E-mailを活用して自社の商品やサービスの魅力をユーザーに伝えられる「メールマーケティング」。導入コストを抑えて運用できるため、敷居の低さも魅力のマーケティング活動です。
本記事では、「メールマーケティングの基礎知識をおさらいしたい」「メールマーケティングの種類やメリットを確認したい」という方に向けて、メールマーケティングの基礎知識から詳しく解説します。
メールマーケティングを導入するメリットや失敗しないポイントも紹介しますので、合わせて参考にしてください。
メールマーケティングとは「E-mailを活用したマーケティング活動」である
メールマーケティングとは、E-mail(電子メール)を活用したマーケティング活動の総称です。マーケティング活動には、「顧客の購買意欲を育成する」「顧客を自社のファンにする」「自社のブランド力を高める」といったさまざまな目的がありますが、そのような活動全般にE-mailを活用します。
時間や距離の制約を受けずに自社の商品・サービスをアピールできる点が強みといえるでしょう。
メールマーケティングの主な活用例はこちらです。
- 新商品や新サービスの案内
- イベントやキャンペーン情報の配信
- 業界の最新情報やトレンドの配信
- リピートを促す特典の提供
- コラム
- 利用したユーザーのレビュー
- 社員インタビュー
- 顧客の属性に合わせた個別的な配信など
メールマーケティングが現代でも効果的な理由
現代では、商品・サービスを検討する際に動画投稿サービスやSNSを利用して情報を集めるユーザーが増えています。画像や動画で視覚的に情報を入手できるコンテンツは、今後もユーザーの支持を集めるでしょう。
一方、メールを通じてのマーケティング手法も企業にとっては今後も手放せない手法でしょう。携帯電話の普及は10代にも当たり前に浸透しています。ユーザーの多くが場所や時間にとらわれず、メールを確認することが出来ます。
総務省が発表した「令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」を確認してみましょう。
「インターネットの利用項目別の平均利用時間」※全世代男女を対象、平日の場合
- 「メールを読む・書く」という人は35.7分
- 「ソーシャルメディアを見る・書く」という人は43.3分
- 「動画投稿・共有サービスを見る」という人は43.3分
以上のように、SNSや動画サイトに若干数値の面で劣るものの、メールを活用しているユーザーは少なくありません。
調査対象年齢を40代に絞ると、順位は以下のように逆転します。
「インターネットの利用項目別の平均利用時間」※40代男女を対象、平日の場合
- 「メールを読む・書く」という人は39.9分
- 「ソーシャルメディアを見る・書く」という人は32.2分
- 「動画投稿・共有サービスを見る」という人は35.7分
調査対象年齢が50代60代になると、メールを活用する時間がさらに増えるという結果も確認できました。
そのためメールを使った集客活動は、これからも効果的な手法といえるのです。
メールマーケティングの種類
メールマーケティングは、大きく5つの種類に分けられます。
- メールマガジン(メルマガ)
- ステップメール
- ターゲティングメール(セグメントメール)
- リターゲティングメール
- 休眠顧客発掘メール
それぞれの特徴や活用方法を掲載した表がこちらです。
名称 | 特徴 | 内容 |
メールマガジン(メルマガ) | ・定期的に登録者全員に一斉に配信 | ・キャンペーン告知や商品案内など |
ステップメール | ・リードの行動を起点に、段階的な内容を配信 | ・お礼メールの配信、商品の詳しい資料送付、成功事例の配信など |
ターゲティング(セグメント)メール | ・ユーザーの属性に合わせて個別的に配信 | ・セミナーやイベント開催のお知らせなど |
リターゲティングメール | ・自社を利用したことのあるユーザーに向けて配信 | ・セミナーやイベント開催のお知らせ ・成功事例の配信 |
休眠顧客発掘メール | ・休眠顧客に限定して配信 | ・ホワイトペーパーの提供 ・個別相談の案内 |
メールマーケティングを活用する際は、提供する商品やサービスの特徴、ターゲットに取ってもらいたい行動などを確認して最適な方法を選ぶことが重要です。
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関連記事:ターゲティングメールとは?特徴やメリット、注意点を解説
関連記事:休眠顧客に企業がアプローチするメリットとは?施策や注意点も解説
メールマーケティングのメリット・デメリット
メールマーケティングのメリットとデメリットを確認しましょう。
メリットは「効果を具体的に検証できること」
メールの開封率やクリック率から、メールマーケティングの効果を具体的に検証できる点がメリットに挙げられます。
メールの開封率が悪ければ、メールのタイトルやテーマの選定に問題があったと考えられます。また、メール内のリンクへのクリック率が低ければ、リンク先を目立たせるように見た目を変えたりといった対応策がたてられるでしょう。
問題点をすぐ見つけられるため、PDCAサイクルを回しやすく、ターゲットに最適な内容に修正しやすい点がメールマーケティングの大きなメリットです。
ほかにも以下のようなメリットがあります。
- 顧客リストがあればメールマーケティングを開始できるため、低コストで導入できる
- 顧客の属性に合わせてメール内容を変更できる
