「トリプルメディア」とは、Webメディアを「オウンドメディア」「ペイドメディア」「アーンドメディア」の3つに分ける考え方です。各メディアの種類や役割を身につけると、最適なマーケティング戦略の構築に役立ちます。
本記事は、「トリプルメディアの意味を知りたい」「3つのメディアの違いを知りたい」という方に向けて、トリプルメディアの概要や3つのメディアの種類・役割を解説します。さらに、トリプルメディアの相乗効果や活用方法も紹介します。
Webメディアを効果的にマーケティング戦略に組み込みたい方も、ぜひ最後までご覧ください。
トリプルメディアとは「メディアを3つに分けて効果的に運用する」こと
トリプルメディアとは、Webメディアを「オウンドメディア」「ペイドメディア」「アーンドメディア」の3つに分ける考え方です。
まずは以下の表で、各メディアの役割、特徴、種類、注意点を確認しましょう。
<トリプルメディアの役割や特徴>
オウンドメディア | ペイドメディア | アーンドメディア | |
主な役割 | ・企業ブランドの構築 ・信頼性の向上 | ・商品やサービスの認知拡大 | ・ターゲット層との関係構築 ・信頼性の向上 |
特徴 | ・企画から発信まで、自社で自由に決定できる | ・新商品やサービスのプロモーションなどの短期集中型の集客が得意 | ・ターゲット層と双方向のコミュニケーションができる ・短期から長期まで運用可能 |
種類 | ・Webサイト、ブログ、メールマガジンなど | ・リスティング広告、SNS広告など | ・Instagram、Twitter、YouTubeなどのSNS全般 ・口コミサイトなど |
注意点 | ・コンテンツ制作に一定のコストがかかる ・中長期的な運用が前提となる | ・表示回数やクリック回数に応じて費用が発生する ・運用期間によって費用が上下する | ・ユーザーが興味を持つ発信が不可欠 ・ユーザーの投稿内容を企業がコントロールできない |
続いて各メディアの詳しい内容を解説します。
オウンドメディアの役割
オウンドメディア(Owned Media)の「Owned」とは「所有する」を意味する英単語です。つまりオウンドメディアとは、自社が保有し管理・運営しているメディアを指します。
オウンドメディアの役割は、自社が提供している商品やサービスの魅力をターゲット層に発信して、最終的な購買率を高めること。
ブログ、メールマガジン、Webサイト(コーポレートサイト)、ECサイトなどを通じてターゲット層にアプローチします。
オウンドメディアは自社が運用するメディアのため、「何を発信するか」「どのように発信するか」を自由に設定できます。そのため自社の目的や課題に合わせた配信ができる点が大きな特徴です。
一方で、ニーズが顕在化していない「潜在顧客」へのリーチは不得意なため、新商品や新サービスを展開する際は、ペイドメディアを併用するのがよいでしょう。
ペイドメディアの役割
ペイドメディア(Paid Media)とは、広告費用を支払って自社の広告を掲載するメディアを指します。
新商品や新サービスのプロモーションなど、自社の認知を短期間で拡大したいときに効果的です。
テレビ、ラジオ、新聞といった手法のほかにも、リスティング広告やアフィリエイト広告といったWeb広告がペイドメディアに該当します。
ペイドメディアは、広告を出稿すればすぐにターゲット層にアプローチできるため、即効性を期待できるメディアです。ユーザー数の多いメディアを選べば、顕在顧客はもちろん、潜在顧客にも効果的にアプローチできるでしょう。
ただし、運用期間に比例して広告費用が発生するため、長期的な運用には向きません。また「顧客の購買欲が育ちにくい」という弱みもあります。
ペイドメディアを運用する際は、後述の「トリプルメディアの連携効果」を利用して、効果的にターゲット層にアプローチするのがよいでしょう。
関連記事:Web広告とは?種類やメリット、課金方式と運用方法について解説
アーンドメディアの役割
アーンドメディア(Earned Media)とは、自社の顧客層やSNSのユーザーが自主的に情報発信しているメディアを指します。
アーンドメディアの主な役割は、自社イメージの向上や提供する商品・サービスに対する信頼性獲得です。
アーンドメディアの一例がこちらです。
- ブログ
- 個人ブログ
- 口コミ・レビューサイト
- 掲示板
- YouTube動画
アーンドメディアでは、企業側ではない第三者が自発的に情報を発信しているため、ユーザーからの信頼性が高いという特徴があります。アーンドメディアでの評価がそのまま売上に直結するケースも少なくありません。
したがって、好意的な情報が拡散されればブランドイメージや企業イメージの向上といった好影響も期待できます。
しかしアーンドメディアでは、企業側が発信されている内容をコントロールすることはできません。情報発信者と自社の間に取引関係がなく、発信者側は自由に発信できるからです。
そのため批判や誹謗中傷が発生して企業イメージがダウンしないように、「炎上」には注意が必要でしょう。
アーンドメディアをマーケティング戦略に組み込む場合は、根拠のない悪評などが掲載されていないか、メディアの内容を定期的にチェックしてください。
トリプルメディアの相乗効果と活用方法について
マーケティング活動を効率的に展開するために、3つのメディアを組み合わせて相乗効果を狙いましょう。
オウンドメディア、ペイドメディア、アーンドメディアは、単独で利用しても十分な効果を期待できるメディアですが、3つのメディアを組み合わせると長所をさらに生かすことができます。
自社が新商品や新サービスを展開するケースを例に挙げてみましょう。
はじめにペイドメディアに広告を出して、ターゲット層の認知を拡大。短期間でより多くの顧客に認知できるというペイドメディアの特徴を生かします。
ペイドメディアで認知を拡大できたら、ターゲット層の購買意欲を促進するためにオウンドメディアを組み合わせましょう。
オウンドメディアは自社が管理運用しているメディアです。商品やサービスを訴求するコンテンツを提供し、魅力を効果的に伝えながら双方向のコミュニケーションの中で顧客の販売意欲を高めます。
ユーザーに効果的なアピールができたら、アーンドメディアを通じてターゲット層や潜在顧客層にもアプローチ。アーンドメディアのユーザーに情報を発信してシェアしてもらうことで、さらに販売経路を拡大していくのです。
以上の活用方法は、あくまでトリプルメディアの一例ですが、このように各メディアを組み合わせることで、効果的な販売戦略につながります。
トリプルメディアを効果的に運用して安定した企業経営を
トリプルメディアとは、Webメディアを「オウンドメディア」「ペイドメディア」「アーンドメディア」の3つに分ける考え方。
メディアを分けて考えることで、役割や特徴をしっかり把握できるようになるため、自社に最適なマーケティング戦略を立てられるようになるでしょう。
その中でも、オウンドメディアはマーケティング戦略の柱となる施策です。なぜなら自社の自由に情報を発信できる上に、中長期的な運用も可能なためです。
オウンドメディアの運用が軌道に乗れば、ペイドメディアにかかる広告費を節約できたり、アーンドメディアと組み合わせてさらに顧客層を拡大したりと、効果的なマーケティング施策を展開できるでしょう。
ただし、オウンドメディアを効果的に運用するためには、運用目的やメリットデメリットを正しく把握することが大切です。
オウンドメディアの目的やメリットデメリット、具体的な作成方法を知りたい方は、引き続きこちらの記事をご覧ください。
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