目次
- 原則1:書く前に「誰に・何をしてほしいか」を決める
- 1行の設計メモを書いてから始める
- 原則2:結論から書く(PREP法)
- 迷ったら「結論→理由→具体例→結論」の順
- 原則3:一文を短く、「一文一義」で書く
- 60文字を超えたら分割を疑う
- 原則4:具体的に書く(数字・固有名詞・動作)
- 抽象語が出たら数字に置き換えられないか考える
- 原則5:読み手の言葉で書く
- 専門用語は「使わない」ではなく「説明を添える」
- 原則6:見た目を設計する(改行・箇条書き・見出し)
- 3つの道具で「見た目の壁」を崩す
- 原則7:書いたら直す(推敲と校正)
- 「時間を置く」だけで直せる量が倍になる
- 場面別の書き方:メール・報告書
- AI時代の文章術:分担すれば両方が速くなる
- まとめ:7つの原則は「読み手への思いやり」の技術
メール、報告書、提案書、ホームページ、チャット——ビジネスの仕事は、実はその大半が「書くこと」でできています。それなのに、文章の書き方を体系的に学ぶ機会はほとんどないまま、私たちは毎日書き続けています。「文章に自信がない」と感じるのは、才能の問題ではなく、単に原則を教わっていないだけです。
伝わる文章は、センスではなく技術で書けます。しかも必要な原則は多くありません。この記事では、当社が1,000本以上の記事制作と経営者300人超への取材で磨いてきた「伝わる文章の基本」を、7つの原則に整理してお届けします。それぞれの深掘り記事へのリンクも用意したので、この記事を目次として使ってください。
原則1:書く前に「誰に・何をしてほしいか」を決める
伝わらない文章の最大の原因は、書き出す前にあります。読み手と目的が曖昧なまま書き始めると、誰にも刺さらない「みんな向けの文章」ができあがります。
1行の設計メモを書いてから始める
本文を書く前に、「この文章は【誰】に【何】をしてもらうためのものか」を1行で書き出してください。「経理の田中さんに、金曜までに請求データを送ってもらう」「見込み客に、無料相談を申し込んでもらう」——ここが決まれば、入れるべき情報と省くべき情報は自動的に決まります。迷ったらこの1行に立ち返る。それだけで文章のブレは大きく減ります。
原則2:結論から書く(PREP法)
ビジネス文章は、結論を最初に置くのが大原則です。読み手は忙しく、最初の数行で「読む価値があるか」を判断します。結論を最後に取っておく構成は、小説では美徳でも、ビジネスでは事故のもとです。
迷ったら「結論→理由→具体例→結論」の順
この並びを型にしたのがPREP法です。「来月から週次会議を30分に短縮することを提案します(結論)。後半は報告の繰り返しが多いためです(理由)。直近の議事録では決定事項はすべて前半30分で出ていました(具体例)。よって30分化を提案します(結論)」——この順番は、報告・提案・メール・口頭説明のすべてで機能します。使い方と例文はPREP法の解説記事で詳しく紹介しています。
原則3:一文を短く、「一文一義」で書く
読みにくい文章には共通点があります。一文が長いことです。「〜であり、〜ですが、〜なので、〜と思います」と接続が続く文は、読み手の頭に負荷をかけます。
60文字を超えたら分割を疑う
- 一文には意味を1つだけ入れる(一文一義)。2つ目の意味が入りそうになったら文を切る
- 目安として60文字を超えた文は、分割できないか確認する
- 「〜することができます」→「〜できます」のように、意味を変えずに削れる表現を削る
短い文は稚拙に見える、という心配は不要です。むしろ短い文を自在に使えることが、文章に自信がある人の証拠です。
原則4:具体的に書く(数字・固有名詞・動作)
「なるべく早めにご対応ください」と「金曜17時までにご返信ください」。「大幅なコスト削減」と「月18時間の作業が4時間になりました」。伝わるのは常に後者です。
抽象語が出たら数字に置き換えられないか考える
