目次
採用広報とは?基本から実践まで
「求人広告を出しても応募が来ない」「採用してもすぐに辞めてしまう」――このような課題を抱えていませんか?
中小企業にとって、大手企業のような知名度や採用予算がない中で優秀な人材を獲得することは困難です。しかし、採用広報という手法を使えば、高額な求人媒体に頼らず、自社の魅力を継続的に発信することで、共感してくれる人材との出会いを生み出せます。
本記事では、採用広報の基本から具体的な手段、成功のステップまで、予算に不安がある中小企業でも今日から実践できる内容を解説します。
採用広報とは何か?
採用広報とは、企業が採用活動の一環として、自社の魅力や情報を求職者に向けて継続的に発信する活動です。英語では「Recruitment PR」や「Employer Branding」と呼ばれます。
従来の求人活動が「今すぐ人が欲しい」という短期視点だったのに対し、採用広報は「自社のファンを増やし、将来的に応募してもらう」という中長期視点を持ちます。
従来の求人活動との3つの違い
| 項目 | 従来の求人活動 | 採用広報 |
|---|---|---|
| 実施タイミング | 人が必要なときだけ | 継続的に実施 |
| 主な媒体 | 有料求人サイト | 自社メディア(SNS・ブログ) |
| 発信内容 | 募集要項中心 | 企業文化・社員の声・日常 |
| 目的 | 即座の応募獲得 | 理解と共感の醸成 |
| コスト構造 | 掲載ごとに費用発生 | 初期投資後は低コスト |
例えば、従来の求人活動は「店頭のセール告知」のようなもの。必要なときに大きく告知して短期間で集客します。一方、採用広報は「SNSでの日常発信」に近く、普段から関係性を築きファンを増やしていくイメージです。
なぜ今、採用広報が注目されているのか
採用広報が注目される背景には、採用市場の構造的変化があります。
1. 売り手市場の常態化
少子高齢化により人材不足が深刻化し、企業が選ばれる時代になりました。従来のように「求人を出せば応募が来る」ことは期待できません。
2. 求職者の情報収集行動の変化
求職者の約80%が応募前に企業のホームページやSNSをチェックしています。求人票の情報だけでなく、企業の「リアルな姿」を求めているのです。
3. 採用コストの高騰
大手求人サイトの掲載費用は年々上昇し、1回20〜50万円、年間数百万円かかるケースも珍しくありません。採用広報は、長期的には採用コストを大幅に削減できる可能性があります。
4. ミスマッチによる早期離職
新卒者の約3割が3年以内に離職しています。採用広報で事前に企業文化を理解してもらうことで、入社後のギャップを減らし定着率を高められます。
中小企業にこそ採用広報が必要な理由
「採用広報は大手企業がやるもの」という誤解があります。しかし、実は中小企業こそ採用広報に取り組むべきです。
知名度のハンディを克服できる
大手企業は知名度があるため求人を出すだけで応募が集まります。中小企業は、まず「知ってもらう」ことから始める必要があります。SNSやブログは、予算をかけずに認知度を高められる貴重な手段です。
「人」で差別化できる
給与や福利厚生では大手に勝てなくても、「どんな人と働くか」「どんな雰囲気か」という点では中小企業ならではの魅力があります。経営者との距離の近さ、一人ひとりの裁量の大きさ、アットホームな社風――これらは採用広報でこそ伝えられます。
機動力を活かせる
大企業では社内調整に時間がかかりますが、中小企業は意思決定が早く、思い立ったらすぐ実行できます。
コスト削減効果が大きい
採用広報に取り組む中小企業の約60%が「採用コストが削減できた」と回答しています。自社メディアからの応募が増えれば、年間数十万円〜数百万円のコスト削減につながります。
採用広報で得られる4つの効果
応募者の質が向上する
採用広報の最大の効果は、自社の価値観や文化に共感し、長く活躍してくれる可能性が高い人材からの応募が増えることです。
従来の求人広告では、給与や勤務地といった表面的な情報しか伝えられません。そのため「条件が合うから」という理由で応募してくる人が多く、企業文化との相性は考慮されていません。
一方、採用広報では以下の情報を発信できます。
- 経営者の想いやビジョン
- 社員の働き方や価値観
- 日常の雰囲気やコミュニケーション
- 大切にしている文化や考え方
