SNSマーケティングは、スマートフォンが普及し始めた2010年ごろから注目されるようになったWebマーケティング手法のひとつです。コロナ禍により、対面営業の機会が減って顧客との関係性が築きにくくなった今、BtoB企業であってもSNSマーケティングに力を入れるべきです。
今回の記事では、BtoB企業にSNSマーケティングをおすすめしたい理由と、具体的な活用方法について解説します。
【 この記事のポイント 】
- SNSマーケティングの担当になったが何をすべきかわからない
- SNSマーケティングの基本的な知識を知りたい
- SNSマーケティングに取り組みたいが失敗したくない
SNS市場の最新の動向と各SNSの特徴も合わせて紹介しているので、SNSマーケティング導入予定のご担当者さまはぜひ参考にして下さい。
SNSマーケティングとは「拡散ビジネス」
SNSマーケティングは、Twitter、Instagram、Facebookなどのプラットフォームにコンテンツを投稿して、顧客を獲得する手法です。
SNS内に広告を表示する方法も有効ですが、SNSマーケティングを取り入れる最大の効果は「拡散力を狙う」こと。
一つの発信した内容が、何十人、何百人、時には何十万人に広がるチャンスがあり爆発的な拡散力を持っています。
SNSマーケティングは「多くの人にコストを抑えて情報を届ける」新しい顧客獲得の手法です。
企業がSNSマーケティングに力をいれるべき理由
SNS=個人と思われがちですが企業、特に中小企業など「もっと認知度を上げたい!」と考えている企業こそやるべき手法です。
BtoBマーケティングは営業マンが顔で売る時代から、認知から決裁まで全てオンラインで完結する時代になりました。
テレビは見ない、新聞は取らない、雑誌を買わない人が増え、2021年にはインターネット広告費がマスコミ四媒体広告費を超えています(※)。
またBtoB市場は購買プロセスが多く経理担当者、総務など決裁権のある経営陣に情報が届くまで時間がかかるため、継続的なアプローチが必要です。
SNSマーケティングを活用すれば何度も営業マンが顔を出し信頼を得るよりも、ネット上でアプローチを続けることができます。
※2021年 日本の広告費 – News(ニュース) – 電通ウェブサイト
SNSマーケティングの5つの特長
SNSマーケティングには他のマーケティングにはない特徴があります。
拡散力がある
第一に挙げられるのが「拡散力」です。
WebサイトやWeb広告にはない「シェア機能」があるため、上手くいけば一つの投稿で何万〜何十万人に拡散するチャンスがあります。
また、リアルタイムでの利用者が多いので情報伝達が速く、キャンペーンやセールの告知も効果的です。
マス広告より費用がかからない
新聞・雑誌・テレビ・ラジオのマスコミ四媒体に(マス広告)広告を出せば10〜100万円以上の費用がかかりますが、SNSマーケティングは初期費用0円から始められます。
受発信する内容は、テキストだけでなく画像や動画を組み込んだ場合でも料金はかからず、担当するスタッフの人件費しかかかりません。
大きな初期投資なしで始められランニングコストもかからないので、導入リスクが低く長期運用しやすいマーケティング手法です。
営業する労力を節約できる
SNSは情報を受け取った人が営業マンの代わりをやってくれるようなものなので、こちらからピンポイントに営業する労力を節約できます。
SNSに投稿すればこれまで行っていたテレアポ、DM送付、展示会、など商品やサービスを認知させる活動と同じ、もしくはそれ以上の効果が期待できます。
サービスや商品購入まで完結するコンテンツもあり、認知されてから購入までの時間が短いことも大きなメリットです。
経営陣の目にも止まりやすい
経営陣も個人です。SNSをやっていない人はおそらくいません。SNSで拡散された情報が直接目に留まる可能性は十分にあります。
これまでのように何度も訪問を繰り返し顔を覚えてもらって信頼関係を築かなくても、SNSのプロフィールや投稿をお互いに見ることで、パーソナルな情報がわかり「信頼・信用」につながる可能性もあります。
顧客がファン化しやすい
SNSマーケティングは拡散力と合わせて顧客のファン化が狙えます。
企業の担当者とDMやリプライ機能で直接つながるので、企業と顧客の距離が縮まり親近感を形成しやすいのです。
また、企業アカウントをフォローしている理由のトップは「キャンペーンを行っている(いた)」からという結果もあり、見込み顧客だけに送るDMよりはるかに費用対効果が高いことが分かります(※)。
※企業の公式SNS アカウントをフォローする理由【データで読み解く】 – MarkeZine Stock:MarkeZine(マーケジン)
SNSマーケティング7つのプラットフォームと特長
SNSマーケティングで使われるプラットフォームは主に7つです。
それぞれに特徴があるので、自社が狙いたい層や市場に合わせて選びましょう。
1.拡散力があるTwitter
Twitterはユーザー数が多く国内約6,000万人が利用しているプラットフォームです。
もともとは「ツイート(つぶやく)=発信」するツールでしたが、発信せずに「情報収集」「検索」「拡散」だけに使っているアカウントも多く見られます。
またリアルタイム性も強く「今」を知れるプラットフォームなので、キャンペーン情報を告知するなど期間限定の情報を配信するのもおすすめです。
