目次
開発効率を劇的に向上させる次世代のAIネイティブ統合開発環境(IDE)、Claude Code。そのポテンシャルを最大限に引き出す鍵は、豊富に用意されたコマンドを使いこなすことにあります。
この記事では、Claude Codeの全コマンドをカテゴリ別に網羅し、実務で本当に役立つ使い方と注意点を早見表形式で徹底解説します。新規プロジェクトの立ち上げから、コーディング、デバッグ、AI連携による自動化まで、この記事さえあればClaude Codeの操作は万全です。
この記事でわかること
- Claude Codeで実現できることの全体像
- 基本的なプロジェクト操作や設定方法
- 日々の開発で多用するファイル操作、検索、編集コマンド
- AIを活用した高度な実行、デバッグ、テスト手法
サブエージェント
,hooks
,headlessモード
といった高度なAI連携機能の活用法- コピペしてすぐに使えるコマンド一覧早見表
Claude Codeとは(30秒で概要把握)
Claude Codeは、単なるテキストエディタではありません。Anthropic社の強力なAIモデル「Claude」を中核に据え、コーディングのあらゆるプロセスをインテリジェントに支援する**AIネイティブな統合開発環境(IDE)**です。
従来のIDEが提供してきた機能に加え、人間と対話するようにコーディングを進められるのが最大の特徴。複雑なロジックの実装相談から、面倒な定型作業の自動化まで、まるで優秀なペアプログラマーが常に隣にいるかのような開発体験を提供します。
できることの全体像:AI補完/実行・デバッグ/自動化(hooks)/エージェント連携
Claude Codeは、以下の4つの領域で開発者を強力にサポートします。
- AIによるコーディング支援:
- 高精度なコード補完・生成(
claude complete
) - 既存コードのリファクタリングやドキュメント自動生成(
claude refactor
,claude docgen
) - 設計思想の壁打ちや技術選定の相談
- 高精度なコード補完・生成(
- 実行・デバッグ:
- コンテナ技術を内包し、環境差異を吸収したコード実行(
claude run
) - AIがバグの原因を推測し、修正案を提示するインテリジェント・デバッグ(
claude debug --ai-fix
) - テストコードの自動生成と実行、失敗時の分析(
claude test --generate
)
- コンテナ技術を内包し、環境差異を吸収したコード実行(
- 開発プロセスの自動化 (hooks):
- 「ファイル保存時」「コミット前」などのイベントをトリガーに、コードフォーマットや静的解析、API連携などを自動実行(
claude hook add
)
- 「ファイル保存時」「コミット前」などのイベントをトリガーに、コードフォーマットや静的解析、API連携などを自動実行(
- 専門タスクの委任 (サブエージェント):
- 「テストデータ生成」「API仕様書作成」など、特定の役割を持つAIエージェントを作成・管理し、複雑なタスクを分担・委任(
claude agent create
)
- 「テストデータ生成」「API仕様書作成」など、特定の役割を持つAIエージェントを作成・管理し、複雑なタスクを分担・委任(
関連記事:Claude Code Hooksとは?自動化と品質を両立する最新ワークフロー
関連記事:Claude Code サブエージェントとは?仕組み・使い方・設計パターンを10分で理解
コマンドの呼び出し方:コマンドパレット、キーバインド、チャット指示との差
Claude Codeのコマンドは、主に3つの方法で呼び出すことができます。状況に応じて最適な方法を選びましょう。
呼び出し方 | 特徴 | おすすめのシーン |
コマンドパレット | Ctrl+Shift+P (Win/Linux) / Cmd+Shift+P (Mac) で起動。全てのコマンドを検索・実行できる。 | 使いたいコマンド名がうろ覚えの時や、全てのコマンドから探したい時。 |
キーバインド | よく使うコマンドに割り当てられたショートカットキー。 | claude save (Ctrl+S ) のように、頻繁に使う操作を最速で実行したい時。 |
