目次
インサイドセールスとフィールドセールスの基本
インサイドセールスとは
オフィスやリモート環境から電話・メール・チャット・オンライン商談で顧客と対話し、**効率的にリードを育成・選別(SQL化)**する内勤型営業。SFA/CRMやMAと連携し、スコアリング→アポ→商談→引き継ぎまでを担います。
フィールドセールスとは
対面訪問や現地デモを通じて深い信頼関係を築き、提案・交渉・クロージングを担う外勤型営業。高単価/複雑商材や意思決定者が多い案件で威力を発揮します。
インサイド vs フィールド:違いを一目で
観点 | インサイドセールス | フィールドセールス |
---|---|---|
アプローチ | 電話/メール/オンライン商談 | 訪問/対面商談 |
コスト/時間 | 低コスト・高頻度接触 | 交通費/移動時間が発生 |
スループット | 多数案件を並行対応 | 1日の訪問上限に制約 |
関係構築 | 非対面で段階的に | 対面で深く素早く |
価値訴求 | 資料/動画/画面共有 | 実機/サンプル/現場観察 |
生成AIで加速する「AI‑Inside × AI‑Field」の現場
インサイドで使えるAI活用
- AIリードスコアリング:属性×行動ログから受注確度を予測
- パーソナライズメール生成:業界/課題に合わせた一通目・追客文面を自動草案
- 会話解析(Conversation Intelligence):通話自動文字起こし、反論・ニーズ抽出、次アクション提案
- プレイブック自動最適化:接触間隔/件名/CTAのA/B結果を学習し“次に効く型”を提示
フィールドで使えるAI活用
- 訪問ルート最適化:地理×優先度でスケジュール自動組成
- AR/動画デモ補助:現地でも可視化資材を即時生成・提示
- 議事録自動作成:商談音声→要点/課題/競合言及/稟議フローを自動要約
- ネクストベストアクション:提案書の章立て・見積りプラン案を自動作成
ポイント:**一次情報(価格/仕様/実績)**は人が必ず検証。AIは“草案化・要約・提案の叩き台”として使い、正確性とスピードを両立させます。
メリット・デメリットと向き不向き
インサイドセールスのメリット/デメリット
- メリット:移動ゼロで低コスト/短サイクルで大量接触/人材不足を補完
- デメリット:非対面の温度差/表情・空気感が拾いにくい/情報管理の仕組み必須
向くケース:月次の大量リード、中小~準大企業向けSaaS、単価中~中高、商談標準化が効く領域
フィールドセールスのメリット/デメリット
- メリット:信頼構築が速い/実機デモで納得を創出/現場観察で真の課題を発見
- デメリット:移動/滞在のコスト高/訪問数に制約/個人スキル依存が強い
向くケース:高単価/複雑商材、複数意思決定者、現場検証が鍵の製造/建設/医療/大型IT
最強はハイブリッド:AIでつなぐ分業モデル
役割分担(例)
- AI‑Inside(SDR/BDR):AIスコアリング→商談化→要件仮説まで確立
- AI‑Field(AE):現地ヒアリング→デモ/PoC→マルチステークホルダー調整→クロージング
- CS/AM:導入支援→継続活用→アップセル/クロスセル
成果を最大化するデータ連携
- SFA/CRMの単一顧客ビュー(接触履歴/会話要約/意思決定チェーン)
- MA連携(閲覧・DL・ウェビナー参加のスコア)
- 会話AIメモ→自動で案件メモ/次回タスク登録
導入手順(90日プラン)
Day 0–30:設計
- ICP/ペルソナ定義、**合格基準(SAL/MQL/SQL)**策定
- KPI設計:商談化率、商談→受注率、CAC、LTV/CAC、回収月
- ツール選定:CRM/SFA、MA、会話AI、コール/商談ツール、データ連携基盤
Day 31–60:実装
- スクリプト/メールAIブリーフ作成→人が監修
- パイロット運用(2~4週間):チャネル×CTAのA/B
- AI会話解析で勝ちパターン抽出(話速/発話比率/反論対応)
Day 61–90:拡張
- スコア閾値最適化、ルーティング自動化
- フィールド移行基準を数値化(売上規模/導入拠点/関与者数)
- 週次でプレイブック更新/月次でKPI見直し
KPIとダッシュボード設計
主要KPI
- MQL→SQL転換率/SQL→受注率
- 商談サイクル(日数)/平均受注単価
- 活動生産性:1人あたり架電/接触/商談/受注
- コンテンツ影響度:商談前後の閲覧資産(導入事例/比較表)
会話AIの定性KPI
- 反論カテゴリ別の解消率、競合言及率、課題の一次情報率、次アクション明確化率
よくあるつまずきとAI時代の対策
リードが少ない
- 量がないとインサイドの費用対効果が出にくい。ABMとパイロットアカウントに集中し、生成AIで超個別化メール/DMを実施。
「AI任せ」で品質が落ちる
- 人の監修前提。価格/法務/仕様は必ず社内承認ワークフローを通す。録音/要約は同意取得・セキュリティを明示。
分断する組織
- 共有OKR、ハンドオフ定義、共通プレイブック、同席MTGで断絶を解消。ダッシュボードは単一真実源に統一。
使い分けの判断基準
インサイド中心が効果的
- 月間リード豊富/単価中~中高/オンラインで説明完結/意思決定者が少数
フィールド中心が効果的
- 高単価・複雑/現場要件の確認が不可欠/社内稟議階層が多い/実機検証が鍵
ハイブリッドが最適
- 単価が中高で教育→現地深掘りが必要/複数拠点への横展開を見据える
まとめ:AIを味方に「速く・深く・的確に」売る
- インサイド=速度と量、フィールド=深さと納得
- 生成AIで選別・文面・要約・提案の初稿を高速化、人が確度を上げて仕上げる
- SFA/CRM/MA/会話AIをつないだハイブリッド体制で、CACを抑えつつLTVを最大化
Harmonic Society株式会社では、営業分業設計、AI活用プレイブック、会話解析の定着化まで伴走支援します。貴社の商材・体制に合わせ、成果が出るハイブリッド営業を構築しましょう。