メールマーケティングにおいて必須知識となるのが「オプトイン・オプトアウト」。メルマガを含む広告宣伝メールを配信する際は、特定電子メール法によりオプトイン方式を採用することが原則となっています。
しかし、「オプトインとオプトアウトの違いがよくわからない」「なぜ両者の違いに注意しなくてはいけないの?」と、お困りの企業経営者やマーケティング担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、両者の概要や違いを解説します。さらに特定電子メール法との関連性や注意点についても言及しますので、ぜひ最後までご覧ください。
オプトイン・オプトアウトの概要と違い
はじめに両者の仕組みと違いを確認しましょう。
オプトインの概要
オプトインとは、「加入するかを選択する」という意味の動詞で、メールの送信を「同意するあるいは受諾する」行為を指します。
メール送信の前に、受信者からの同意あるいは受諾を受けてからメール配信する仕組みになっています。送信者は受信者の同意を得るまでメールを送信できません。
したがって、メルマガや広告宣伝メールを、顧客やリードに配信したいと思ったら、必ず受信者の同意を得てから配信しなくてはなりません。
オプトインメールのメリットについて
顧客からの承諾(パーミッション)を得てメールを配信する手法をオプトインメールと呼びます。
メール送信を承諾してくれる顧客は、メール内容について多少の興味関心があると考えられるため、メールの開封やレスポンスについても期待できるのです。
開封率やレスポンス率が高ければ広告費節約にもつながるでしょう。
オプトアウトの概要
オプトアウトとは、「不参加」「脱退する」という意味の言葉で、メールを受け取ってから受信を拒否する行為を指します。
メールの受信者側が送信者に対して拒否通知を出すことで、それ以降のメールを受信せずに済む仕組みです。
オプトインとオプトアウトの違い
両者を見極める際は「受信者側と送信者側のどちらに主導権があるのか」をチェックしましょう。
オプトインでは、メール受信者に主導権があります。受信者側の同意や受諾がない限り、送信者側はメールを相手のアドレスに送信できないからです。
一方のオプトアウトでは、受信者側の同意や受諾がなくても、送信者側がメールを送信できます。受信者側からの受信拒否の通知が来ない限り、メールを送信し続けたとしても違法にならない可能性が高かったのです。
オプトイン・オプトアウトと特定電子メール法との関係
特定電子メール法の改正によって、現在のメール配信ではオプトイン方式を採用することが原則となっています。
その理由が2002年頃に社会問題となったいわゆる迷惑メールです。
2000年初頭、携帯電話やインターネットの普及に伴い、架空請求や詐欺メールなどの電子メールによる被害が問題になりました。
このような問題に対応するために、特定電子メール法(正式名称は特定電子メールの送信の適正化等に関する法律)が成立され、架空のアドレスに電子メールを一挙に送信するといった行為が禁止されました。
その後、2008年の改正によって規制対象は拡大されて、原則として「同意した者に対してのみ電子メールの送信が認められる」という方式が導入されたのです。
ちなみに同改正により、以下の項目が禁止されました。
- 同意がある者以外へのメールの送信
- 受信を拒否した者へのメールの
- 送信者情報を偽った送信
特定電子メール法に違反すると、まず送信者に対して改善措置命令が出されます。
それでも命令を無視してメール配信を続けた場合は、「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」を科せられる仕組みです。実行者が法人の場合は、罰則と3,000万円以下の罰金が科せられます。
オプトイン・オプトアウトのやり方
両者のやり方を具体的にみていきましょう。
オプトインのやり方
オプトインのやり方として、送信者が受信者にメール配信の同意を依頼する方法があります。
メールを配信したいユーザーに対して、メール配信に同意する旨のチェックボックスを設置する方法です。
例えば通販サイトなどで「このお店からのメールを今後も受け取る」という項目を設けてユーザーにチェックを入れてもらうと、ユーザーの同意を得られます。
通販サイトに限らず、会員登録の際に「メール配信に同意する」といった項目を設けてユーザーにチェックしてもらう方法でもよいですし、ユーザー自らがメール配信に申し込んだ場合でも構いません。
オプトアウトのやり方
メルマガや広告宣伝メールの配信を停止するための方法を記載する方法がオプトアウトに該当します。
「受信拒否の通知ができること」「受信拒否の通知を受けるためのメールアドレスまたはURL」の2点について、ユーザーが迷わず手続きできるように記載しましょう。
「配信停止手続きはこちら」といった文章の直前または直後に、受信拒否の通知を受け付けるためのメールアドレスまたはURLを表示してください。
オプトインには例外になるケースがある
「自社の電子メールアドレスをインターネットで公表している」場合が例外にあたります。
また、契約に伴う料金の請求やサービス内容変更のお知らせに、広告・宣伝が含まれている場合も例外です。
企業や個人がインターネットに公開しているメールアドレスは、不特定多数の人物からのメール送信を受諾していると解釈できるからです。
ただし、電子メールアドレスが公表されていても「広告宣伝メールの受信を拒否します」といった旨の記載がある場合は同意が必要になるのでご注意ください。
ほかにも以下のようなケースも例外にあたります。
- 名刺などの書面によって電子メールアドレスの通知を受けている場合
- すでに取引関係にある相手に送信する場合
もしも通信販売などの特定商材の紹介文を掲載するメールを送信する場合は、上記の例でも特定商取引法が適用される可能性がありますので、必ず同意や承諾をとりましょう。
オプトイン・オプトアウトの注意点
[st-slidebox webicon=”” text=”+ 両者の注意点はこちらです。” myclass=”” bgcolor=”” color=”#1a1a1a” margin_bottom=”20″]
- 送信者の表示義務を守る
- 同意した記録を保存する
- 拒否通知の後にメール送信は不可
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送信者の表示義務を守る
特定電子メール法によって、ユーザーの同意を得て広告や宣伝メールを配信する場合でも、「送信者の氏名または企業名」を本文中に表示しなくてはいけません。
また、メール受信を拒否する方法を本文中に記載することも義務付けられています。
さらに、送信者などの住所や苦情・問い合わせなどを受け付けている電話番号、電子メールアドレス、URLのいずれかの記載も必要です。こちらはリンク先に表示させても問題ありません。
同意の記録を保存する
広告や宣伝メール配信について同意を得た記録は、広告宣伝メールを最後に送信した日から1ヶ月間保管しなくてはなりません。
保管の際は、取得時期や方法などの同意を受けた際の状況を示す記録も一緒に残しましょう。
なお、特定電子メール法に基づく措置命令を受けた場合は保存期間が1年間に延長されますのでご注意ください。
拒否通知の後にメール送信は不可
メール送信について同意または承諾を受けた後にメールの受信拒否があった場合は、通知があってからのメール送信はできません。
拒否通知の有無について後々トラブルにならないように、受信拒否の通知は記録として保存するようにしましょう。
オプトイン・オプトアウトを理解してユーザーと信頼関係構築を
メールマーケティングを行う際は、ユーザーとの信頼関係を崩さないように気をつけましょう。
ユーザーが興味を持ち登録してくれたメルマガでも、配信停止方法に関する記載がわかりにくいと、送信元の企業に対して不信感を抱いてしまうかもしれません。
顧客の購買意欲を育成できないだけでなく、顧客からの評価を下げる結果になってしまっては意味がありませんよね。
ぜひこの機会にメール配信におけるコンプライアンスについての理解を深めていただき、今後のマーケティング戦略に生かしてください。
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