チャット指示 | IDE内のチャットウィンドウに自然言語で指示。「//claude 」や「@claude 」で呼び出す。 | 「この関数のテストコードを書いて」のように、文脈に応じた複雑な操作をAIに依頼したい時。 |
コマンドパレットは網羅性、キーバインドは速度、チャット指示は柔軟性に優れています。この記事では、主にコマンドパレットやターミナルから直接実行できるコマンド名を中心に解説します。
まずはここから:基本操作コマンド
Claude Codeを使い始める上で、最初に覚えたい基本的なコマンド群です。プロジェクトの作成や設定、ヘルプの確認方法をマスターしましょう。
ワークスペース/プロジェクト作成・切替
Claude Codeでは、作業の単位として「ワークスペース」と「プロジェクト」を管理します。
- ワークスペース (
workspace
): 複数の関連プロジェクトをまとめる大きな括り。 - プロジェクト (
project
): 単一のリポジトリやアプリケーションに対応する単位。
Bash
# 新規プロジェクト 'my-awesome-app' を作成
# テンプレート (e.g., react, python-api) を指定可能
claude new my-awesome-app --template react
# 既存のプロジェクト一覧を表示
claude list
# 'my-awesome-app' プロジェクトに切り替える (開く)
claude switch my-awesome-app
# 現在のプロジェクトを閉じる
claude close
claude new
コマンドでは、--template
オプションで公式や自作のテンプレートを指定でき、必要なボイラープレートコードや設定ファイル(claude.md
含む)が自動で生成されるため、迅速に開発をスタートできます。
設定関連(claude.md・権限・環境設定)
Claude Codeの挙動は、claude.md
というMarkdown形式の設定ファイルでプロジェクトごとに細かく制御できます。
claude.md
とは? プロジェクトのルートディレクトリに配置する設定ファイルです。このファイルに、使用するAIモデルのバージョン、コーディング規約、プロジェクト固有のコマンドエイリアス、hooks
の定義などを記述します。これにより、チーム内での開発環境やAIの挙動を統一できます。
Markdown
---
# claude.md の記述例
project_name: "My Awesome App"
ai:
model: "claude-3-opus-20240229"
temperature: 0.5
linting_rules:
"*.js": "eslint:recommended"
hooks:
pre-commit:
- claude format --staged
- claude test --staged
...
---
主な設定関連コマンドは以下の通りです。
Bash
# claude.md を初期化・作成する
claude init
# グローバル設定とプロジェクト設定 (claude.md) の内容を表示
claude config list
# グローバル設定値をセットする (例: ユーザー名)
claude config set user.name "Taro Yamada"
# プロジェクトに必要な権限 (ファイルアクセス、APIキーなど) を確認・要求
claude auth check
claude.md
はGitでバージョン管理することが強く推奨されます。これにより、新しいメンバーが参加した際も、リポジトリをクローンするだけで同じ開発環境を即座に再現できます。
関連記事:Claude.mdの書き方完全ガイド:AIモデルと効率的に対話するドキュメント作成術
ヘルプ・アップデート・フィードバック
操作に迷った時や、最新の情報を得たい時に役立つコマンドです。
Bash
# 利用可能な全てのコマンド一覧を表示
claude help
# 特定のコマンドの詳細な使い方を表示 (例: runコマンド)
claude help run
# Claude Codeのバージョンを確認
claude version
# Claude Codeを最新バージョンにアップデート
claude update
# バグ報告や機能要望などのフィードバックを送信
claude feedback "デバッグ機能が素晴らしいです!"
