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【BtoB】導入事例インタビュー 成功の流れとコツ/事前準備から当日まで

導入事例は一度作ると、その後の販売促進のあらゆる場面で活用することができる便利なコンテンツです。

本記事では、導入事例インタビューの流れや注意点、さらに効果的な質問について解説します。初めて挑戦する方や苦手意識を持っている方でも、この記事1本でインタビューの要点を押さえることができます。

本記事で分かる内容は以下の通りです。

  1. 導入事例インタビューの流れ
  2. インタビューの際のコツや質問
  3. 導入事例の書き方のポイント

 導入事例インタビューの目的とメリット

まず、導入事例インタビューの目的とメリットについてご紹介します。

導入事例インタビューの目的

導入事例とは、企業が自社の商品・サービスを、すでに導入してくださっているお客様にその使用感などをインタビューし、紹介したものです。多くのWebサイトで「お客様の声」や「導入実績」などのメニューとして掲載されています。

導入事例インタビューの目的は、商品やサービスの導入を検討している次なるお客様に向けて、販売を促進させることです。

Amazonなどのショッピングサイトで買い物をする際に、買おうとしている商品のレビューを参考にしている方も多いのではないのでしょうか。

導入事例インタビューのメリット

導入事例インタビューは自社の商品・サービスの強みを、開発者目線では発見できなかったお客様の視点だからこそ気づくことができた多角的な魅力を引き出してくれます。

インタビューによって、現在進行形で自社商品・サービスを利用している既存客からのリアルな感想を聞き取り、それをまとめたものを自社サイトに掲載することによって、同じ立場である他のお客様の意見を参考にすることができるので、導入イメージが膨らみ、意思決定を促すことに繋がります。

つまり、導入事例インタビューの一番のメリットは、導入を検討している見込み客にとって、有力な判断材料になるという点です。

実際のインタビューの流れ

次に、実際のインタビューの流れについて解説していきます。
それぞれの段階ごとで見落としがちな点などをご紹介します。

①取材先の選定、関係構築

まず、インタビューの初めの一歩が「取材先の選定、関係構築」です。

お客様にも当然スケジュールがありますので、早めにインタビューの予定日を打診しておくことが肝心です。遅くてもインタビュー当日の2週間前までにはアポを取っておきましょう。

また、インタビュー当日の時間にも限りがあるので、限られた時間の中で効率的に取材を進めるために、相手のことを事前に知っておくなどの関係構築が必要です。

②事前準備

取材先が決まり、アポが取れたらインタビュー当日に向けて準備を進めます。

より良い導入事例をコンテンツとして引き起こすための効果的な質問などを用意しておく必要があります。

効果的な質問は、後ほどご紹介します。

③インタビューでの質問、深掘り

準備が整ったらいよいよインタビュー当日です。

インタビューは、形式的に用意した質問を投げかけてインタビュイー(回答者)に答えをもらうだけではなく、対面で話すからこそ引き出せる魅力的な情報を得るための貴重な機会です。

メールなどの文面だけでは得られない対話独自の要素に、対面インタビューの意味があります。

インタビューの強みを引き出すための質問のテクニックやコツについては、後ほどご紹介します。

④導入事例の制作・校正

最後に、インタビューで受け取った情報をまとめて、導入事例を制作・校正します。

自社のWebページに載せる内容となるので、見込み客にその商品・サービスの魅力が十分に伝わる書き方を心掛けましょう。

後ほど、導入事例の書き方のポイントについて詳しく解説します。

インタビューする際の5つのコツとは?

インタビューの流れを紹介したところで、次にインタビューする際の5つのコツについてご紹介します。

①他社の導入事例に目を通す

インタビューの前に、同業他社や関連企業の導入事例をチェックしておきましょう。他社の強みや訴求ポイントを把握しておくことによって、自社の商品・サービスのポジションを俯瞰的に見ることができます。

ターゲット層、掲載数、質問内容、具体的な数値の盛り込み方など、参考にできる点は吸収し、自社の導入事例に活かしましょう。

②事前に質問を用意する

事前に質問を用意することは、当日のインタビューを円滑に進行させるために重要です。また、インタビューによって制作される導入事例の目的を、質問を考える時に意識する必要があります。

導入事例によって、販売促進を目的とするのであれば、他社の商品・サービスと比較した時の優位性を引き出す質問を考えなければなりません。

③しっかりと記録を取れる状態で挑む

インタビュー中に重要な情報を逃さないために、しっかりと記録を取れる状態で挑みましょう。当日は、録音デバイスを用意しておくことをおすすめします。

直筆のメモは、書くことに集中してしまい、インタビュイー(回答者)とのコミュニケーションが厳かになってしまいます。可能であれば、書記担当のインタビュアーにメモを取ってもらいましょう。

