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「ユーザーの行動履歴に合わせて、ピンポイントなメールを送りたい」「ターゲティングメールとの違いは?」という悩みに応えるため、本記事ではリターゲティングメールの基本、ターゲティング(属性)メールとの違い、活用例、メリット、運用時の注意点までを実務目線で整理します。
リターゲティングメールとは?
ユーザーの行動履歴(例:商品ページ閲覧、価格ページ滞在、資料請求、カート投入、過去購入)をトリガーに、個々の関心に最適化した内容を送るメール手法。すでに興味を示した層にアプローチするため、開封・クリック・CVの改善が見込めます。
ターゲティング(属性)メールとの違い
観点 | リターゲティングメール | ターゲティング(属性)メール |
---|---|---|
抽出基準 | 行動:閲覧/申込/購入/離脱など | 属性:年齢・性別・地域・業種・役職など |
目的 | 直近関心の“後押し”/再訪喚起/カゴ落ち回収 | 広く適合する提案/告知/啓蒙 |
代表シナリオ | カゴ落ち、価格閲覧後フォロー、資料DLフォロー、休眠復帰 | ニュースレター、属性別キャンペーン、業種別事例紹介 |
強み | 高い関連性→CVに近い | 到達範囲が広い→認知・想起 |
活用例(シナリオ)
- 商品ページを複数回閲覧:比較表・導入事例・期間限定クーポン
- 資料請求→再訪:関連ウェビナー案内・深掘り資料(ケーススタディ)
- カゴ落ち:在庫/価格/締切の再提示、FAQ・返品方針の不安解消
- 既存顧客のアップセル:利用状況に応じたプラン提案・アドオン紹介
- 休眠復帰:利用再開特典・最近の改善点の要約
BtoBは長期戦:ステップメールと併用し、課題→解決策→事例→導入判断の順で段階的にナーチャリング。
メリット
- CV率改善:高関心ユーザーに合った提案で、開封/クリック/成約を底上げ。
- 効率的なナーチャリング:購買プロセスの段階に合わせて、必要情報を段階的に提供。
- 学習が速い:反応データからシナリオ/クリエイティブを短サイクルで最適化。
運用時の注意点(ベストプラクティス)
- タイミング:即時すぎる配信は“監視感”。数時間〜1日のクールダウンを基点にABテスト。
- 頻度キャップ:同一ユーザーへの連投を防止(例:1日1通/週3通までなど自社基準を設定)。
- 重複防止:同一イベントの再配信抑止と、他シナリオとの優先度管理(ルールベース)。
- 内容のバリエーション:件名/CTA/オファー/クリエイティブを複数パターン用意。
- パーソナライズの節度:過度な追跡印象は逆効果。行動の事実に基づく“自然な文脈”で。
- 法令・同意管理:オプトイン/オプトアウト、配信停止導線、プライバシーポリシーの明記は必須。
併用したいメール手法
手法 | 特徴 | 目的/メリット |
---|---|---|
メルマガ | 全体告知・更新情報 | 低コストで広範囲に到達、想起維持 |
ステップメール | シナリオ自動配信 | 自然な教育と態度変容、BtoBに有効 |
ターゲティング(属性) | 属性/興味で分岐 | 業種・役職別の適合提案 |
休眠掘り起こし | 一定非アクティブ層へ再接触 | 新規獲得より低コストで再活性化 |
KPIと計測のポイント
- 開封率(OR)/クリック率(CTR)/コンバージョン率(CVR)
- 配信停止率/スパム報告率(しつこさの指標)
- 売上/獲得単価(CPA)/LTVへの寄与
- シナリオ別の到達→開封→クリック→CVのファネルでボトルネックを特定。
始め方チェックリスト
- 計測基盤:行動イベント(閲覧/滞在/カゴ入れ/DL/購入)を計測、MA/CRMと連携
- セグメント設計:行動×温度感(新規/再訪/休眠/顧客)で定義
- トリガー条件:何が起きたら、いつ、誰に、何を送るかを明文化
- クリエイティブ:件名/本文/CTA/FAQ/社会的証明(事例・レビュー)を用意
- 頻度キャップ&優先度:競合シナリオの整流化、再配信抑止ルール
- ABテスト計画:件名→オファー→本文構成→タイミングの順で検証
まとめ
リターゲティングメールは、行動履歴に基づく“今必要な一通”でCVと満足度を高める強力な手法。タイミング・頻度・重複防止・同意管理を押さえ、メルマガ/ステップ/属性配信と併用しながら、KPIに基づく改善を回していきましょう。