claude help [command]
は非常に強力で、各コマンドで利用できるオプションや引数、使用例を詳しく確認できます。困ったらまず help
を叩く癖をつけると良いでしょう。
開発で最も使う:編集・検索・ファイル操作コマンド
日々のコーディング作業を加速させる、最も使用頻度の高いコマンド群です。ファイル操作から高度な検索・置換、AIによるレビュー補助まで、多彩な機能が揃っています。
ファイル作成/リネーム/削除/移動
ターミナルから素早くファイルシステムを操作できます。これらのコマンドは、内部でワークスペースの状態を正しく認識するため、IDEのファイルツリーにも即座に反映されます。
Bash
# 新規ファイルを作成 (ディレクトリも自動生成)
claude touch src/components/Button.tsx
# ファイル/ディレクトリをリネーム
claude rename src/components/Button.tsx src/components/SubmitButton.tsx
# ファイル/ディレクトリを移動
claude move src/components/SubmitButton.tsx src/common/buttons/
# ファイル/ディレクトリを削除 (ゴミ箱へ移動)
claude rm src/utils/old-script.js
# ゴミ箱を介さず完全に削除
claude rm --force src/utils/deprecated-folder
高速検索・置換(範囲・正規表現・除外)
Claude Codeの検索機能 claude search
は、単純なテキストマッチングに留まりません。AIを活用したセマンティック検索(意味ベースの検索)も可能です。
Bash
# プロジェクト全体から 'api.fetch' を含む箇所を検索
claude search "api.fetch"
# 'src' ディレクトリ配下で、'useState' を正規表現で検索
claude search "useState\((.*)\)" --path src --regex
# 'User' という概念に関連するコードをAIが意味的に検索
claude search --semantic "User authentication logic"
# 検索結果を 'NewUser' に一括置換 (プレビュー後に実行)
claude search "OldUser" --replace "NewUser"
# 'node_modules' と 'dist' を除外して検索
claude search "my-variable" --exclude "node_modules,dist"
--semantic
フラグは、特定の関数名や変数名を知らなくても、「ユーザー認証をやっている箇所」といった自然言語でコードを検索できる強力な機能です。
コード整形・差分レビュー・コミット補助
AIの力を借りて、コードの品質を維持し、チーム開発を円滑に進めるためのコマンドです。
Bash
# プロジェクト全体のコードを claude.md の規約に従ってフォーマット
claude format .
# ステージングされているファイルのみフォーマット
claude format --staged
# 現在の変更差分をAIがレビューし、改善点を提案
# '--comment' を付けると、GitHubなどのPRにコメントとして自動投稿
claude diff --review
# 変更内容に基づいて、コミットメッセージを自動生成
# Conventional Commits 形式など、規約に沿ったメッセージを作成
claude commit --generate
# 指定した関数やクラスに、ドキュメントコメントを自動生成
claude docgen src/utils/helpers.js --function calculatePrice
claude diff --review
は、コードレビューの効率を劇的に改善します。タイポや軽微なロジックミス、より良い書き方などをAIが指摘してくれるため、レビュアーは本質的な設計や仕様の議論に集中できます。
実行・デバッグ・テスト関連コマンド
アプリケーションを動かし、品質を確保するための重要なコマンド群です。Claude Codeはコンテナ技術を内部で利用しており、環境構築の手間を最小限に抑えつつ、再現性の高い実行環境を提供します。
実行(ランタイム選択/引数/環境変数)
claude run
コマンドは、プロジェクトの種類に応じて適切なランタイム(Node.js, Python, Goなど)を自動で選択し、コードを実行します。
Bash
# プロジェクトのエントリーポイントを自動検出し実行
claude run
# 特定のファイルを実行
claude run scripts/my-task.py
# 実行時に引数を渡す
claude run main.go -- --port=8080 --mode=production
# 環境変数を設定して実行
claude run index.js --env "NODE_ENV=development" --env-file ./.env.local
# 使用するランタイムを明示的に指定
claude run server.js --runtime node@20.11
--env-file
オプションで .env
ファイルを読み込めるため、機密情報を含む環境変数を安全に管理できます。--
以降に記述したものは、実行されるスクリプトへの引数として直接渡されます。
デバッグ(ブレークポイント/ステップ実行/変数ウォッチ)
Claude Codeのデバッグ機能は、AIとの対話が可能です。
Bash
# デバッグモードでスクリプトを開始
claude debug main.py