こうした情報に触れた求職者は、「この会社の考え方に共感できる」と感じて応募してきます。つまり、条件だけでなく価値観でマッチングできるのです。
あるIT企業では、noteで技術ブログやエンジニアインタビューを発信し始めてから、応募者の質が明らかに変わりました。面接前から会社の技術スタックを理解し、「この記事を読んで共感した」と具体的に語れる人が増え、書類選考通過率が約2倍、内定承諾率も1.5倍に向上しました。
採用のミスマッチを減らせる
採用広報は、入社前から企業の実態を理解してもらえるため、入社後のギャップが小さくなります。
従来の採用プロセスでは、企業は「良い面」だけを見せようとし、求職者も「良く見られよう」とします。その結果、お互いに本当の姿を理解しないまま入社が決まり、「思っていたのと違う」というミスマッチが生じます。
採用広報では、良い面だけでなくリアルな日常や課題も含めて発信します。例えば、以下のような発信が効果的です。
- 「うちの会社はこういう人に向いています/向いていません」
- 「こんな大変さもあるけど、こんなやりがいがあります」
- 失敗談や苦労した経験を社員が語る
ある製造業の中小企業では、「泥臭い営業活動」や「繁忙期の忙しさ」もオープンに発信したところ、応募数は若干減りましたが、1年以内の離職率が35%から10%に改善しました。
採用コストを長期的に削減できる
採用広報の取り組みにより、自社メディアからの応募(ダイレクト応募)が増え、有料媒体への依存度を下げられます。
従来の採用活動では、以下のようなコストが継続的に発生します。
- 求人サイト掲載費:1回20〜50万円
- 人材紹介会社手数料:年収の30〜35%
- 求人広告制作費:数万〜数十万円
例えば、年収400万円の人材を人材紹介会社経由で採用すると、手数料だけで120〜140万円かかります。
一方、採用広報の初期投資は以下の通りです。
- 採用サイト構築:10〜30万円(自社制作なら無料)
- SNS運用:無料(時間コストのみ)
- 記事制作外注:1本3〜5万円(自社制作なら無料)
ある建設会社では、採用広報導入前は年間420万円かかっていた採用コストが、導入後は初年度90万円、2年目以降60万円に削減され、年間約330万円のコスト削減を実現しました。
さらに、採用広報で作成したコンテンツは企業の資産として蓄積され、継続的に応募を生み出す「資産」となります。
既存社員のモチベーション向上にもつながる
採用広報には、採用活動以外にも重要な副次効果があります。
自社の魅力を再認識できる
採用広報で自社の魅力を言語化する過程で、社員自身が「自社の良さ」を再発見します。「うちの会社、意外といい会社じゃないか」という気づきが、誇りや愛着につながります。
社員が主役になれる
社員インタビューやSNS投稿で、一人ひとりが「会社の顔」として登場します。自分の仕事や想いが外部に発信されることで、承認欲求が満たされ、仕事への誇りが生まれます。
社内コミュニケーションが活性化する
コンテンツ作成には、社員へのインタビューや写真撮影など、普段とは違うコミュニケーションが生まれます。部署を超えた交流が増え、社内の一体感が高まります。
ある小売業の企業では、月1本の社員インタビュー記事を制作し社内共有したところ、社員アンケートで「会社への誇り」が20ポイント向上し、離職率が前年比30%低下しました。
中小企業が取り組める採用広報の手段
予算や規模に応じて取り組める手段を、コスト別に紹介します。
【低コスト】自社ホームページの採用ページ充実
最も基本的で効果的なのが、自社ホームページの採用ページを充実させることです。すでにホームページがある企業なら、追加コストをほとんどかけずに始められます。
求職者の約80%が応募前に企業のホームページを確認しますが、多くの中小企業の採用ページは募集要項だけが淡々と書かれているだけで、企業の魅力が伝わりません。
充実させるべき内容
- 企業理念・ビジョン:なぜこの事業をやっているのか
- 代表メッセージ:経営者の想いや求める人物像
- 社員紹介:実際に働いている人の声や1日の流れ
- 職場環境:オフィスの様子や働き方の特徴
- 福利厚生・制度:具体的な待遇や独自の制度
- 募集要項:職種、給与、勤務地などの基本情報
- 応募方法:分かりやすい応募フォーム
低コストで実現する方法
- 既存ホームページに採用ページを追加(制作会社依頼:5〜15万円)