また、録画、録音をする際はインタビュイーの了承を得てから始めることを忘れないようにしましょう。

④具体的なエピソードや数字を深掘りする

導入事例を見るお客様の目的は、「効果が実感できた!」などの抽象的な情報ではなく、「〇〇%売上が伸びた!」のような具体的な情報を得ることです。

また、実際に商品・サービスを導入したお客様のエピソードは、次なるお客様への共感を誘うためにも非常に重要です。

インタビュイーが語るエピソードや具体的な数字にフォーカスし、それらを深掘りするような質問をすることで、より詳細な情報を引き出すことができます。

具体的な質問については、後ほどご紹介します。

⑤関係のなさそうな会話も記録する

インタビュー中には、導入事例に関係のなさそうな会話や一見些細な情報も、後で役立つことがあります。質問の間の雑談から魅力的なエピソードが聞き出せることもあるので、しっかりと聞き耳を立てて記録をしましょう。

インタビュイーが質問に答える際は、緊張してしまって定型文のような回答になってしまうこともあります。緊張をほぐすという意味でも、質問から少し外れたことを話すことも大切です。

相手の話を引き出すヒアリング術

インタビューは、インタビュイー(回答者)の会話力だけでなく、インタビュアー(質問者)の傾聴力が大切です。そこで、相手の話を引き出すヒアリング術を4つご紹介します。

相槌をこまめに

インタビューに限らず、会話をするときに相手に対してこまめに相槌を打つことは非常に重要です。

相槌を打ってあげることによって、相手は自分が話していることに対してのフィードバックを常に受け取ることができるので、安心して話を進めることができるのです。

相槌以外にも、おどろいたときには目を見開いたり、理解できていないときには首を傾げたりするジェスチャーを取り込むことによって、こちらの心理情報がインタビュイーの中に取り込まれやすくなり、一歩踏み込んだ回答を得ることにもつながります。

インタビュイーに安心感を与える

インタビューでは、自分だけでなく相手も非常に緊張しています

インタビュアーの方が緊張で怖い顔をしてしまったら、インタビュイーも伝えたいことをうまく話すことはできません。

インタビュイーの不安や緊張を和らげるためにも、インタビュアーは表情を柔らかくしましょう「お互い緊張しますよね」と自身の不安や緊張を開示して、共有することも効果的です。

発言内容を定期的に確認する

インタビュアーは、相手の話を正確に理解するために、発言内容を定期的に確認する必要があります。

相手の話の節目節目で、自分が理解しているかどうかを確認するために、「なるほど、〜なんですね!」「つまり、〜ということですね!」といった形で、要点をまとめて復唱したり、相手の言葉を繰り返したりするようにしましょう。

これにより、互いの認識のズレを修正しながらインタビューを進めることができ、スムーズに話を深掘りすることができます。

答えやすい質問を用意する

どれだけ緊張が和らいでいても、インタビュアーの質問が漠然としていて、答えにくいような質問では、その商品やサービスの魅力を引き出すことはできません

なので、質問される側がその場で聞いただけでパッと答えることのできるような、わかりやすい質問を用意しましょう。

わかりやすい質問については、次の章でご紹介します。

インタビューで聞くべき4つの質問

ここでは、見込み客に対して訴求効果を高めるために必要となる4つの質問をご紹介します。

商品・サービスを導入する前の悩みやニーズ

「商品・サービスを導入する前の悩みやニーズ」についての質問は、既存客が商品やサービスを導入する前に抱えていた具体的な悩みや課題について探ることが目標です。

探りを入れ、導入前の状況やお客様のニーズを理解することによって、潜在的に同じ悩みを抱えている見込み客に対し自社の商品・サービスの効果をアピールすることができます。

悩みを共感してもらうための導入事例を制作するためには、ただ質問をするだけでなく、その当時の状況や心境などをインタビュアー(質問者)がしっかりイメージできるまで聞き込むことが大切です。

質問は以下のような感じです。

  • 「サービスを導入する前に、どのような課題や悩みを抱えていましたか?」
  • 「導入を検討するきっかけとなった具体的な出来事は何でしたか?」
  • 「過去の業務において、どのような問題や課題が発生していましたか?」
  • 「サービス導入を検討するに至った背景や要因について教えてください。」

商品・サービスを選んだ決め手

「商品・サービスを選んだ決め手」についての質問は、他社の商品・サービスと比較して、なぜお客様が自社の商品・サービスを選んでくれたのか、どのような特徴に魅力を感じたのかを探ることが目標です。