# 実行を一時停止 (ブレークポイント)
# (エディタのガタークリック、またはチャットで「ここで止めて」と指示)
# AIにバグの原因を推測させ、修正案を提示させる
# デバッグセッション中にチャットで @claude に質問
# または、デバッグコンソールで以下のコマンドを実行
ai-analyze-error
# 1行ずつ実行 (ステップオーバー)
next
# 関数の中に入る (ステップイン)
step
# 現在の関数から抜ける (ステップアウト)
finish
# 変数 'myVar' の内容を監視
watch myVar
# AIが「この辺が怪しい」と判断した箇所に自動でブレークポイントを設定
claude debug main.py --ai-breakpoint
デバッグ中に ai-analyze-error
コマンドを実行したり、チャットで「このエラーの原因は何?」と尋ねたりすると、Claudeがスタックトレースや現在の変数の状態を分析し、問題の原因と解決策を自然言語で説明してくれます。
テスト(テスト検出/一括実行/失敗時の修正提案)
品質保証のプロセスもAIが強力にサポートします。
Bash
# プロジェクト内のテストファイルを自動で検出し、全て実行
claude test
# 特定のパターンに一致するテストのみ実行
claude test "src/components/*"
# カバレッジレポートを生成
claude test --coverage
# 指定したファイルのテストコードをAIが自動生成
claude test --generate src/utils/math.js
# テストが失敗した際に、AIが原因を分析し、修正案を提示
claude test --fix
claude test --generate
は、既存の関数シグネチャやロジックを読み取り、正常系・異常系のテストケースを自動で作成してくれるため、テスト作成の手間を大幅に削減できます。さらに claude test --fix
は、失敗したテストと対象のソースコードを分析し、具体的なコード修正案をパッチ形式で提案してくれます。
AI機能を最大化:サブエージェント/hooks/headless
Claude Codeの真価を発揮させるための高度な機能群です。これらを使いこなすことで、開発ワークフローを根本から変革し、自動化を次のレベルへと引き上げることができます。
サブエージェント管理(作成・権限・役割分担)
サブエージェント (agent
) とは、特定の専門タスクを自律的に実行するために訓練された小規模なAIです。例えば、「ドキュメンテーション生成エージェント」や「脆弱性診断エージェント」などを作成し、必要な時に呼び出すことができます。
Bash
# 利用可能なサブエージェントの一覧を表示
claude agent list
# 'api-doc-generator' という名前で、APIドキュメント生成タスクに特化したエージェントを作成
# --instructions で役割や振る舞いを自然言語で指示
claude agent create api-doc-generator --instructions "src/api/以下のコードを読み取り、OpenAPI 3.0形式の仕様書を生成してください。"
# 作成したエージェントにタスクを依頼
# `claude agent run <agent-name> --input <input-data>`
claude agent run api-doc-generator --input "src/api/v1/" --output "docs/api-v1.yaml"
# エージェントに特定のファイルへの読み取り権限を与える
claude agent grant-permission api-doc-generator --permission read --path "src/api/"
サブエージェントを使いこなすことで、複雑なワークフローを構築できます。例えば、メインのAIにコーディングをさせつつ、サブエージェントにリアルタイムでドキュメントを生成させるといった連携が可能です。
hooksでの自動化(トリガー/前後処理/外部API連携)
hooks (hook
) は、特定のアクション(イベント)をトリガーにして、定義済みのコマンドやスクリプトを自動実行する仕組みです。これにより、開発プロセスの様々なステップを自動化できます。
利用可能なトリガーの例:
pre-commit
: コミット直前に実行post-commit
: コミット直後に実行on-save
: ファイル保存時に実行on-test-failure
: テスト失敗時に実行
Bash
# コミット前に、ステージングされたファイルに対してフォーマットとテストを自動実行するhookを追加
claude hook add pre-commit --command "claude format --staged && claude test --staged"
# ファイル保存時に、外部のAPIを叩くカスタムスクリプトを実行するhookを追加
claude hook add on-save --script "scripts/notify-slack.sh" --pattern "*.js"
# 追加済みのhook一覧を表示
claude hook list
# 特定のhookを削除
claude hook remove <hook-id>
hooks
はclaude.md
ファイルに記述してチームで共有することも可能です。「コミット前には必ずリンターとテストをパスさせる」といったルールを強制できるため、コード品質の一貫性を保つのに絶大な効果を発揮します。
headlessモード(CI/CD連携・定期バッチ・セキュリティ注意)