- WordPressなどで自社作成(ほぼ無料)
- 写真は社員がスマートフォンで撮影
- 文章は経営者や人事担当者が自分で書く
採用ページは「作って終わり」ではなく、定期的に更新することが重要です。
【低コスト】SNSでの日常発信
SNSは、無料で始められる最も手軽な採用広報ツールです。日常の様子や社員の人柄を伝えるには最適です。
各SNSの特徴
- Instagram:写真・動画で視覚的に魅力を伝える。若年層に強く、職場の雰囲気を伝えるのに最適
- X(旧Twitter):テキストベースで手軽に発信。拡散力が高く認知度向上に有効
- Facebook:30代以上のユーザーが多い。長文投稿やイベント告知に適し、地域密着型企業に向いている
発信する内容の例
- 社員の日常の仕事風景
- ランチや休憩時間の様子
- 社内イベントやミーティング
- 新商品やプロジェクトの裏側
- 社員の誕生日や記念日のお祝い
継続のポイント
- 週2〜3回の投稿を目標に
- 社員の顔を出して親近感を生む
- 作り込みすぎず自然体で
- 特定の社員に運用を任せると続けやすい
【低コスト】note等のブログメディア活用
noteやブログを使った記事発信は、企業の考え方や文化を深く伝えられる手段です。SNSよりも長文で詳しく情報を伝えられるため、共感を生みやすい特徴があります。
noteが採用広報に向いている理由
- 無料で始められる
- デザインの知識不要
- SEOに強く検索結果に表示されやすい
- note内のレコメンド機能で拡散されやすい
発信する内容の例
- 社員インタビュー:「なぜこの会社を選んだのか」「どんな仕事をしているのか」
- プロジェクトストーリー:実際のプロジェクトの成功・失敗談
- 代表の想い:経営者が語る企業理念やビジョン
- 社内制度の紹介:ユニークな制度や働き方の工夫
- 業界知識の共有:専門知識を発信して信頼性を高める
月1〜2本のペースで、無理なく続けることが重要です。完璧を目指さず、「社員の生の声」を大切にした等身大の記事を心がけましょう。
ある建築設計事務所では、noteで月1回プロジェクトの裏側を紹介する記事を投稿し、半年後には「noteの記事を読んで応募した」という人が月1〜2名現れ、採用サイトへの訪問者も3倍に増加しました。
【中コスト】採用動画の制作
写真や文章では伝わりにくい会社の雰囲気を動画で伝えます。
動画の種類
- 会社紹介動画(3分程度)
- 社員インタビュー動画(1人5分程度)
- 1日の仕事の流れ動画
- オフィスツアー動画
費用:1本5〜15万円
活用先:YouTube、採用サイト、SNS、求人媒体
プロに依頼せず、スマートフォンで撮影し無料の編集アプリを使えば、さらにコストを抑えられます。
【中コスト】Wantedly等の採用プラットフォーム
Wantedlyは、給与や待遇ではなく「共感」で人材を集めるプラットフォームです。
特徴
- 月額料金制(3〜10万円程度)で使い放題
- 企業ストーリーや社員紹介を発信できる
- 「話を聞きに行きたい」というカジュアル面談から始められる
中小企業やスタートアップ、ベンチャー企業との相性が良く、価値観重視の採用に適しています。
採用広報を成功させる5つのステップ
ステップ1:採用したい人物像を明確にする
採用広報を始める前に、「どんな人に来てほしいのか」を明確にすることが最も重要です。
ターゲットが曖昧だと、発信する内容もぼやけてしまい、誰にも刺さらないメッセージになってしまいます。
人物像を明確にする方法
- 既存の優秀な社員を思い浮かべる
- その人の特徴(スキル、価値観、性格)を書き出す
- 「どんな仕事を任せたいか」「どんな成長を期待するか」を考える
具体例
「30代、営業経験5年以上」という属性だけでなく、以下のように具体的に描きます。
- 「お客様の課題を自分ごとと捉え、粘り強く解決策を提案できる人」
- 「チームで協力することを楽しめる人」
- 「失敗を恐れず、新しいことに挑戦したい人」
このように価値観や行動特性まで明確にすることで、発信するメッセージが具体的になります。
ステップ2:自社の魅力を洗い出す
「うちには魅力がない」と思っている企業でも、必ず魅力はあります。それを言語化することが採用広報の第一歩です。
魅力の洗い出し方
社員にアンケートやインタビューを実施し、以下の質問をしてみましょう。
- この会社のどこが好きですか?
