リターゲティングメールとは、ユーザーの具体的な行動を元にして特定のメールを送信する手法です。ユーザーの興味・関心に沿って個別的なメールを送信できるため、コンバージョン率の改善や見込み顧客(リード)の育成などに活用できます。
本記事では、リターゲティングメールの特徴やターゲティングメールとの違いを解説します。
さらに、リターゲティングメールを企業が運用するメリットや注意点も紹介しますので、リターゲティングメールの基礎知識を身につけたい方はぜひ最後までご覧ください。
リターゲティングメールの特徴
リターゲティングメールでは、はじめに「自社の商品やサービスをチェック」「Webサイトへアクセス」といった具体的な行動を元にしてユーザーを選定します。
続いて選定したユーザーに適切なコンテンツが掲載されたメールを送信することで、企業が期待するような行動を促します。
ユーザーにメールの開封やリンク先のクリックなどを促して、最終的なコンバージョン率の改善やリードの育成につなげるのです。
ちなみに「リターゲティング」とは、「過去にWebサイトを訪れたことのあるユーザーに対して、同じ広告主の広告を表示させること」を指すマーケティング用語です。
Webサイトにユーザーの訪問履歴を保存できる仕組みを設けることで、再訪問したユーザーに再度広告を表示させて、具体的な行動を促す仕組みを「リターゲティング」と呼びます。
ターゲティングメールとの違い
リターゲティングメールとターゲティングメールとの違いは、ユーザーの選定方法です。
ターゲティングメールでは、ユーザーの性別や年齢といった「属性」を元にユーザーを選定しますが、リターゲティングメールではユーザーの「行動」を元にユーザーを選定します。
イメージがつきにくいと思いますので、「メールを活用してセミナーの集客を進めたい」という企業を例に挙げて、両者を比較してみましょう。
ターゲティングメールを活用する場合、以下のように年齢や住所などによってユーザーを選定します。
- 東京近郊に住んでいる30代男性に、セミナーの開催案内を送信
- 未婚の30代から50代女性に、セミナーの開催案内を送信
- 主任以上の役職者を対象に、セミナーの開催案内を送信
一方、リターゲティングメールではユーザーの具体的な行動を元に選定します。
- 商品・サービスに問い合わせをしてくれたユーザーにだけ、セミナーの開催案内を送信
- 3回以上購入履歴のあるユーザーにだけ、セミナーの開催案内を送信
興味・関心が高まっているユーザーに向けてメールを送信できる点が、ターゲティングメールとの大きな違いです。
関連記事:ターゲティングメールとは?特徴やメリット、注意点を解説
ちなみに、リターゲティングメールの顧客属性には以下の種類がありますので参考にしてみてください。
- 静的属性~出身地、初回購入日、誕生日などの今後変化しない属性
- 動的属性~住所、年齢、役職といった今後変化する可能性のある属性
リターゲティングメールの活用例
リターゲティングメールは、さまざまなシーンで活用されています。
自社の商品やサービスのページを複数回閲覧したユーザーをターゲットにして、「キャンペーン情報」「期間限定のクーポン」が掲載されたリターゲティングメールを送信する方法が存在します。
また、資料請求してくれたユーザーがWebサイトを再訪問してくれたタイミングで、セミナー情報が記載されたリターゲティングを送信する手法も効果的です。
さらに、リターゲティングメールと他のメールマーケティング手法を組み合わせる方法も考えられます。
BtoBマーケティングでは一度の取引が長くなるケースもありますので、自社の特徴や相手企業に合わせてステップメールなどと併用するのもよいでしょう。
関連記事:ステップメールとは?メリット・デメリットから作成方法まで詳しく解説
リターゲティングメールを運用するメリット
リターゲティングメールを運用する主なメリットは以下の2点です。
- コンバージョン率を改善できる
- 見込み顧客を育成できる
それぞれ解説します。
コンバージョン率を改善できる
リターゲティングメールの運用によって、コンバージョン率を改善できます。
リターゲティングメールは、自社の商品やサービスに対して一定の興味関心があるユーザーをターゲットにする手法。
「商品ページを閲覧した」「資料請求をした」などの具体的な行動を起こしているユーザーは、新規獲得したリードに比べて購買につながる行動を促しやすいのです。
興味・関心のあるユーザーに対して、その購買欲を高めるようなメールを送信することにより、メールの開封率やクリック率の改善が期待できます。結果的に、問い合わせ数の増加や購買率アップといったコンバージョン数の増加にもつながるのです。
見込み顧客を育成できる
リターゲティングメールを見込み顧客(リードの育成)に活用して、売上アップにつなげることも可能です。
購買意欲が低い顧客に積極的なアプローチを仕掛けても、空回りに終わる可能性があり、コストが無駄になってしまうかもしれませんよね。
そこで、あらかじめ自社の商品やサービスに問い合わせしてくれた顧客を選定しておき、商品やサービスに関連する情報を送信して購買意欲を徐々に高める方法が有効です。
顧客の購買プロセスに応じたアプローチによって、メールマーケティングの費用対効果も高められるでしょう。
リターゲティングメールの注意点
リターゲティングメールの注意点は以下の2つです。
- タイミングに注意して配信する
- 内容に重複に気をつける
それぞれみていきましょう。
タイミングに注意して配信する
リターゲティングメールはユーザーの行動を参考にメールを送信する手法ですが、顧客の行動を追跡するような配信は避けてください。
なぜなら、「自分の行動を監視されているようで気持ちが悪い」と感じるユーザーが一定数存在するからです。
ユーザーに嫌悪感を抱かれてしまうと、コンバージョン率の低下や自社のイメージダウンにつながるおそれがあります。
そのため、商品やサービスの掲載ページを閲覧したユーザーにリターゲティングメールを送信する場合は、半日から1日程度時間を空けてからメールを送信するのがよいでしょう。
何日間も時間を空けてしまうと、ユーザーが別のサイトへ流れてしまうかもしれませんので、間隔が開きすぎないようにだけ注意する必要があります。
内容の重複に気をつける
リターゲティングメールの内容が重複してしまうと、「このメールは前回も見た」とユーザーが不快感を覚えてしまうかもしれません。
メールの重複を避けるために、リターゲティングメールは複数用意しておきましょう。
同じような内容のリターゲティングメールを送信する際には、題名やメールの内容を変更して全く同じメールを避けるのがベターです。
ユーザーの行動に応じたリターゲティングメールを用意しておくのもよいでしょう。
「商品やサービスの掲載ページを3回閲覧したユーザー」には、購入を後押しするようなリターゲティングメールを。「資料請求したユーザー」に対しては、セミナーの開催案内といった次の行動を促すメールを送信するといった方法が考えられます。
リターゲティングメールと合わせて検討したいメールマーケティング手法
リターゲティングメールは他のメールマーケティング手法と併用できます。
リターゲティングメールと併用できるメールマーケティング手法を確認しておきましょう。
名称 | 特徴 | メリット |
メルマガ | 登録者全員に対して、同じ内容のメールを定期的に配信 | コストを抑えて配信できる |
ステップメール | シナリオに沿って用意したメールを段階的に配信 | シナリオに沿って配信することで購買意欲を段階的に高められる |
ターゲティングメール | ユーザーの属性に合わせたメールを配信 | 属性に応じて効果的なアプローチが可能 |
休眠顧客発掘メール | 休眠顧客に限定して配信 | 新規顧客獲得にかかるコストを節約できる |
ぜひこの機会に自社に最適なメールマーケティング手法を探してみてください。
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