headlessモードは、GUIを持たないサーバー環境(例: CI/CDパイプライン、リモートサーバー)でClaude Codeのコマンドを実行するためのモードです。
Bash
# headlessモードで認証を行い、APIトークンを取得
claude auth login --headless
# CI/CDパイプライン上で、リポジトリをクローンした後にAIレビューを実行
claude diff --review --target origin/main --headless --format json > review_result.json
# 深夜0時に、プロジェクト全体の脆弱性をスキャンするバッチ処理を実行
# (cron などで呼び出す)
claude agent run security-scanner --headless --output "reports/$(date +%Y-%m-%d).log"
セキュリティ上の注意点: headlessモードでは、APIキーやトークンを環境変数や、HashiCorp Vault、AWS Secrets Managerなどのシークレット管理ツール経由で安全に渡す必要があります。スクリプト内にハードコーディングすることは絶対に避けてください。
関連記事:Claude Code ヘッドレスモードとは?CI/CD・自動化に効く実装ガイド(使い方・事例・注意点)
Bash
# 環境変数経由でAPIキーを渡す例
export CLAUDE_API_KEY="your-secret-key"
claude agent run my-agent --headless
便利リファレンス:コマンド一覧早見表(コピペ可)
これまでに紹介したコマンドを、カテゴリ別の早見表にまとめました。日々の開発でご活用ください。
早見表の見方
- カテゴリ: コマンドの機能的な分類です。
- コマンド: 基本となるコマンド名と主要なサブコマンドです。
- 用途: コマンドが何をするためのものかを簡潔に説明しています。
- 主要引数/オプション: よく使われる代表的な引数やオプションです。
- 例: 具体的なコマンドの使用例です。
- 注意点: 使用する上でのヒントや注意点です。
早見表(カテゴリ別)
基本・設定
コマンド | 用途 | 主要引数/オプション | 例 | 注意点 |
claude new | 新規プロジェクト作成 | --template <name> | claude new my-api --template python-api | テンプレートを使うと初期設定が楽になる。 |
claude list | プロジェクト一覧表示 | claude list | ワークスペース内の全プロジェクトを表示。 | |
claude switch | プロジェクト切替 | <project-name> | claude switch my-api | |
claude init | claude.md の初期化 | claude init | プロジェクトルートで実行する。 | |
claude config | 設定の表示・変更 | list , set <key> <value> | claude config set user.email "a@b.com" | claude.md はプロジェクト固有、config はグローバル設定。 |
claude auth | 認証・権限管理 | login , check | claude auth login --headless | headlessモードではトークン認証が必須。 |
claude help | ヘルプ表示 | [command] | claude help run | 困ったらまずこれ。 |
claude update | 本体アップデート | claude update | 定期的な更新を推奨。 |
編集・検索・ファイル
コマンド | 用途 | 主要引数/オプション | 例 | 注意点 |
claude touch | ファイル作成 | <file-path> | claude touch src/hooks/useUser.ts | ディレクトリも自動生成。 |
claude rm | ファイル/ディレクトリ削除 | --force | claude rm old_file.txt | --force なしだとゴミ箱へ移動。 |
claude mv | ファイル/ディレクトリ移動 | <source> <destination> | claude mv ./a.txt ./dir/ | |
claude search | コード検索 | --replace , --regex , --semantic | claude search "API_KEY" --replace "SECRET_KEY" | --semantic は自然言語で意味検索できる。 |
claude format | コード整形 | --staged , . | claude format . | claude.md の規約に従う。 |
実行・デバッグ・テスト
コマンド | 用途 | 主要引数/オプション | 例 | 注意点 |
claude run | コード実行 | --env , --runtime | claude run main.py -- --user_id=123 | スクリプト引数は -- の後に記述。 |
claude debug | デバッグ開始 | --ai-breakpoint | claude debug app.js | デバッグ中に ai-analyze-error が使える。 |
claude test | テスト実行 | --generate , --fix , --coverage | claude test --fix | --fix は失敗したテストの修正案を提示。 |
AI連携(サブエージェント/hooks/headless)
