カスタマージャーニーマップの作り方。メリットや注意点も合わせて解説

「カスタマージャーニーマップの作り方を知りたい」「作成するメリットや注意点などはあるの?」といった悩みを抱えている人も多いでしょう。

結論、カスタマージャーニーマップに正解はなく企業によって最適な形は異なります。ただ、とは言っても参考例がなければどうやって作るのか見当も付きませんよね。

そこで本記事ではカスタマージャーニーマップの作り方について段階的に分かりやすく解説していきます。本記事で分かる内容は以下の通りです。

  • そもそもカスタマージャーニーマップとは
  • カスタマージャーニーマップの作り方
  • カスタマージャーニーマップを作成する際の注意点
  • カスタマージャーニーマップを作る必要性

カスタマージャーニーマップとは

カスタマージャーニーマップとは、商品・サービスの存在を顧客が認知してから購入するまでの過程(カスタマージャーニー)を図にまとめて可視化したものです。各過程において顧客がどのような感情を抱き何を悩んでいるのかも合わせて記入します。

おそらく自社の商品を顧客が「どのように知って」「どのような経緯で購入したのか」を明確に言語化できる人は多くないでしょう。

カスタマージャーニーマップを作成することによって、そういったなんとなくの「イメージ」で捉えていたものを明確化できるようになるでしょう。

とは言っても具体的にどうやって作るのかイメージできない人も多いですよね。まずは下記に添付したカスタマージャーニーマップのテンプレート例をご覧ください。

large-カスタマージャーニーマップ1

注意点としてカスタマージャーニーマップに正解はありません。

目的は「顧客の行動を可視化して、各過程における課題や対策を明確化させること」です。

つまりテンプレートをそのまま使うだけでは不十分な場合は、項目を追加したり書き換えたりして利用してください。

関連記事:カスタマージャーニーとは?初心者向けにメリットや目的も解説

カスタマージャーニーマップの作り方は7ステップ

カスタマージャーニーマップは以下のステップで作成します。

  1. ペルソナを作成する
  2. 横軸を定める
  3. 縦軸を決める
  4. ユーザーの行動を整理する
  5. ユーザーのタッチポイントを整理する
  6. ユーザーの思考・感情を整理する
  7. ユーザーの課題を整理する

それぞれ詳しく解説していきます。

ステップ1. ペルソナを作成する

カスタマージャーニーマップを作るにあたって、まずは自社のターゲットとなる「ペルソナ」を決めるようにしましょう。

ペルソナとは自社の顧客の特徴を正確にイメージした「仮想の人物」のことです。どこまで細かくペルソナを設定するのかは人によって異なります。

年齢や性別だけではなく家族構成や年収、趣味や性格まで非常に細かく設定する人もいますが、扱う商材によってはそこまで細かく設定する必要はないでしょう。

特にBtoB商材であれば性格や家族構成まで設定しなくても、「年齢や性別、職業や役職レベル」まで決めておけばそこまで支障が出るとは思いません。

ペルソナを設定することによってカスタマージャーニーの各過程においての感情や悩みなどが明確化しやすくなるでしょう。

ペルソナについての詳しい内容は下記の記事をご覧ください。

関連記事:ペルソナの作り方を具体的に解説!メリットや注意点も紹介

ステップ2. 横軸を定める

large-カスタマージャーニーマップ1

まずはカスタマージャーニーマップの「横軸」を決めましょう。今回は以下の5つの軸を定めてみました。

  1. 認知:ユーザー商品を認知した時
  2. 情報収集:商品の情報について調べている時
  3. 比較検討:自社以外に他社と比較検討している時
  4. 購入:実際に自社商品を購入した時
  5. 継続利用:購入後に継続利用しようか検討している時

横軸については商品や目的によって異なります。

例えば継続利用の可能性が限りなくゼロに近い商品の場合、横軸に「継続利用」の項目を設定する必要はありません。

カスタマージャーニーマップ全体として言えることですが、自社に適切な形に改良して利用しましょう。

ステップ3. 縦軸を決める

large-カスタマージャーニーマップ1

次に縦軸を定めていきましょう。縦軸に関してはある程度どの業界でも同じような項目が利用できるため、ぜひ参考にしてみてください。

  1. 行動:ユーザーがとる行動
  2. タッチポイント:ユーザーと接点を持つタイミング
  3. 思考・感情:ユーザーの考えや感情
  4. 課題:ユーザーの悩み

ステップ1で作成したペルソナの情報を踏まえて、各過程における上記の4項目を以降のステップで設定していきます。

もちろん上記の4つ以外にも必要項目があれば随時追加して利用しましょう。

ステップ4. ユーザーの行動を整理する

このステップから実際にカスタマージャーニーマップの各過程における縦軸項目を考えていきます。

まずは縦軸の「行動」について整理していきましょう。今回は分かりやすくアパレルブランドAにおける「レザージャケット」について考えてみます。

  • 認知:インフルエンサーがInstagramにレザージャケットの着用画像を上げていて興味を持った
  • 情報収集:実際にそのレザージャケットの素材やサイズをネットで探した
  • 比較検討:他のブランドで同じようなものがないか、もしくは似ているジャケットでより安い可能性はないか探した
  • 購入:オンラインショップで購入した
  • 継続利用:実際に着用したところ、非常に気に入ったので他の商品も欲しくなった

今回は各過程において1つずつ例を記載しましたが、実際には思いつく限り何個でも出しておくのをおすすめします。

ステップ5. ユーザーのタッチポイントを整理する

タッチポイントとはユーザーが行動を起こした「場所」を意味します。Web上であればWebサイトやSNSが該当し、オフラインであれば店頭や展示会などが考えられるでしょう。

