KGI・KPIとは?違い・設定する意味・具体例を解説

KGIとKPIは、ビジネスの現場において混同されやすい指標です。KGIとKPIは意味や見た目も似ているため「違いがよくわからない」とお困りの方。また「具体例を教えてほしい」「設定する意味を知りたい」という方もいらしゃると思います。

そこで本記事では、KGI・KPIの概要と、両者の違いについてそれぞれ具体例を挙げて解説します。さらにKGI・KPIを設定する意味や注意点もまとめましたので、基本知識を押さえたい方はぜひ参考にしてください。

KGIとは企業が達成したい目標

KGIとは、Key Goal Indicator(キー・ゴール・インディケイター)の略称で、直訳すると「重要目標達成指標」となります。

「売上の向上」「市場シェア率の拡大」といった企業が達成したい最終的な目標を設定する指標です。

企業が達成したいゴールを示すものと言ってもよいでしょう。

KGIは最終的な目標を意味するため、設定する数は基本的に1つです。また、企業がBtoBであるかBtoCであるかに関わりなく設定できます。

KGIの具体例

KGIの具体例がこちらです。

  • 1年後に売上〇〇億円を達成する
  • 半年後に市場シェアを〇〇%拡大する
  • 1年後に利益率を〇〇%にする
  • 月間成約件数を〇倍にする

KGIでは具体的な数値を設定することが重要です。

具体的な数値を設定することで、目標が具体的になるため、従業員が一丸となって目標達成に取り組めるようになります

KPIとは進捗状況や達成度を観測できる指標

KPIとは、Key Performance Indicator(キー・パフォーマンス・インディケイター)の略称で、直訳すると「重要業績評価指標」となります。

企業の目標達成に重要な項目について、進捗状況や達成度を確認するために使用する指標です。

KPIは、最終的な目標達成に対する中間目標としても効果を発揮します。

KPIの設定数に決まりはないため、目標達成に必要だと感じる項目について企業が自由に決められます。

KPIの具体例

KPIは、KGIに合わせて設定します。

例えば、売上高をKGIに設定した場合、以下のようなKPIが効果的でしょう。

  • 成約数を〇〇件アップさせる
  • 受注率を〇〇%アップさせる
  • 営業職部門で〇〇円の売上を上げる

仮に「オウンドメディアの問い合わせ数アップ」といったKGIを設定した場合、以下のようなKPIが有効と考えられます。

  • PV数
  • ユニークユーザー数
  • SNSのシェア数
  • 直帰率

KGI・KPIの違い

KGIは企業が達成したい最終的な目標を指します。

一方のKPIは、KGIを達成するまでの過程を確認できる指標であり、中間目標とも捉えられます。

つまり、「年間〇〇億円の売上高を上げる」といった企業のゴールがKGIであり、KGIを達成するために、企業の各部門に設定される業績目標がKPIです。

KGI・KPIを設定する意味

KGIとKPIを設定する意味について解説します。

やるべきことが明確になる

KGI・KPIを設定するとやるべきことが明確になり、企業の生産性向上につながります

はじめに「年間売上〇〇円達成」「コンバージョンを〇〇件アップさせる」といったKGIを設定することで、企業がやるべきことが明確になります。

続いて、「受注件数〇〇%アップ」「PV数を〇〇件獲得」といったKPIを設定することで、各部門のやるべきことも明確になるはずです。

その結果、企業の各部門が取り組むべき業務が明確になり、モチベーションの維持・向上につながります。

優先順位をつけやすくなる

やるべきことが明確になると、業務の優先順位がつけやすくなります。

例えば、プロジェクトチームに対して「受注件数〇〇%アップ」というKPIを設定すれば、「今は受注コストを下げるよりも受注獲得に注力すればいい」などと、優先順位をつけられるようになるでしょう。

反対に、KGIを設定せずに「とにかく昨年度よりも売上を上げよう」と従業員に提案した場合、「具体的に何をすればいいのかわからない」と、方向性が定まらなくなってしまいます

KGIという大きな目標を達成するためには、働く従業員の意思統一を図ることが重要です。

KGI・KPIを運用する際の注意点

KGIとKPIを運用する際の注意点は以下の通りです。

定量的な目標を設定する
KGIとKPIを関連付ける
KPIを細分化し過ぎない

それぞれ解説します。

定量的な目標を設定する

KGI・KPIには定量的な目標を設定することが重要です。

定量的な目標とは、数値や数量で表せる目標を意味します。

例えば「売上を上げよう」と伝えるよりも「昨年より〇〇万円売上増を目指そう」と伝える方が従業員は具体的なイメージを持てますよね。

同様に、「とにかく顧客満足度を高める」「従業員が働きやすい職場環境を構築する」などの目標もその内容が曖昧なため、従業員の方向性を一致させるのが困難になります。

そこで、「何を」「いつまでに」「どのくらい」達成するのかがわかるように、定量的な目標をKGI・KPIに設定しなくてはいけません。

「今年度の売上高を前年比110%の10億円にする」「平均10段階で6であった顧客満足度を、半年後に7に上昇させる」といった内容にすると、目標が明確になり従業員にも伝わるKGI・KPIとなります。

KGIとKPIを関連付ける

KGIとKPIが同じ方向を向いていないと、KPIを順調に達成しているのにKGIに成果が反映されないという事態につながってしまいます。

KGIとKPIは必ず関連付けるようにしましょう。

KGI:企業が達成したい目標
KPI:進捗状況や達成度を観測できる指標

例えば、「市場シェア率を〇〇%アップさせる」というKGIに対しては、市場シェア率をアップさせるために重要な項目(=KPI)を設定してください。

現実的に実現可能な数値になっているかどうかもチェックすれば、従業員のモチベーション管理にもつながります。

KPIは細分化し過ぎない

KPIの設定は細分化し過ぎないようにご注意ください。

細分化し過ぎると、目標達成が困難になり従業員のモチベーションが低下するだけでなく、KPIの達成だけを目的に行動してしまう可能性があるので注意が必要です。

例え内容が細かくても、従業員が理解しやすく納得できるのであれば、問題はありません。

例えば「成約数を〇〇件アップさせる」「受注率を△△%アップさせる」といったKPIを設定した場合、以下のように細かく分けることが可能です。

  • アポイント件数
  • リピート数やリピート率
  • 個人の成約数や成約率

こちらのKPIならば、従業員も不満なく受け入れてくれるでしょう。

しかし、「月間〇〇件のアポイントを獲得する」というKPIをさらに細分化して、「週間〇〇件のアポ獲得」「1日〇〇件のアポ獲得」とすると、KPI達成だけが仕事の目標になってしまうおそれがあります。

企業の生産性を低下させないためにも、KPIの項目を重要な項目のみに絞りましょう。

KGI・KPIの違いを知って自社の利益を最大化させる

KGIとは、「重要目標達成指標」と直訳される企業が達成したい最終的な目標を設定する指標です。

KPIとは、「重要業績評価指標」と直訳される進捗状況や達成度を確認するために使用する指標です。

両者を組み合わせて設置することで、企業の生産性向上につながり、結果的に企業利益も最大化されるでしょう。

本記事を参考にしていただき、ぜひ自社に適切なKGIとKPIを設定してください。

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