今日のネット集客・販売においてはランディングページ(Landing Page=LP)が入り口になっていることが多く、もはや必須とも言えるのではないでしょうか。
「ランディングページ」という言葉には2つの意味があります。一つは、ホームページのなかで「ユーザーが最初にアクセスして着地したページ」のこと。もう一つは、「1枚のチラシのような縦長レイアウトのページ」のことです。本記事では後者の意味で扱っていきます。
また本記事では、初心者向けにコンバージョン率を上げるLPの構成として「起承転結」の「結」という結論を最初に置き、それから「起承転」と順序立てて解説していきます。ぜひ最後までご覧ください。
ランディングページの構成
ランディングページを作る目的や成果として、「販売」と「顧客リストを集める」の2つがあります。これらを満たす効果的なランディングページとはどのようなものでしょうか。基本的な構成は以下のようになります。
ユーザーの状態 | |||
概要 |
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要素 |
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ファーストビューが最も重要
「ファーストビュー」とは、ユーザーがWebページを開いたときにページをスクロールしない状態で最初に目に入る部分のことです。ユーザーはファーストビューで入手した情報だけで、スクロールするかページを閉じるかを判断します。LPのファーストビューでの離脱率は60%とも70%とも言われています。
このように、ファーストビューの出来栄え次第でLPのコンバージョン率や離脱率が大きく変動しますので、しっかりと作り込みましょう。
キャッチコピー
ユーザーが商品に興味をもつきっかけは、キャッチコピーのインパクトではないでしょうか。
しかし、ただインパクトがあるだけではいけません。いかに「自分ごと化」できているかが重要です。人は、自分に関係のある事にしか興味を持ちません。ユーザーにとって「このページの商品は自分に関係のあるものだ」と理解してもらう必要があるのです。
そこで、後述する「ペルソナ」の設定が活かされてきます。ペルソナに抱いて欲しい「イメージ」を決め、伝えたいメッセージを絞り込み、端的に表現します。決して事実と異なる表現を使ってはいけません。
アイキャッチ(メイン)画像
人間の五感のうち視覚からの情報収集は8割を超えており、得た情報の記憶時間も聴覚よりも長いと言われています。ですので、アイキャッチ画像を見るだけで商品を購入したあとの明るいイメージが湧くように設定する必要があります。画像以外ではアニメーションやスライドショーなども有効です。
アイキャッチ画像を設定することで記事が目立つようになりますので、クリック率が上がります。また、滞在時間を伸ばすことにも繋がるでしょう。
CTA
CTA(Call to Action)はコンバージョンボタンとも呼ばれます。簡単に言えば、ユーザーが問い合わせや購入といったアクションを取る際に必要となるクリックボタンを設置しましょう、ということです。ランディングページ全体の調和を乱さないように、且つハッキリと存在のわかるボタンがおすすめです。
ファーストビューの段階ですでに問い合わせ・購入をしようと考えているユーザーもいますので、CTAの設置は必須です。
ボディはLPの本体
ボディはまさしくランディングページの本体です。ユーザーが抱えている悩みを的確に掘り起こし、自社の商品・サービスが解決策になることをあらゆる角度から説明していきます。ファーストビューの文言の解説、裏付けとなるデータを提供する場所でもあります。
悩みの共感(問題提起)
まず、ユーザーと商品の距離を縮めます。具体的には、ペルソナの悩みや課題を言語化するのです。ファーストビューでは「商品購入後の明るいイメージ」を提供していますが、では現状どのような悩みを抱えているのか?「購入後の明るいイメージ」とのギャップがあるはずです。
ユーザーの悩みを代弁し、共感の姿勢を示すことで「自分の課題を分かってくれている」「自分がこの商品のターゲットだ」と理解してくれます。ユーザー目線であり、実体験に基づいた表現が適しています。見当違いな悩みを挙げないように、事前のリサーチはしっかり行いましょう。