関連記事:企業がTwitterをマーケティングに活用する6つのポイントを解説
2.ブランディングに強いInstagram
Instagramは画像を使った企業のブランディングに向いています。画像がメインのSNSなので、新商品や企業イメージにつながる写真など「見て楽しむ」ツールです。
興味を引く画像を作る工夫が必要なので、テキストのみのコンテンツより時間と手間がかかることは認識しておきましょう。
InstagramにShopの機能がリリースされ、見た人がダイレクトに購入できるようになったので、売り上げUPも期待できます。
関連記事:Instagramマーケティングの基礎知識とメリットデメリット
3.信頼度重視はFacebook
Facebookは唯一実名登録が必須のSNSで、アカウント=信頼につながります。
他SNSよりもビジネス色が強く、企業のアカウントには経営者の顔写真が掲載されていることも多く見られます。
20代の若者層よりも30代〜50代のビジネス層の利用が多く、プライベート色が強いLINEよりもオフィシャルな印象です。
関連記事:Facebookマーケティング成功の秘訣は?インスタ併用の活用術も解説
4.ファンを獲得Youtube
Youtubeは世界で20億人以上、国内では7,000万人を超える利用者がいる動画共有型のプラットフォームです。
Youtubeは、InstagramやTiktokのような若者層だけでなく年代問わず利用者が多いので、ビジネス活用に向いています。
テキストや画像では商品の特長を羅列するくらいに限られますが、Youtubeなら企画ものやコラボレーションなどエンタメ色が強くファン化につながります。
関連記事:企業担当者必見! Youtubeマーケティングの基礎知識とポイントを解説
5.想いが伝わるnote
noteはテキストが主体で、本や日記のように読み物として楽しまれているプラットフォームです。
ブログよりもシンプルなフォーマットで、会社の取り組みやスタッフの人となりを紹介したり、商品のコンセプトをしっかり伝えられます。
Twitterとの相性が良く、140文字で伝えきれなかった内容の続きをnoteで紹介する使い方がおすすめです。
関連記事:noteは企業のストーリーマーケティング。理由と活用方法を解説
6. ファンを育てるLINE
LINEの存在はSNSを超えてライフラインに近く、ユーザー数が最も多いSNSです。
拡散を目的とした不特定多数へのアプローチより、DMやメルマガのような見込み客や既存顧客へのアプローチに役立ちます。
まずはTwitterやInstagramで見込み顧客を集め、LINEへ誘導しファン化させるという導線を目指すこともできます。
関連記事:LINEマーケティングをBtoBで成功させる3つの活用方法を解説!
7.今注目のSNSはショート動画のTikTok
最近のSNSマーケティングのトレンドはTiktokやYoutubeショート、Instagramリールなどのショート動画です。
30秒〜3分の動画は、通勤途中や休憩時間のちょっとしたスキマ時間に目が留まりやすく、視聴の時間も丁度いいコンテンツです。
テキストや画像よりも、商品イメージや実際の使い方やサイズ感が伝わりやすくインパクトがあります。
投稿作成には多くの時間と工夫が必要ですが、情報にエンターテイメント性が加わるため思わぬことで「バズる(拡散される/話題になる)」可能性もあり、注目度が高いです。
関連記事:TikTokマーケティング活用3つのメリットとポイントを解説します
SNSマーケティング運用の注意点
SNSマーケティングは費用もかからず簡単に始めることができますが、運用していくにはいくつかの注意点があります。
負担なくスタートするためには、まずは以下の二点を押さえておきましょう。
アカウントの目的をはっきりさせる
SNSには「ブランディング」と「集客」の要素があるので、運用するアカウントの目的をどちらにするのか決めてからスタートしましょう。
ブランディングには企業名や経営者のアカウント、集客はスタッフのアカウントにするなど目的別に投稿の内容も変えるといいですね。
また、経営者やスタッフのアカウントは人間味があり親しみやすいものにするとファン化しやすくそこから集客→売り上げにつながりやすいですよ。
工数をかけ過ぎず無理なくはじめる
テキストだけにするのか、ショート動画も盛り込むのかによっては、かかる工数が異なります。
また更新頻度は定期的にしたほうがターゲット層の目に留まりやすくなるので、無理のない頻度で同じ時間や曜日に投稿しましょう。
SNSマーケティングは続けることで成果が出るので、最初から無理をして作り込み過ぎると継続が厳しくなります。
「予約投稿機能」を使い投稿する内容をストックし自動で発信するなど、負担の無い運用を心がけましょう。
SNSマーケティングを企業のブランディングに活用しよう
Twitterの国内登録者数は約6,000万人、LINE利用者は国内9,200万人。
SNSは企業のマーケティング担当者だけでなく、決裁権のある経営陣、社長も使っています。休日でもプライベートでも、常に動いています。
導入を検討している担当さまは、まずはベンチマーク企業が運営しているSNSがどのような投稿をしているのかを見ることから始めてみましょう。
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