目次
この記事でわかること
- 代行費用の内訳と相場感(初期/月額/スポット)
- 予算帯ごとに何を頼めるか(10万・10〜30万・30〜50万・50万以上)
- 内製 vs 外注の判断式と簡易ROIの出し方
- 代行会社選びのRFP質問例・評価スコアカード・契約/SLAの勘所
- 90/180日ロードマップとよくある落とし穴
1. まず押さえる費用内訳と相場
費用項目 | 概要 | 相場の目安 |
---|---|---|
初期費用 | 立ち上げ設計(戦略・KPI・体制)、既存資産監査、サイト/メディア構築 | 30〜50万円(戦略) / 50〜100万円(新規サイト構築) |
月額運用費 | 企画・編集・進行・制作・SEO・レポート | 10〜50万円(施策範囲と本数で変動) |
スポット費用 | LP/ホワイトペーパー/動画等、リライト大型案件 | LP:20〜30万円 / ホワイトペーパー:10〜30万円 / 動画:10〜30万円 |
ツール費(SEO/解析/校正/AI等)は1〜10万円/月を別途見込むと安心です。
2. 予算帯別:頼めること&期待値
月額 10万円以下
- できること:記事のスポット制作(例:2,000〜3,000字×3〜4本/月)
- 前提:構成出し・編集・SEOの指示は自社で。
- 狙い:まずは量の確保。成長初期のメディアに。
月額 10〜30万円
- できること:記事制作+キーワード調査/SEO設計/改善提案、編集・進行も任せられる。
- 体験価値:PDCAが回る。記事の質×量を両立し始める帯。
月額 30〜50万円
- できること:戦略立案から伴走。ペルソナ/カスタマージャーニー、編集方針、リライト、内部SEO、レポーティング。
- 期待値:3〜6か月で検索流入の手応え。指名/非指名キーワードの底上げ。
月額 50万円以上
- できること:編集部体制、ホワイトペーパー/LP/動画を含む統合運用、ABテスト、MA/CRM連携。
- 期待値:獲得設計まで一気通貫。短期で資産を積み上げ、商談化までの歩留まり改善。
3. 隠れコストも事前に可視化
- 素材(有料ストック画像/イラスト)
- 取材(交通費/謝礼/文字起こし)
- レビュー工数(社内関係者の承認往復)
- 法務表記/監修(YMYL領域の専門家監修)
- 多言語/多デバイス対応
見積時に「含む/含まない」を明記。追加単価(再撮/再編集/再取材)も取り決めを。
4. 内製 vs 外注:判断の“簡易式”
ブレークイーブンの目安
- 自社で月 N本 つくるのにかかる総コスト(人件費+ツール+管理)= C_in
- 外注で同等品質/本数の見積り総額 = C_out
- C_in ≷ C_out に 進行リスク(遅延・品質ブレ) と 機会損失(公開遅れ) を上乗せ比較。
簡易ROI(例)
- 目標:新規リード 60件/月、コンテンツ由来CVR 1.5%、必要セッション = 60 / 0.015 = 4,000
- 記事投入後の自然流入増 +4,000/月、代行費 30万円/月 → CPL = 30万 / 60 = 5,000円
- 受注率 10%、平均粗利 20万円/件 → 粗利 = 60×10%×20万 = 120万円
- ROI ≈(120万−30万)/30万 = 3.0倍
実態に合わせて商談率/受注率/粗利を差し替えると判断がブレません。
5. 90/180日ロードマップ(例)
0–30日:戦略設計
- KPI・KGI、ターゲット、編集方針、キーワード/トピッククラスタ、編集カレンダー
31–90日:制作・公開・基盤化
- 週1〜2本公開、内部リンク設計、検索データ反映、初回レポート&改善
91–180日:加速・獲得寄せ
- 成果記事の派生(更新/再編集)、ホワイトペーパー/LP連動、ABテスト、商談化動線の磨き込み
6. 代行会社選び:RFP質問と評価軸
送付したいRFP質問(抜粋)
- 業界/テーマの実績URLと成果(流入/獲得の数値)
- 体制(編集長/校正/SEO/デザイナ/取材/監修)と役割
- 制作プロセス(企画→構成→執筆→レビュー→公開)のSLA
- SEO方針(E-E-A-T、YMYLの監修/出典運用)
- 修正ポリシー(回数/範囲/追加費)
- 著作権/二次利用/生成AIの取り扱い
- 計測・レポート頻度と指標
- トーン&マナー合意方法(スタイルガイド/禁則)
- 緊急対応・バッファ(差し替え/炎上時)
- 料金内訳(人件費/外注/ツール/間接費の考え方)
評価スコアカード(合計100点)
- 実績再現性(20)/体制とSLA(15)/編集品質サンプル(15)
- SEO/データ能力(15)/コミュニケーション/透明性(15)
- コスト妥当性(10)/リスク管理(10)
7. 契約・SLAで揉めないために
- 成果物の権利:著作権/二次利用/クレジット表記
- 生成AIの利用可否と開示:下書き/リライトの範囲、検証フロー
- 修正回数/範囲:構成/本文/デザインで定義、追加単価
- 納期遅延時の取り決め:代替本数/ペナルティ/優先順位変更
- 守秘/個人情報/取材同意:録音・原稿確認・引用ルール
- KPI/SLA:公開本数、初稿→校了リードタイム、月次レポート日程
- 終了時引継ぎ:原稿・画像・設計ドキュメント一式の返還
8. 品質を上げる発注側の型
ブリーフ雛形
- 目的/KPI、ターゲット、検索意図、競合/差別化、トーン&NG、一次情報(事例/数値)、CTA
編集基準(E-E-A-T)
- 自社の経験/実証、専門家監修、出典明示、更新日記載
編集カレンダー
- 週次で「公開/リライト/ホワイトペーパー/SNS連携」を可視化
9. よくある落とし穴(と回避策)
- 量だけ増やす → ①トピッククラスター ②内部リンク ③更新で“面”を取る
- 承認ボトルネック → レビュー権限/期日を1回で確定、校正記号/用語統一
- KPI不一致 → 立ち上げ期は公開本数/順位/掲載数、獲得期はCV/MQLに切替
- YMYLの無監修 → 専門家レビュー/監修表記/出典で信頼を担保
10. まとめ
- 相場の目安:初期30〜50万(戦略)/サイト構築50〜100万/運用10〜50万+スポット
- 予算帯別の「できること」を把握し、目的に合う施策と体制を選ぶ
- 内製 vs 外注は総コスト+速度の価値で判断、ROIを簡易算出して投資判断
- 発注前にRFP/評価軸/契約SLAを整え、90/180日のロードマップで着実に積み上げる