選ばれた理由や決め手を聞き取り、導入事例に組み込むことで商品・サービスの独自性や魅力を伝えることができます。

色々な会社の商品・サービスと比較・検討しているお客様に対して、すでに導入している他のお客様視点での自社製品の魅力的な紹介文は、有力な判断材料になること間違いなしです。

質問は以下のような感じです。

  • 「他のサービスと比べて、なぜこのサービスを選んだのですか?」
  • 「この商品の第一印象はどのようなものでしたか?」
  • 「このサービスを選んだ決め手を教えてください」

商品・サービスを導入したことによる成果

「商品・サービスを導入したことによる成果」についての質問は、導入によってどのような問題が解決され、どのようなメリットが得られたのか、具体的に探ることが目的です。

具体的な成果として、コストの削減や時間効率の向上、生産性の改善などの数値的な変化や利益も含め、利用者の主観的な感想やフィードバックも聞き取ります。

ex.)良くない質問
「売り上げが伸びた!」
「このサービスを導入して、工数が大幅に減りました!」
「利用者の方から好評です!」

上記のようだと、導入を検討しているお客様にはその商品やサービスの魅力は伝わりづらいです。そこでポイントとなるのが、具体的な数値です。

ex.)良い質問
「売り上げが20%伸びました!」
「このサービスを導入して、工数を3割削減できました!」
「お客様の満足度が60%→90%に!」

上記のように、導入事例に具体的な数値を盛り込むことができれば、導入を検討しているお客様に対し、その商品・サービスの効果やメリットが直感的に伝わりやすくなります。質問を用意する際は、具体的な数値に着目した質問を用意しましょう。

質問は以下のような感じです。

  • 「このサービスを導入して、どのような不満を解消しましたか?」
  • 「具体的に、どのぐらい売り上げが伸びましたか?」
  • 「実際に利用してみて、どのぐらいコストを削減できましたか?」

どんな方に商品・サービスをおすすめしたいか

「どんな方に商品・サービスをおすすめしたいか」についての質問は、実際に利用しているお客様視点から、次にどのような悩みや課題を抱えるお客様におすすめしたいかについて探ることが目的です。

インタビュイー(回答者)に、その商品・サービスを今後どのように活用していく予定なのかを伺うことで、商品・サービスの適用範囲や利用者視点の将来の展望を確認することができます。

導入事例を読んでいるお客様が、その展望に当てはまった場合、(商品・サービス導入後の自分の会社)をイメージしやすくなり、購入を一押しすることができます。

質問は以下のような感じです。

  • 「さらなる売上高の向上など、今後の目標はございますか?」
  • 「この商品やサービスはどのような方におすすめしたいですか?」

お客様の声・導入事例の書き方のポイント

インタビューを終えた後、インタビューの情報をまとめて、自社のウェブページへの投稿作業を行います。導入事例にまとめる際の流れとしては以下のようになります。

  1. 自社の基本情報
  2. インタビュー対象者
  3. 導入前の課題
  4. 導入の理由
  5. 導入にによる効果
  6. 導入後の状況(使い勝手、社内の声)
  7. 今後の目や展望

では、書き方のポイントについてご紹介します。

 Q&A方式を活用する

「Q&A方式」は多くの企業の導入事例で積極的に活用されているテクニックです。

この手法は、インタビュアー(質問者)が質問し、インタビュイー(回答者)がそれに回答するという流れで構成されています。

多くの見込み客が持つ疑問や関心事に対して、導入事例の中で具体的な回答を提供することが「Q&A方式」での目的となります。

商品・サービスに関する疑問点となるフレーズや質問を投げかけ、それに対する回答を受け取れるので、情報を整理しやすく、お客様が必要な情報に素早くアクセスでき、ストレスなく情報収集を行うことができます。

「Q&A方式」を活用する上で、お客様からのお問い合わせ対応の負担を軽減することができるメリットもあります。

これから商品・サービスを購入してくださるかもしれないお客さまは、商品ページで生じた疑問は会社に直接問い合わせて解決するのが一般的です。しかし、導入事例に「Q&A方式」を用いてその中で疑問点が解決できていれば、問い合わせ件数や一件あたりの応対時間が削減します。さらに、問い合わせ件数と実際の契約数の差が縮まることにもつながり、社内の業務効率は上がるでしょう。

ストーリーを意識する

導入事例の第一の目的として、商品・サービスの販売促進が挙げられます。

お客様に悩みやニーズを共感してもらえると、より販売促進につながります。なので、導入事例では共感性の高いストーリーを意識することがポイントとなってきます。

ストーリーを意識する上では「起承転結」をイメージすると効果的です。

  1. 「起」お客様の情報
  2. 「承」導入する前の背景、状況
  3. 「転」導入する前に直面していた悩みや問題点
  4. 「結」導入したことによる変化・メリット

