は、活動数にカウントするとよいでしょう。
「商品やサービスのメリットを提示できた」「顧客のニーズを聞き出せた」といった有益なアプローチを接続件数に設定するのがおすすめです。
他にも、「メールの開封率」「返信率」なども接続件数として適切でしょう。接続件数が多いほど、商談数の増加が期待できます。
商談件数
商談に至った件数をカウントします。商談件数をKPIに設定すると、インサイドセールスで獲得した見込み顧客(リード)の評価につながります。
つまり、活動数や接続件数が多いのに商談件数が少ない場合、「確度の低い顧客ばかり獲得していた可能性が高い」と考えられるのです。
接続件数と商談件数をセットにしてKPIに組み込めば、成約につながりやすい顧客も見つけられるでしょう。
さらに商談件数を設定する際に、フィールドセールスにコンタクトをとり商談の基準を共有しておけば、見込み顧客(リード)のスムーズな受け渡しも可能になります。
受注数と受注金額
受注数とは、商談がまとまり受注(クロージング)に至った件数です。
インサイドセールスは案件が商談化した時点でフィールドセールスへ引き継ぎます。そのため、確度の高い見込み顧客(リード)をインサイドセールスへパスできた場合、受注数は高くなります。
つまり、受注数をKPIに設定すると、確度の高い見込み顧客(リード)をフィールドセールスにパスできた証明になるのです。
受注金額をKPIに設定することも可能です。受注金額も利益に直結するため、こちらもインサイドセールスが確度の高い見込み顧客(リード)を育成した証明と捉えられるでしょう。
KPI導入後のインサイドセールスを成功させるポイント
KPI導入後のインサイドセールスを成功させるポイントを解説します。
フィールドセールスと連携をとる
インサイドセールスで育てた案件を、最終的な成約(クロージング)につなげるために、フィールドセールスとの連携が大切です。
フィールドセールスとインサイドセールスの間で、見込み顧客(リード)の育成方針や見込み顧客の基準といった情報を共有しましょう。フィールドセールスからの意見は、次回のKPI設定の参考になります。
フィールドセールスから意見をもらう際は、BANTを活用したフィードバックを受け取る方法がおすすめです。BANTとは、成約に必要な4項目を示した造語で、顧客の客観的な評価を可能にします。
BANTの4項目とは、以下の項目です。
①Budget(予算)
顧客が商品やサービスを購入する際に予定している金額。
②Authority(決済権)
顧客が購入権を持っているか持っていないのか。
③Needs(ニーズ)
顧客のニーズ。
顧客が商品やサービスを購入して、どのような課題を解決したいのか。
④Time frame(導入時期)
顧客は商品やサービスをいつまでに購入したいと考えているのか。
4つの項目を顧客獲得の基準にすると、インサイドセールスとフィールドセールスの顧客の基準を共有できるでしょう。
お互いの意思を共有できれば、これまで以上に連携が高まるため、成約率の大幅なアップも不可能ではありません。
関連記事:インサイドセールスとフィールドセールスの違いとは?両者の役割や特徴をわかりやすく解説
目標のレベルに注意する
従業員のパフォーマンスを引き出すために、KPIの目標はやや高めに設定してもよいでしょう。
ただし、インサイドセールスは、多くの顧客に並行してアプローチしています。インサイドセールスに従事する従業員の中には、少なくない負荷がかかっている人もいるかもしれません。
仮にKPIの目標数値が高すぎた場合、従業員の離職につながるおそれもあるため注意が必要です。
過去の実績から無理なくクリアできるKPIを設定したり、個別に従業員をフォローして、一人ひとりのパフォーマンスを上手に引き出してください。
自社に適切なKPIを設定してインサイドセールスを効果的に運用する
適切なKPIの設定は簡単ではありません。
業界の状況や会社の売上目標、扱っている商品やサービスなどによって、指標とするべき項目が異なるためです。
そのため、KPIに絶対的な指標はなく、業界や会社によって正解が異なる点は理解していただきたいと思います。
その中でも自社に適切なKPIを設定すれば、業務の効率化や適切な従業員管理につながるため、企業の業績をこれまで以上に伸ばしていけるでしょう。
本記事を参考にしていただき、ぜひ自社に適切なKPIを見つけてください。
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