コマンド | 用途 | 主要引数/オプション | 例 | 注意点 |
claude agent | サブエージェント管理 | create , list , run | claude agent create logger --instructions "..." | 特定タスクに特化したAIを作成・利用。 |
claude agent run | サブエージェント実行 | <agent-name> , --input | claude agent run logger --input "Error occurred" | |
claude hook | 自動化フック管理 | add , list , remove | claude hook add pre-commit --command "npm test" | claude.md での管理を推奨。 |
(command) | ヘッドレスモード実行 | --headless | claude test --headless --format junit | CI/CD連携時に使用。認証情報管理に注意。 |
Git・レビュー補助
コマンド | 用途 | 主要引数/オプション | 例 | 注意点 |
claude diff | 差分レビュー | --review | claude diff --review | AIがコードレビューをしてくれる。 |
claude commit | コミットメッセージ生成 | --generate | claude commit --generate | 変更内容からメッセージを自動生成。 |
claude docgen | ドキュメント生成 | --function <name> | claude docgen utils.py --function calc | JSDoc, py-docstringなどに対応。 |
よくあるつまずきと対処(FAQ)
最後に、Claude Codeを使っていく上で遭遇しがちな問題とその解決策をQ&A形式でまとめます。
Q1. コマンドが認識されない/権限不足と言われる
A1. 主な原因は以下の3つです。
- PATHが通っていない: インストール時にPATH環境変数が正しく設定されていない可能性があります。Claude Codeのインストール先ディレクトリをシステムのPATHに追加してください。
- コマンドのスペルミス:
claude swtich
のようにタイプミスしている可能性があります。claude help
で正しいコマンド名を確認してください。 - 権限不足: ファイルの読み書きや、特定のAPIへのアクセス権限がない場合に発生します。
claude auth check
を実行して、必要な権限が不足していないか確認し、必要であれば許可してください。
Q2. claude run
が失敗する(環境変数・依存関係)
A2. 環境起因の問題が考えられます。
- 依存関係の不足:
package.json
やrequirements.txt
で定義されているライブラリがインストールされていない可能性があります。Claude Codeはこれらのファイルを検知して自動でインストールを試みますが、失敗した場合は手動でインストールコマンド(npm install
,pip install -r requirements.txt
など)を実行してください。 - 環境変数の不足: スクリプトが特定の環境変数(
DATABASE_URL
など)を必要としている場合があります。claude run --env "KEY=VALUE"
またはclaude run --env-file ./.env
で正しく環境変数を設定してください。
Q3. hooks
が動かない(トリガー条件/ログの見方)
A3. 設定とログを確認しましょう。
- トリガー条件の不一致:
on-save
フックに--pattern "*.js"
を設定しているのに、.ts
ファイルを保存してもフックは起動しません。claude hook list
で設定したトリガーとパターンが正しいか確認してください。 - コマンドの失敗: フックで実行されるコマンド自体がエラーになっている可能性があります。
claude logs --hook
コマンドで、フックの実行ログを確認し、エラーメッセージを特定してください。
Q4. headlessモードでの認証・シークレット管理はどうすれば良い?
A4. 環境変数またはシークレット管理ツールの利用がベストプラクティスです。
CI/CD環境では、CLAUDE_API_KEY
のようなシークレット情報を環境変数として設定するのが一般的です。(例: GitHub ActionsのSecrets機能)。スクリプト内に直接書き込むのは絶対に避けてください。より高度なセキュリティが求められる場合は、HashiCorp VaultやAWS Secrets Managerと連携し、実行時に動的にシークレットを取得する方法を検討してください。
Q5. claude.md
の優先度と衝突時の挙動は?
A5. 設定の優先順位は明確に決まっています。
設定は以下の順序で上書きされます。優先度が高いものが採用されます。
高: コマンドラインで直接指定したオプション (claude run --env "FOO=bar"
) ↑ 中: プロジェクト設定 (claude.md
) ↑ 低: ユーザーのグローバル設定 (claude config set ...
で設定したもの) ↑ 最低: Claude Codeのデフォルト設定
例えば、グローバル設定でAIモデルをclaude-3-sonnet
にしていても、プロジェクトのclaude.md
でclaude-3-opus
が指定されていれば、そのプロジェクト内ではopus
が使用されます。この階層を理解することで、柔軟な設定管理が可能になります。