上記のように、導入事例の流れを時系列で紹介することによって、読んでいるお客様にストーリー性が伝わりやすくなり、感情移入しやすくなります。

 マイナス要素も組み込む

「マイナス要素を組み込むのは逆効果なのでは?」と思われる方も多いと思います。

導入事例のインタビューに応じてくれるお客様は、前向きな感想をたくさん話してくれるかもしれません。しかし、あえてマイナスな要素を組み込むことも、情報の信憑性を高めるうえでポイントとなります。

また、導入事例を読んでいる見込み客は、商品の使用前と使用後のギャップを探ろうとしています。どの会社の製品も、優れている点もあれば、当然至らない点もあります。
的確な情報を伝え十分に検討していただくという点でも、マイナス要素を組み込むことは重要です。

インタビュー時にやりがちな失敗例とその対策

ここでは、場数がまだ少ないインタビュアーがやりがちな失敗例と、その対策法を紹介します。

失敗例①インタビュイーと意思疎通が取れていない

インタビューをするときはお互い初対面であり、緊張していることが想定されます。そのような状況でいきなり難しい質問をしてしまうと、インタビュイー(回答者)の方と意思疎通が取れない状況が生まれてしまいます。

意思疎通が取れないままインタビューを進めてしまうと、本当に聞きたいことが聞けずにインタビューの時間が終わってしまいます。

対策:事前に質問内容などを共有しておく

対策として、インタビュイーの方と事前に構成案や質問内容を共有しておきましょう

質問シートを利用して事前に回答を簡単に記入しておいてもらうのも良いでしょう。そうすると、インタビュー当日の限られた時間の中で、さらに話を広げて深いところまでインタビュイーの意見を受け取ることができます。

当日まで回答を返してもらえない場合もありますので、その場合はこちらでいくつか回答を予測し、その予想回答に対してさらにフォローアップの質問を用意しておくことが好ましいでしょう。

失敗例②情報収集不足

インタビュー当日、お客様の回答に対して、気の利いたフォローアップの質問ができずに、話を広げられなかった。そのような状況になってしまうと、インタビューで得られる内容が薄くなってしまいます。

対策:事前調査を怠らない

対策として、事前調査を怠らないようにしましょう。インタビューに限った話ではなく、どのような場面においても受け答えをする際は、ある程度の知識が必要になってきます。

インタビュイーであるお客様から、共感性の高い有益な情報を聞き出すためには、インタビュアーの柔軟な対応が必要になってきます。チャットなどで、インタビュイーの方とやり取りできる状況であれば、事前にインタビュイーとなるお客様の会社の事業内容などの事前調査を行いましょう。

もちろん、お客様だけの情報だけでなく、自社の商品やサービスに対しての理解を深めておくことも重要です。

失敗例③時間配分ミス

誰しもが、予定していた時間よりも長引いてしまい、全ての予定を完了することができないという経験をお持ちだと思います。

インタビューにおいても、時間配分ミスは起こります。質問に対してお客様が丁寧に答えてくれたり、少し脱線してしまったりなど、原因は色々挙げられます。

長引いてしまうと、予定していた質問が聞けずにインタビューが終わってしまい、導入事例が希薄なものになってしまいます。

対策:事前にインタビューの時間配分を決めておく

対策として、事前にインタビューの時間配分を決めておきましょう。

インタビュイーであるお客様からいただいた時間は限られているので、その時間内でより良い回答を引き出す必要があります。

時間配分のミスが起きる原因として、以下の点が挙げられます。

  1. 質問に対して適切な時間を割り当てることができていない
  2. 事前に用意した質問が多すぎる

上記の2点を念頭に置いて、時間配分や質問内容を検討することが大切です。

また、インタビュー当日は、こまめに時間を確認しながら進めていくことが大切です。想定していた以上に1つの質問に対する回答時間が長引いてしまっている場合には、早めに切り上げて、次の質問に移るなどの臨機応変な対応が求められます。

まとめ

今回は、 導入事例インタビューの流れや質問例、失敗例について解説しました。

導入事例は、お客様に商品やサービスを販売促進するためには欠かせないコンテンツとなっています。

お客様にとって有益な導入事例を制作するためには、インタビューの事前準備が非常に重要になってきます。今回ご紹介した質問例やインタビュー対策を、しっかりチェックして有益な導入事例を作成しましょう。

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Harmonic Society編集部です。コンテンツ・マーケティングを軸にWebマーケティングの情報を発信しています。Creating Harmony in small steps, 世の中にもっと調和が訪れますように。

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