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カスタマージャーニーとは?まずは正しく定義する
カスタマージャーニーは、顧客が認知→興味→比較→購入→利用→継続/推奨に至る一連の行動・思考・感情を「旅」に例えて整理する考え方です。
その旅路を時系列×タッチポイントで可視化したものがカスタマージャーニーマップ(CJM)。作って終わりではなく、継続的に更新して精度を上げます。
UI/UXとジャーニーの関係
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UI:画面や導線など“接点”の使いやすさ
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UX:目的達成までの体験価値
ジャーニーは、複数のUI/接点を連続体験として設計し、全体のUXを最適化するためのフレームです。
なぜ今、カスタマージャーニーが重要なのか
1. 購買経路の多様化
SNS・検索・比較サイト・レビュー・実店舗・アプリが入り乱れる時代。一本道のファネルでは捉えきれません。
2. サブスク/スイッチング容易化
解約・乗り換えが簡単だからこそ、購入後の利用体験~継続までを一貫して設計する必要があります。
3. AI活用で精度とスピードが上がる
行動ログやVOCを生成AIで要約・クラスタリングし、“今”の顧客行動に合わせてマップを迅速に更新できます。
AI時代のカスタマージャーニー:できること
データ統合と洞察抽出
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GA4/CRM/CSログ/レビューをLLMで要約し、離脱理由・感情を抽出
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経路分析やクラスタリングで**実在パターン(マイクロジャーニー)**を発見
シナリオ生成とパーソナライズ
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ペルソナ別/状況別にメール・LP・FAQ・チャットスクリプトを自動生成
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**次最適アクション(NBA)**や推奨コンテンツを動的出し分け
継続改善の自動化
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見出し/CTA/導線の多変量テスト案を量産
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成果ログを学習し、勝ちパターンをデザインシステム化
注意:AI出力は一次情報で裏取りし、プライバシー・セキュリティ・同意管理を順守。
カスタマージャーニーマップの目的と効果
目的1:顧客理解の深掘り
タッチポイントごとの行動・感情・期待・障害を可視化し、真因に迫る。
目的2:戦略の一体化
マーケ・営業・CS・開発が共通言語で議論。意思決定が速くなり、施策の連携が進む。
目的3:優先課題の特定
フェーズ別に**KPIと摩擦(フリクション)**を並べ、インパクト×実行難度で優先順位を明確化。
作り方(基本の3ステップ+運用)
ステップ1:ゴールを決める
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BtoC例:カゴ入れ→購入完了率、初回購入→リピート率
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BtoB例:資料DL→商談化率、トライアル→有料化率
North Star指標(最重要成果)とフェーズ別KPIを定義。
ステップ2:ペルソナ×JTBDを設定
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属性だけでなく**JTBD(雇われている仕事)**を明確化
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既存顧客のデータをAI要約し、実在する行動/動機を反映
ステップ3:マップに落とす(横:フェーズ/縦:要素)
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フェーズ:無関心/認知/興味・関心/情報収集/比較・検討/購入/オンボーディング/継続・推奨
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縦軸:タッチポイント・行動・感情/期待・障害・指標・施策仮説
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**瞬間真実(Moment of Truth)**を特定し、摩擦を解消する打ち手を並べる
運用:計測→学習→更新
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週/隔週でKPIレビュー→仮説更新
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勝ち施策は標準化(ガイド/コンポーネント化)、負け施策は停止
サンプル:BtoC(EC)ジャーニーの要点
認知~比較
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接点:SNSリール/検索/比較サイト/UGC
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障害:価格不安/サイズ不安/返品不安
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打ち手:サイズ診断・返品無料・翌日配送の可視化、レビューの画像比率UP
購入~オンボーディング
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接点:カート/決済/発送通知/開封体験
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障害:フォーム長い/到着遅延/初期不良
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打ち手:ゲスト購入・1クリック決済、配送追跡、開封ガイド動画
継続~推奨
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接点:リピート提案/メンバーシップ/CS
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指標:リピート率・NPS・紹介率
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打ち手:購入後レコメンド、レビュー依頼、リワード設計
サンプル:BtoB(SaaS)ジャーニーの要点
認知~検討
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接点:SEO/ホワイトペーパー/ウェビナー/コミュニティ
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障害:稟議・セキュリティ・移行工数
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打ち手:比較表・ROI/TCO計算・セキュリティ白書・導入ロードマップ
トライアル~有料化
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接点:オンボードメール/プロダクト内ガイド/CS
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指標:初回価値体験(Aha moment)到達率、活性度、課金化率
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打ち手:チェックリスト・対話型チュートリアル・目標テンプレ・伴走CS
継続~拡張
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指標:週/⽉アクティブ、機能採用率、解約率、拡張売上
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打ち手:ヘルススコア×NBAでプロアクティブ支援、ケーススタディ共創
KPI設計:HEART×AARRRで“体験”と“成長”を両立
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HEART:Happiness/Engagement/Adoption/Retention/Task success
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AARRR:Acquisition/Activation/Revenue/Retention/Referral
例)「トライアル→有料化」を伸ばす -
Task success(設定完了率)↑、Activation(初回価値体験)↑、Retention(翌週再訪)↑を同時に追う。
よくある失敗と回避策
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理想の顧客像だけで作る → 実データ・実発話を必ず反映
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静的な一枚絵で終了 → 週次で更新し、勝ち施策を仕組みに落とす
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部門最適の寄せ集め → North Starと優先順位ルールで全体最適
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PV偏重の評価 → **フェーズKPI(CVR/商談化/継続率)**で評価
90日で立ち上げ:実装ロードマップ(AI活用)
0–30日:診断と設計
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既存データ(GA4/CRM/CS)+VOCをAI要約
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ペルソナ×JTBD×フェーズ定義、North Star/KPI決定
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主要フローの摩擦Top3を特定
31–60日:プロトタイプと実験
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CJM初版を公開し、AB/多変量テストを開始
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生成AIでLP/メール/FAQ/マイクロコピーの案を量産
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勝ち案をデザインシステム/運用手順に反映
61–90日:オーケストレーション
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**パーソナライズ配信(NBA)**を導入
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ダッシュボードでフェーズ横断のKPIを可視化
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CJM v2を発行し、四半期ごとに更新を定例化
作図テンプレ(項目例)
列(横):無関心/認知/興味・関心/情報収集/比較・検討/購入/オンボーディング/継続・推奨
行(縦):タッチポイント|行動|感情・期待|障害|指標(KPI)|打ち手|所有部門|優先度
コンプライアンスと計測の要点
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同意管理(オプトイン)、プライバシーポリシーの整備
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クッキーレスを見据えたサーバーサイド計測/同意モード
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データ最小化と役割ベースのアクセス制御で信頼を担保
まとめ:AIで“動的に進化する”ジャーニー運用へ
カスタマージャーニーは、顧客の現在地を正しく捉え、次の一歩を迷わせない設計図。
AIを用いれば、洞察抽出→施策生成→検証→標準化の速度が上がります。静的な一枚絵ではなく、生きた運用資産として四半期ごとにアップデートしましょう。
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AI×編集×計測で、CJMの設計から実装・内製化までを支援します。
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ペルソナ/JTBD設計、CJM作成、北極星KPIの定義
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生成AIによるコンテンツ/シナリオ量産とAB運用
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ダッシュボード構築、部門横断の運用設計
まずは課題と目標をお聞かせください。