- メールを送信する日時や頻度を自由に設定できる
デメリットは「コンテンツ作成に一定のコストが発生すること」
コンテンツ作成に一定の時間や人手がかかる点がデメリットです。
メールマーケティングは、読み手が「配信を停止しよう」と考えたらすぐ登録を解除されてしまいます。そのため、ターゲットの興味を惹きつけて飽きさせないために、ユーザーに有益なコンテンツを作成する必要があるのです。
有益なコンテンツを作成するためには、ユーザーのニーズを分析したり運用後の成果を検証したりと、一定の時間や人手がかかります。
敷居が低くはじめやすいというメリットがあるものの、効果的に運用するためにはいくつかのポイントがあります。
メールマーケティングで失敗したくないという方は、次章を参考にしてください。
メールマーケティングを失敗しないための3つのポイント
[st-slidebox webicon=”” text=”+ メールマーケティングで失敗しないためのポイントは、以下の3つです。それぞれ解説します。” myclass=”” bgcolor=”” color=”#1a1a1a” margin_bottom=”20″]
- コンテンツを充実させる
- KPIを定める
- ツールを運用する
[/st-slidebox]
コンテンツを充実させる
「自分にとって有益な情報が多い」とユーザーに感じてもらえると、メール登録を解除されるリスクが低くなります。
継続してメールを配信できれば、メールマーケティングの目標達成が近づくでしょう。
コンテンツを充実させるためには、以下の内容がおすすめです。
- 新商品や新サービスの内容を掲載する(特徴、価格、魅力、発売時期など)
- セール情報や読者限定のクーポンを添付する
- 業界の最新情報やコラムなどを掲載する
KPIを定める
KPIを定めると、現在の達成状況が明らかになります。
以下の項目をKPIに設定すると、メールマーケティングのゴールから逆算して現在地がわかるため、「目標まであとどのくらいか?」「現在どこまで目標を達成できているのか?」をつかめるでしょう。
KPI | 説明 |
到達率 | 配信したメールのうち、どのくらいの相手に届いたかを確かめる数値。登録されたメールアドレスが無効だったり何らかの理由で届かなかったりすると、数値が上昇します。到達率をチェックすると、顧客リストの最適化に役立ちます。 |
開封率 | 配信したメールのうち、実際にユーザーが開封した割合。開封されないと苦労して作ったコンテンツを見てもらえません。開封率が低い場合、魅力的なタイトルをつけると改善される傾向にあります。 |
クリック率 | 配信したメールに設置したリンク先がどのくらいクリックされたかを知るための数値。CV率に大きな影響をあたえる項目で、コンテンツ内容が読者の興味を惹くであれば、ユーザーがクリックする率が高まります。 |
CV率 | 「商品を購入した」「会員登録した」「ホワイトペーパーをダウンロードした」といったメールを読んだユーザーが実際に行動した割合。掲載したコンテンツの内容が大きく影響します。 |
登録解除率 | ユーザーが自ら「配信解除」をした割合がわかります。解除率が高い場合、配信先のユーザーのニーズと配信したメールの内容にミスマッチが起きている可能性が高いでしょう。ユーザーの属性や配信メールのコンテンツ内容について見直す必要があります。 |
ツールを運用する
メールを自動配信してくれるツールを活用すると、メールマーケティングは効率化されます。
メールマーケティングでおすすめのツールが「MAツール」と「メール配信ツール」です。
メリット | デメリット | |
メール配信ツール | ・低コストで導入できる ・シンプルな操作性 | ・メール到達後の詳細な分析は不可 |
MAツール | ・メールのクリック率やCV率まで分析可能 ・リードの管理ができる ・確度の高い顧客を抽出可能 | ・導入や運用にコストがかかる ・機能が豊富なため、使いこなすために一定の知識が必要 |
関連記事:MAツール比較!どのMAツールを選ぶべき?徹底解説します
メール配信ツールは、メールの配信機能に特化したツールです。MAツールに比べて機能数が絞られており、低コストで導入できます。いくつかの操作を覚えたら、メール配信もできます。ただし、メールがユーザーに届いてからの分析を苦手としており、詳細な分析ができないというデメリットがあります。
一方のMAツール(マーケティング・オートメーション・ツール)は、ユーザーを属性ごとに分けたり、メールを読んだユーザーの行動を具体的に確認できたりと、分析機能が充実しています。ただし、多機能な分導入には一定のコストがかかるため、メール配信のみでよい場合は、メール配信ツールを利用した方が「費用対効果」が高くなるでしょう。
メールマーケティングは目標やユーザーに合わせて最適な手法を選ぼう
メールマーケティングは、業界や企業規模に関わりなく顧客にアプローチできる手法です。
メールアドレスを持っているユーザーすべてをターゲットにできるといっても過言ではないため、低コストで高い効果を引き出すことも十分に可能でしょう。
ただし、達成したい目標やユーザーに合わせたメールマーケティング手法を選ばないと、せっかくの効果が半減してしまうかもしれません。
これからメールマーケティングに取り組む方は、ぜひ下記の記事も参考にしてメールマーケティングを効果的に運用してください。
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