- なぜこの会社を選びましたか?
- この会社で働いていて良かったと思う瞬間は?
- 他社にはないと思う特徴は?
魅力の分類
洗い出した魅力を以下のカテゴリーに分類します。
- 理念・ビジョン:会社が目指す方向性
- 事業内容:どんな価値を提供しているか
- 働く環境:オフィス、設備、勤務制度
- 人・文化:社員の雰囲気、社風、人間関係
- 成長機会:学べること、キャリアパス
- 待遇・制度:給与、福利厚生、独自の制度
大手企業と同じ土俵で戦う必要はありません。中小企業ならではの魅力(経営者との距離の近さ、裁量の大きさ、アットホームさ)を前面に出しましょう。
ステップ3:発信する内容とメッセージを決める
ターゲットと自社の魅力が明確になったら、何を、どのように発信するかを決めます。
コンテンツの軸を決める
すべてを発信しようとすると続きません。3〜5つのコンテンツの軸を決めましょう。
例
- 社員紹介:一人ひとりの仕事内容や想い
- 日常風景:オフィスの様子、ランチ、イベント
- プロジェクト紹介:実際の仕事の進め方や成果
- 代表メッセージ:経営者の想いや会社の方向性
- 業界情報:専門知識や業界トレンド
トーン&マナーを統一する
発信する際の「らしさ」を統一します。
- フォーマル or カジュアル
- 真面目 or ユーモラス
- 丁寧語 or 親しみやすい言葉
会社の文化やターゲットに合わせて選びましょう。
ステップ4:無理なく続けられる手段を選ぶ
採用広報で最も重要なのは継続することです。最初から完璧を目指さず、無理なく続けられる手段を選びましょう。
手段選びの基準
- 社内のリソース(人員、時間、予算)
- 得意なこと(文章、写真、動画など)
- ターゲットが利用している媒体
最初は1つに絞る
すべてのSNSを一度に始めるのではなく、まずは1つに集中しましょう。慣れてきたら徐々に増やしていきます。
おすすめの始め方
- 予算ゼロ:InstagramまたはXで週1回投稿
- 予算少額:上記+noteで月1回記事投稿
- 予算あり:採用ページリニューアル+SNS運用
ステップ5:効果を測定し、改善を続ける
採用広報は「やりっぱなし」ではなく、効果を測定し改善を続けることが重要です。
測定すべき指標
短期的指標(3〜6ヶ月)
- SNSフォロワー数
- 投稿のエンゲージメント(いいね、コメント、シェア)
- 採用サイトの訪問者数
- 応募者の認知経路
中長期的指標(6ヶ月〜1年)
- 応募数の増加
- 応募者の質(「会社の雰囲気を知って応募した」という人の割合)
- 採用コストの削減
- 内定承諾率の向上
- 入社後の定着率
簡単な記録方法
ExcelやGoogleスプレッドシートで簡単に記録するだけで十分です。
| 月 | SNSフォロワー | サイト訪問者 | 応募数 | 採用数 |
|---|---|---|---|---|
| 4月 | 50 | 120 | 2 | 0 |
| 5月 | 65 | 150 | 3 | 1 |
| 6月 | 82 | 180 | 4 | 1 |
数字に現れない効果も大切
- 既存社員のエンゲージメント向上
- 会社の魅力を言語化できた
- 社外からの問い合わせ増加
- 取引先からの信頼度アップ
最低でも6ヶ月は継続する覚悟で始めましょう。3ヶ月で効果が出ないからとやめてしまうのは、最ももったいないことです。
よくある課題と解決策
「発信するネタがない」と感じたら
「うちは普通の会社だから、発信することなんてない」――これは多くの中小企業が抱える悩みです。しかし、日常業務の中に発信すべきネタは溢れています。
求職者が知りたいのは、華やかな成功事例だけではありません。「実際にどんな仕事をしているのか」「どんな人が働いているのか」といったリアルな日常こそが、応募の決め手になります。
発信ネタの見つけ方
- 朝礼やミーティングの様子
- 社員のデスク周り
- ランチタイムの会話
- お客様とのやりとり
- 季節のイベント
- 小さな改善や工夫
- 失敗談
ネタ帳を作る習慣
スマートフォンのメモアプリやSlackに「採用広報ネタ」というチャンネルを作り、気づいたことを写真付きでメモする習慣をつけましょう。週に1〜2個でも記録していけば、月に4〜8個のネタが自然と溜まります。
