目次
AIに「文章を書いて」と頼んだのに、当たり障りのない、どこか他人事の文章が返ってきた——これはAIの性能の問題ではなく、頼み方(プロンプト)の問題です。AIは料理人に似ています。「何か作って」では定食しか出てきませんが、材料と好みを伝えれば、望む一皿が出てきます。
この記事では、文章作成に特化したプロンプトの「型」を解説します。AIを使った文章の書き方 完全ガイドの中核パーツです。難しい専門知識は不要で、覚えるのは5つの部品だけです。
基本の型:5つの部品で組み立てる
良いプロンプトは、次の5部品でできています。
- ①役割:「あなたは地域新聞の編集者です」——AIに立場を与えると、文体と視点が安定します
- ②読者:「読み手は地域の子育て世帯です」——誰向けかで言葉選びが変わります
- ③目的:「イベントに足を運んでもらうためのお知らせです」
- ④素材・条件:日時・場所・伝えたい内容などの材料と、「絵文字は使わない」などの条件
- ⑤形式:「300字で」「見出し+箇条書きで」「ですます調で」
5部品を全部そろえた例を見てみましょう。
悪い例:「マルシェのお知らせを書いて」
良い例:「あなたは地域情報紙の編集者です(役割)。子育て世帯向けに(読者)、週末のマルシェに行きたくなるお知らせを書いてください(目的)。情報:10月12日10〜15時、中央公園、入場無料、子ども向けワークショップあり(素材)。300字以内、ですます調、絵文字なしで(形式)。」
この違いだけで、出てくる文章の実用度はまるで変わります。
そのまま使えるテンプレート3種
①お知らせ・案内文
「あなたは【団体名】の広報担当です。【読者】に向けて、【イベント/お知らせ】の案内文を書いてください。必ず入れる情報:【日時・場所・料金・申込方法】。目的は【してほしい行動】です。【文字数】以内、ですます調で。」
②記事・ブログの下書き
「あなたは地域メディアのライターです。以下の取材メモをもとに、【読者】向けの記事の下書きを書いてください。一番のニュースは【◯◯】なので、それをリード文(冒頭)に置いてください。見出し案も3つ。メモ:【貼り付け】」——取材メモからの記事化は文字起こしをAIで記事にする手順でさらに詳しく解説しています。
③お礼・依頼などの気を使う文章
「【相手との関係】である【相手】に、【用件】を伝えるメールを書いてください。失礼にならないよう、しかし回りくどくならないように。特に伝えたい気持ち:【◯◯】。150字程度で。」
出力を磨く「追加注文」のコツ
一発で完璧を求める必要はありません。プロンプトの真価は2回目以降の注文で発揮されます。
- 方向の修正:「もっとくだけた調子で」「冒頭をもっと目を引く形に」
- 分量の調整:「半分に削って」「この部分だけ詳しく」
- 案の比較:「違う切り口で3案ください」——選べる状態を作るのがAI活用の醍醐味です
- 理由を聞く:「なぜこの構成にしたの?」——答えを読むと、自分の文章力の勉強にもなります
うまくいったプロンプトは、メモアプリに保存して「自分のテンプレ集」に育ててください。2回目からは貼り付けて素材を差し替えるだけになります。
プロンプトより大事なこと:材料はあなたが持っている
最後に、プロンプト術の限界も正直にお伝えします。どれだけ頼み方が上手くても、AIはあなたの体験を知りません。取材で聞いた話、現場で見た光景、あなた自身の気持ち——この「材料」を④素材の部品にどれだけ具体的に渡せるかが、文章の質の上限を決めます。プロンプトの型は、材料を活かす調理法にすぎません。材料の集め方は取材のやり方 完全ガイドで解説しています。
なお、ビジネス業務(メール・企画書・分析)向けのプロンプト設計は中小企業のためのプロンプト入門が詳しいので、仕事で使う方はあわせてどうぞ。
まとめ:5部品→追加注文→自分のテンプレ集
文章作成プロンプトは、①役割・読者・目的・素材・形式の5部品で組み立て、②遠慮なく追加注文で磨き、③うまくいった型を保存して資産にする——この3つで十分に実用レベルになります。出てきた下書きを仕上げる目の鍛え方は、AIで文章を添削・推敲する方法へ続きます。
チームでのプロンプト共有や業務テンプレの整備は、当社のサービス(AI研修・導入支援)でもご支援しています。
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