また、言語はペルソナが一番理解できるワードを使用することがポイント。彼らがふだん使用している言葉に合わせましょう。BtoBかBtoCかでも変わってきます。
商品・サービスの説明(解決方法の提示)
悩みを共有したあとは、その解決方法がこの商品にある という説明をしていきます。統計的根拠、科学的根拠、医学的根拠、さまざまなデータを活用しましょう。
身体に使用する商品であれば、成分の詳細と安全性を示すデータが必要です。目には見えないサービスを販売しているのであれば、開発にどのような専門家が携わっているかや導入後のサポート体制まで数値化できると良いでしょう。
また、ベネフィット(benefit)を伝えることも非常に大切です。機能面のメリットだけでなく、商品・サービスを導入することで付属的に得られる「恩恵」が実はユーザー心理の核心をついているのではないでしょうか。悩みの解決もそこにあるはずです。
お客さまの声・導入実績
ここでは実際に商品・サービスを購入・導入している既存客の声の紹介をします。これは商品を本当に自分が購入してもよいのかどうかを決める根拠ともなるものです。販売企業の売り込みの声ではなく、支払いをして導入している実際のお客様の声ですから信憑性が非常に高いことが特徴です。
また、BtoBで導入実績を入れることは、顧客が有名な企業であれば商品・サービスの権威付けにもつながります。
関連記事:効果を高める導入事例のデザインとは?参考例や検索サイトも紹介
関連記事:【BtoB】導入事例インタビュー 成功の流れとコツ/事前準備から当日まで
クロージングはお客様の迷いや不安を払拭する場所
ボディの部分で商品の購入意欲を高めたら、次はクロージングです。実際にアクションを起こしてもらいましょう。
よくある質問
「よくある質問」とは、ユーザーから頻繁に寄せられるであろう質問を、回答と対にしてまとめたものです。
ユーザーにとっては、企業に問い合わせる手間が省けてランディングページ内の申込みフォームからすぐに注文できます。これは受注数の拡大に繋がります。さらに、企業にとってはユーザーからの問い合わせが減り業務が効率化します。
もしも購入後のアフターフォローがしっかりとしていないと分かると、購入には結びつきません。「よくある質問」ではその辺りの情報もしっかりと組み込みましょう。
期間限定の特典
不安がなくなると「買いたい」といった気持ちが芽生えてくるはずです。しかし緊急性がない場合、「時期を待って買おう・いったん頭を冷やそう・他社製品ともっと比べよう」など購入を引き延ばす理由が湧いてきます。そんなユーザーの背中を優しく押すのが「期間限定の特典」です。
今月末まで、割引キャンペーン・お試し価格・送料無料など、「今が買い時」と思える特典がついていれば心のロックが外れ、申し込みフォームへと進んでもらえます。
申し込みフォーム
申込みフォームは、情報入力がいかに短時間でスムーズに終わるかが受注数を増やす鍵となります。手続きに時間がかかりすぎたり面倒だと感じられてはせっかくの購入意欲も薄れ、「もういいや」となって離脱につながる恐れがあるからです。
もし継続的なサービスの申し込みであれば、今後もやりとりの度にこのように手間がかかるのかと思われるかもしれません。これでは何のためにランディングページを作ったのか分かりませんよね。
必須情報の項目を最低限にとどめたり、郵便番号を入力すると町名までが自動で表示される機能を使うなどの工夫も必要です。また、せっかく入力したのに赤字でエラーが表示されて先に進めないといったことが無いように、何がエラー対象になるのかが入力前に分かるようにしましょう。
最初の章でランディングページを作る目的は2つあると述べましたが、主目的が「顧客リスト集め」の場合であってもノンストレスで入力できる仕組みは必要です。
また、商品カテゴリによってはスマートフォンで閲覧する人も多いので、ランディングページや入力フォームをスマートフォン表示にも最適化しておきましょう。
ランディングページを作るポイント
LPを作ろうと思ったら、まずは作る目的とペルソナ設定を行います。そして構成を決めてから、具体的なコンテンツ作成に取りかかるのです。ここではコンバージョン率が上がるランディングページ作りのために覚えておいてほしいポイントを3つ解説します。