完璧な文章にする必要はありません。「今日、新入社員が初めて一人で商談に行きました」といった一言メモで十分です。
「誰が運用するか決まらない」問題
採用広報の運用体制が決まらず、結局誰もやらない――これは中小企業あるあるです。属人化を防ぎ、無理なく続けられる体制づくりが重要です。
運用体制の3つのパターン
1. 専任担当者を決める(推奨)
人事担当者や広報担当者など、1名を採用広報の責任者として任命します。
- 責任者の役割:投稿スケジュール管理、ネタ集め、最終チェック
- 社員の役割:日常のネタ提供、写真撮影、簡単なコメント
2. 持ち回り制にする
毎月担当者を変える方法です。社員全員が関わることで、会社全体の意識が高まります。
3. 経営者自らが発信する
小規模企業では、経営者が直接発信するのも効果的です。経営者の想いや考え方が直接伝わり、共感を生みやすくなります。
属人化を防ぐ仕組み
- 投稿テンプレートを作る
- ネタ帳を共有する
- 投稿カレンダーを作る
- 承認フローを簡略化する(投稿前の確認は1名まで)
「続かない」を防ぐための工夫
採用広報で最も難しいのが「継続すること」です。
続かない3大原因
- 完璧主義:「良い内容を書かなきゃ」と思いすぎる
- 負担が大きい:時間がかかりすぎる
- 優先度が下がる:緊急の仕事に押し出される
継続するための5つの工夫
1. ハードルを下げる
写真1枚+一言コメントでOK。「完璧な投稿」より「継続的な投稿」を目指します。
2. 時間を決める
「時間があるときにやろう」では絶対に続きません。曜日と時間を固定します。
- 毎週水曜日の15時に投稿
- 月曜日の朝礼後に撮影タイム
3. テンプレート化する
投稿パターンをいくつか用意します。
- 月曜日:「今週の目標」
- 水曜日:「社員の1日」
- 金曜日:「今週の出来事」
4. ツールを活用する
- 予約投稿機能:Meta Business Suite
- 画像編集:Canva
- ネタ管理:Notion、Googleスプレッドシート
- 撮影:スマートフォンで十分
5. 小さな成功体験を積む
「フォロワーが10人増えた」「応募者が『Instagram見ました』と言ってくれた」といった小さな成功を社内で共有し、モチベーションを維持します。
週1回の投稿を1年続けることの方が、週3回を1ヶ月続けるよりもはるかに効果があります。
予算別・採用広報の始め方
【予算ゼロ円】今すぐできる5つのアクション
予算がゼロでも、採用広報は今日から始められます。
1. SNSアカウントの開設(30分)
Instagram、X、Facebookのいずれか1つでOK。会社名で公式アカウントを作成し、プロフィールに事業内容と採用意欲を明記します。
2. スマホで社内を撮影(10分)
オフィスや作業場の様子、社員が働いている姿、商品やサービスの制作風景を撮影します。自然光が入る午前中に撮ると、スマホでもきれいに撮れます。
3. 週1回の投稿ルールを決める(5分)
曜日と時間を固定し、担当者を決め、投稿内容のテンプレートを作ります。
4. 採用ページの見直し(1時間)
既存のホームページに以下を追加・修正します。
- 代表メッセージ
- 社員の写真
- 「こんな人と働きたい」という求める人物像
- 応募方法
5. Googleビジネスプロフィールの活用(30分)
会社情報を充実させ、写真を定期的に追加し、投稿機能で採用情報を発信します。
予算ゼロでも、継続することで確実に効果が出ます。まずは3ヶ月続けてみましょう。
【予算月1〜3万円】質と効率を高める
投資先の優先順位
- Canva Pro(月1,500円):テンプレート豊富、背景削除機能、予約投稿機能
- note Pro(月5,000円):独自ドメイン、デザインカスタマイズ、Analytics連携
- ライティング外注(記事1本5,000〜15,000円):社員インタビュー記事など
- 写真素材サービス(月1,000〜3,000円):Adobe Stock、PIXTAなど(補助的に使用)
予算配分例
| 項目 | 月額 | 用途 |
|---|---|---|