「早め・大幅・多数・しっかり・柔軟に」といった言葉は便利ですが、読み手によって解釈が変わります。書いたあとに抽象語を探し、数字・日付・固有名詞・具体的な動作に置き換えられないか確認してください。置き換えられない場合も、「例えば」と具体例を1つ添えるだけで伝わり方が変わります。ただし、数字は正確であることが大前提です。裏付けのない数字を盛ることは、信頼を失う最短ルートです。
原則5:読み手の言葉で書く
専門用語や社内用語は、書き手には自然でも読み手には壁になります。「この言葉は相手の日常語か?」を基準に、言葉を選び直してください。
専門用語は「使わない」ではなく「説明を添える」
専門的な内容を伝えるとき、用語を全部避けると逆に回りくどくなります。正解は、初出の用語に短い説明を添えることです。「RAG(社内文書を参照して回答するAIの仕組み)」のように、括弧で10〜20字の説明を挟むだけで、専門性と読みやすさは両立します。
原則6:見た目を設計する(改行・箇条書き・見出し)
文章は「読まれる」前に「見られ」ます。画面いっぱいの文字の塊は、内容がどれだけ良くても読む前に敬遠されます。
3つの道具で「見た目の壁」を崩す
- 段落:1つの話題ごとに区切り、スマホで3〜4行を目安にする
- 箇条書き:並列の情報は文章で連ねず、リストに逃がす
- 見出し:長い文書は見出しで区切り、拾い読みできるようにする
とくにホームページやブログでは、読者は流し読みが前提です。見出しだけで意味が通る設計、スマホ基準の段落づくりなど、Web特有の技術はWebで伝わる文章の書き方で詳しく解説しています。
原則7:書いたら直す(推敲と校正)
一発で完成する文章はありません。プロほど「直す工程」に時間を使います。書き終えたら、①冗長な表現を削る、②順番を入れ替える、③言葉を言い換える——の順で磨き、最後に誤字脱字と数字・固有名詞を確認します。
「時間を置く」だけで直せる量が倍になる
書いた直後の脳は、自分の文章を「読めて」いません。一晩置く、声に出して読む、スマホで読み直す——読み方を変える工夫で、見えなかった粗が浮かび上がります。具体的な手順とチェックリストは推敲・校正のやり方にまとめました。
場面別の書き方:メール・報告書
7つの原則を場面に落とし込むと、それぞれ定番の「型」になります。
- メール:件名に用件、冒頭に結論、末尾に「してほしい行動と期限」。この3点で返信率が変わります。文例つきの詳細はビジネスメールの書き方の基本へ
- 報告書:読み手が知りたいのは「結果→影響→対応」の順。時系列で書きたい気持ちを抑え、結論から並べ替えます。テンプレートはわかりやすい報告書の書き方へ
AI時代の文章術:分担すれば両方が速くなる
生成AIの登場で、「書く仕事」は大きく変わりました。ただしAIに丸投げした文章は、当たり障りがなく、ときに事実を間違えます。実務での最適解は分担です。
- AIに任せる:下書き・構成案・言い換え候補・誤字チェック。メールの下書きや提案書のたたき台は特に相性が良い領域です
- 人が握る:目的の設定(原則1)、事実確認、最終的な言葉選び。AIの出力を見抜き、直せる力は、結局この記事の7原則そのものです
AIで書くときの品質・著作権・SEO上の注意点はAIで記事を書くときの注意点で詳しく解説しています。
まとめ:7つの原則は「読み手への思いやり」の技術
伝わる文章の基本を振り返ります。
- 原則1:書く前に「誰に・何をしてほしいか」を1行で決める
- 原則2:結論から書く(PREP法)
- 原則3:一文を短く、一文一義
- 原則4:数字と固有名詞で具体的に
- 原則5:読み手の言葉で書く
- 原則6:見た目を設計する
- 原則7:書いたら直す
どれも特別な才能を要しません。共通しているのは「読み手の時間と理解に対する思いやり」です。まずは今日書くメール1通で、原則1と2だけ試してみてください。効果を実感したら、残りの原則を1つずつ足していけば、3ヶ月後の文章は別人のものになっています。
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