ペルソナ設定を的確にしよう
「ペルソナ」とはその商品・サービスを使う詳細な人物像のこと。年齢・性別・職業・住居地・性格・好みなど、どんどん絞り込んでいきます。絞れば絞るほど、その“人”にどのようなアプローチをかけることで購入してもらえるのか見えてきます。
LPの打ち出しや訴求方法、デザインまでもがペルソナの設定によって変わってきます。訪れた見込み顧客に「この商品・サービスを使う対象は自分だ!」と気づいてもらえると、LPの内容を自分ごと化して読み込んでもらえます。
ペルソナに合った実装のランディングページを作ったあとは、運用と結果を検証しPDCAサイクルを回していくことが大切。Plan(計画)→DO(実行)→Check(評価)→ACT(改善)を繰り返し、継続的に改善を行っていきましょう。
関連記事:ペルソナの作り方を具体的に解説!メリットや注意点も紹介
流し読み対策をしよう
訪れたお客様は、ページを上から順に読んでくれると思っていないでしょうか。残念ながら、ランディングページを閲覧するユーザーは基本的に「流し読み」をしています。ファーストビューで関心を持ったあとは、スクロールして読みやすいかをチェックしているのです。その中で何かが目に留まらない限り、中身を深く読んでくれることはありません。
ランディングページの中には興味を引く画像があったり、文字をところどころ大きくしたり装飾して目立たせているでしょう。そのような目立つ箇所だけを拾い読みしたときに、それだけでも商品の概要、魅力がユーザーに伝わる必要があります。そうすれば、ユーザーは改めて最初からじっくりとランディングページを読み始めてくれるのです。
LP制作後は一度この目線で見直しをしてみてください。
ABテストで比較検証をしよう
ABテストとは、AとBという2つパターンを用意し、どちらがより成果をあげる施策なのかを判断する方法です。
元となるランディングページAと、それに変化を加えたランディングページBを、一定期間あるルールに従った方法で表示し、顧客の行動を観察します。データは、通常コンバージョンかクリックを基準に測定されます。テストの結果として優秀だったほうのLPを採用することになります。
具体的には、CTAボタンのデザインをAパターンとBパターンで比べた場合にどちらが注文数が多くなるのか。キャッチコピーの文言を比べた場合、どちらがスクロール率や滞在率が上がるのかなどの検証があるでしょう。
しかしABテストでは一度にたくさんの要素を変更したパターンでテストしてしまうと、どの項目の効果なのかわからないため、変化させる箇所は一か所にとどめておきましょう。
ランディングページとWeb広告は相性が良い
ユーザーをランディングページへ誘導するにはWeb広告の併用がおすすめです。なぜなら、ランディングページは1枚のページでできてるので、それ単体を目的とした流入は見込めないからです。
Web広告はきめ細かいターゲット設定(属性・地域・趣味など)ができるため、ユーザーの心理に沿ってユーザーが見たいランディングページを素早く表示し、誘導できます。ですので費用対効果は比較的高いと言えるのではないでしょうか。
また、X,Facebook、InstagramといったSNSと併せることも有効です。商品・サービスのカテゴリやペルソナに合ったSNSの種類を選択しましょう。
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効果的なランディングページの構成を学び、成約率をあげよう
本記事では、初心者に向けてランディングページの構成を解説してきました。最大のポイントはユーザー目線で考えることで、離脱されにくいランディングページを制作できます。
Web広告と一緒に活用することでさらに成約率が高くなり、24時間働いてくれるセールスマンのような存在になり、多くの利益を生んでくれます。
ランディングページ専用のツールやテンプレートも存在していますので、実際にはそちらを利用することでスムーズに制作できるのではないでしょうか。ぜひWebマーケティングでランディングページを活用してください。
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