| Canva Pro | 1,500円 | SNS投稿の画像作成 |
| note Pro | 5,000円 | 記事発信 |
| ライティング外注 | 10,000円 | 月1本の記事作成 |
| 合計 | 16,500円 |
最初から全部に投資する必要はありません。まずは1つから始めて、効果を見ながら拡充していきましょう。
【予算月5〜10万円】本格的に推進する
投資先の選択肢
- 採用サイトの本格リニューアル(初期費用30〜50万円):採用専用サイトを作成
- 動画制作(1本5〜15万円):会社紹介、社員インタビュー、オフィスツアー
- プロカメラマン撮影(半日5〜8万円):社内の様子や社員の写真
- 採用広報コンサルティング(月5〜10万円):戦略立案から運用支援まで
- SNS広告運用(月3〜5万円):認知度拡大
予算配分例(運用フェーズ)
| 項目 | 月額 | 用途 |
|---|---|---|
| コンサルティング | 50,000円 | 戦略立案・運用支援 |
| ライティング外注 | 20,000円 | 月2本の記事作成 |
| SNS広告 | 30,000円 | 認知度拡大 |
| 合計 | 100,000円 |
初期投資(サイト制作や動画制作)と運用コスト(広告費やコンサル費)を分けて考えましょう。
外部に依頼する場合の選び方
依頼先の種類
- Web制作会社:採用サイト制作、デザイン(30万円〜)
- 採用コンサルティング会社:採用戦略、ターゲット設定(月5万円〜)
- 広告代理店:SNS広告、求人広告(広告費の20%が手数料の目安)
- フリーランス:記事執筆、画像制作(記事1本5,000円〜)
選定時のチェックポイント
- 中小企業の採用広報支援実績があるか
- 自社の課題を理解しているか
- 予算に合わせた段階的な提案をしてくれるか
- コミュニケーションが取りやすいか
- 費用の透明性があるか
避けるべきパターン
- 「必ず応募が増えます」と断言する業者
- 実績を具体的に示せない業者
- 高額なプランしか提案しない業者
- 運用をすべて丸投げさせようとする業者
採用広報の外注は、「丸投げ」ではなく「協力」の関係が理想です。会社の魅力は社内の人間が一番知っており、外部パートナーはそれを引き出し形にする役割です。最終的には社内で運用できる体制を目指しましょう。
まとめ:採用広報は「継続」が成功の鍵
採用広報で大切な3つのポイント
1. 完璧を目指さず、継続を優先する
採用広報で最も大切なのは「続けること」です。月1回の完璧な投稿よりも、週1回の等身大の投稿の方がはるかに効果があります。
2. 自社の「普通」が、誰かの「魅力」になる
「うちは普通の会社だから」と思っていることが、求職者にとっては貴重な情報です。日常の仕事風景、社員同士の何気ない会話、小さな工夫――これらすべてが「この会社で働きたい」と思わせる材料になります。
3. 短期的な成果を求めすぎない
採用広報は種をまいて育てる活動です。すぐに応募が殺到することはありませんが、6ヶ月、1年と続けることで確実に効果が現れます。焦らず、コツコツと続けることが成功の秘訣です。
今日から始める3つのアクション
採用広報は、大きな予算や専門知識がなくても始められます。
- SNSアカウントを1つ開設する(30分)
- スマホで社内を撮影する(10分)
- 週1回の投稿日を決める(5分)
この3つだけで、採用広報のスタートラインに立てます。
段階的に拡充していく
- ステップ1(0〜3ヶ月):SNSで週1回投稿
- ステップ2(3〜6ヶ月):採用ページの充実、月1回の記事投稿
- ステップ3(6ヶ月〜):動画制作、広告運用など
無理なく続けられるペースを見つけることが、長期的な成功につながります。
採用広報がもたらす変化
採用広報に取り組むことで、採用活動全体が改善されます。
- 自社の魅力を言語化できる
- 社員のエンゲージメントが向上する
- 採用への当事者意識が社員に芽生える
- 社外からの問い合わせや引き合いが増える
採用広報は、単なる採用手法ではなく、会社全体を良くする取り組みです。小さく始めて、続けることで、必ず成果は現れます。今日から、できることから始めてみませんか?
