「カスタマージャーニーマップの作り方がわからない」「作成時のポイントや注意点を知りたい」といった悩みを抱える方も多いのではないでしょうか。
結論として、カスタマージャーニーマップに明確な正解はありません。企業ごとに扱う商品・サービスや顧客層が異なるため、最適な形は多様です。ただし、作成の基本ステップや参考となる項目を押さえておけば、自社に合ったマップを柔軟に構築できます。
本記事では、カスタマージャーニーマップの基本から、作成ステップ、得られるメリット、注意点までをわかりやすく解説します。顧客行動を可視化し、効果的な施策へつなげるためのノウハウを学んでいきましょう。
カスタマージャーニーマップとは?
カスタマージャーニーマップは、顧客が商品・サービスを認知し、購入・利用するまでの行動や心理状態を時系列で可視化したフレームワークです。「顧客がどのように商品を知り、何に悩み、どんな感情を抱いて購入に至るか」が一目で把握できます。
多くの企業がなんとなく「顧客行動」を想定していますが、カスタマージャーニーマップを作成することで、その曖昧なイメージを具体化できます。これにより、顧客心理に即した戦略立案が可能になります。
カスタマージャーニーマップの作り方は7ステップ
- ペルソナを作成する
- 横軸を定める(認知、情報収集、比較検討、購入、継続利用など)
- 縦軸を決める(行動、タッチポイント、思考・感情、課題など)
- ユーザーの行動を整理する
- ユーザーのタッチポイントを整理する
- ユーザーの思考・感情を整理する
- ユーザーの課題を整理する
以降で詳しく解説します。
1.ペルソナを作成する
まずは自社商品・サービスのターゲット顧客像(ペルソナ)を明確化します。年齢、性別、職業、趣味、収入、価値観などを設定し、顧客目線でカスタマージャーニーを考えられるようにしましょう。
ペルソナが不明確だと、顧客心理の想定がずれ、効果的なマップになりません。
2.横軸を定める
顧客が商品を知ってから購入・利用までの流れを時系列で分解し、横軸に設定します。例:
- 認知
- 情報収集
- 比較検討
- 購入
- 継続利用
商品によってステップは柔軟に変更しましょう。継続利用がないなら削るなど、実態に合わせてカスタマイズしてください。
3.縦軸を決める
縦軸には顧客行動や心理を捉える項目を設定します。例:
- 行動:ユーザーが具体的に行う行為
- タッチポイント:接触するチャネル(店舗、SNS、ECサイトなど)
- 思考・感情:その時点で感じていること、考え
- 課題:顧客が抱える悩み・不安
必要に応じて項目を増減しましょう。
4.ユーザーの行動を整理する
横軸の各フェーズで、顧客が何をしているか行動を書き出します。
例)認知フェーズで「Instagramで商品画像を発見」、比較検討フェーズで「他社サイトをチェック」など。
できる限り具体的に、複数の行動を想定しましょう。
5.ユーザーのタッチポイントを整理する
行動に対応するタッチポイントを明確化します。
例)「Instagramの投稿」「自社ECサイト」「展示会・店頭」など。
これにより、どのチャネルで顧客が接触しているか見えてきます。
6.ユーザーの思考・感情を整理する
各フェーズでユーザーが何を思い、どんな感情を抱いているかを想定します。
例)「価格が高く感じる」「素材に疑問がある」「他社と比べて優れている点は何?」
ポジティブ・ネガティブ両方を洗い出すことで、顧客の躊躇や不安が見え、改善策が立てやすくなります。
7.ユーザーの課題を整理する
最後に、各フェーズで顧客が抱える具体的な課題を明確化します。
例)「着用イメージがわからない」「品質比較が難しい」「購入ボタンがわかりにくい」など。
これらの課題は、改善施策のヒントとなります。
カスタマージャーニーマップを作る3つのメリット
- 顧客理解が深まる:顧客心理・行動を明確化し、より的確な施策が打てる。
- 施策の優先順位が明確になる:どのフェーズでどんな改善が必要か整理できる。
- チーム内共有がスムーズ:部署間の共通認識ができ、連携がスムーズになる。
作成時の4つの注意点
- 作成自体が目的化しない
綺麗な資料を作ることではなく、顧客理解や課題発見が目的。 - ペルソナ設定に注力
ペルソナがずれると全体像もずれるため、対象顧客像をしっかり定義。 - 一度作ったら終わりにしない
市場や顧客ニーズは変化する。定期的な見直し・更新が必要。 - バイアスを排除する
企業都合の解釈ではなく、客観的なデータや顧客の声を反映し、現実的なマップに。
まとめ:柔軟なカスタマイズで自社に最適なマップを
カスタマージャーニーマップは、顧客視点でビジネスを見直し、改善施策を明確にする強力なツールです。
- ペルソナ設定から始めて横軸・縦軸を決定
- 行動、タッチポイント、思考・感情、課題を整理
- 定期的な見直し・改善を行い、社内共有で一貫性ある施策へ
テンプレートをそのまま使うのではなく、自社商品・顧客層に合わせて項目を追加・削除しながら最適化しましょう。
これにより、顧客の本当のニーズに沿ったマーケティング戦略が打てるようになり、成果向上につながります。