先ほどと同じ例におけるタッチポイントの例は以下の通りです。

  • 認知:Instagramのタイムライン
  • 情報収集:自社のECサイト
  • 比較検討:ZOZOTOWNや他社のECサイトなど
  • 購入:自社サイトや店頭など
  • 継続利用:自社サイト、SNSなど

タッチポイントに関しても1つに絞る必要はありません。各過程における考えられる「場所」についてできる限り列挙しましょう。

ステップ6. ユーザーの思考・感情を整理する

同じ例における各過程の感情については以下の例が挙げられます。

  • 認知:「かっこいい」「おしゃれ」など
  • 情報収集:「素材も良い」「値段は少し高いな」など
  • 比較検討:「値段の割に質は良さそう」「他のブランドよりもおしゃれ
  • など
  • 購入:「やっぱりおしゃれで使いやすい」「高級感がある」など
  • 継続利用:「同じブランドで他の商品と合わせたい」など

比較的ポジティブな感情を多く列挙しましたが、実際にはネガティブな感情も含めて挙げることをおすすめします。

ステップ7. ユーザーの課題を整理する

次に各過程におけるユーザーの悩みを列挙していきましょう。感情と少し被る部分があるかもしれませんが、より具体的な課題を考えてみるのをおすすめします。

  • 認知:どこのブランドか分からない
  • 情報収集:ECサイトに着用画像がない
  • 比較検討:レザーの質が比較しにくい
  • 購入:購入時に値段が高くて一度立ち止まる
  • 継続利用:値段が高く少し買い物を控える

カスタマージャーニーマップを作るメリットは3つ

カスタマージャーニーマップを作成するメリットは以下の3つです。

  1. 顧客理解が深まる
  2. 施策の優先順位が明確になる
  3. チームメンバーとの認識を合わせられる

それぞれ解説していきます。

メリット1. 顧客理解が深まる

カスタマージャーニーマップを作成することによって各過程における顧客の心理や課題が可視化され、顧客に対する理解が深まります。

カスタマージャーニーマップを作成する以前はなんとなくは理解できていたとしても、実際に作成してみて分かる部分も出てくるでしょう。

顧客の悩みや課題にアプローチする施策を打てば、各過程での離脱を防ぎ最終的に購買まで誘導できる可能性が高くなります。

メリット2. 施策の優先順位が明確になる

顧客理解が深まることによって、各過程において「何をすべきか」も同時に判断できるようになります。

今までも課題自体は見つかっていたと思いますが、過程ごとに課題を分割することによって「どこから手をつけるべきか」が明確になるでしょう。

優先順位が決められるようになれば当然、効率的に施策を打っていける可能性が高くなります。

メリット3. チームメンバーとの認識を合わせられる

カスタマージャーニーマップの横軸すべてを同じ部署で扱っているわけではなく、ほとんどの場合は複数の部署に横断していると思います。

つまりカスタマージャーニーマップを作成することによって部署間の意思疎通が取りやすくなり、一貫性のある施策を実施できる可能性が高まるわけです。

作成しただけで終わるのではなく、社内の関係者に共有するところまで含めて活用しましょう。

カスタマージャーニーマップ作成の注意点は4つ

最後にカスタマージャーニーマップを作成する際の注意点について解説していきます。

注意点は以下の4つです。

  1. 作成自体を目的としない
  2. ペルソナ設定に注力する
  3. 一度作った後も改善を繰り返す
  4. バイアスがかからないようにする

それぞれ解説していきます。

1.作成自体を目的としない

カスタマージャーニーマップを作成する際には「ゴール」を明確に定めて、作成自体が目的とならないように注意してください。

パワポや資料など何か作成する時、どうしても見た目にこだわって当初の目的から外れてしまうケースも多いのではないでしょうか。

カスタマージャーニーマップでも同様に、綺麗に作ることが目的となって効果があまりないものが出来上がってしまう可能性も少なくありません。

作成する目的を明確にした上で、ゴールを達成できるようなマップ作成を心がけましょう。

2.ペルソナ設定に注力する

効果的なカスタマージャーニーマップを作成するためには「正確なペルソナ」が必要不可欠です。

ペルソナが間違っていれば各過程における感情や課題なども同時にずれてしまう可能性が高いと言えます。

特にBtoCにおいてはペルソナが複数考えられるケースも多いため、場合によってはペルソナごとのカスタマージャーニーマップを作成するようにしましょう。

ペルソナの設定はカスタマージャーニーマップ作成だけのために利用できるものではなく、広告運用やSNSマーケティングなどさまざまな面で活用できます。

ぜひ時間をかけて作ってみてください。

3.一度作った後も改善を繰り返す

カスタマージャーニーマップは一度作成して終わりではありません。

販売する商品に変化がなかったとしても、ユーザーの興味関心や取り巻く環境は日々変化し続けています。

例えば、例として紹介したレザージャケットに関しても「コロナウイルスの影響でそもそも外出する機会が少なくなった」といった環境の変化もあるわけです。

この例の場合、コロナ以前と以後で同じカスタマージャーニーマップが正しいわけではないため、変化に応じてマップの改善も行う必要があります。

数ヶ月〜半年くらいを目安に「社会情勢」や「環境」の変化が顧客の心理状態に影響していないのかを考えてみましょう。

4.バイアスがかからないようにする

カスタマージャーニーマップを作成する際に、企業側の希望やバイアスを含んでしまうケースが多々あります。

希望やバイアスが含まれたカスタマージャーニーマップを作成したとしても、現実的な課題や予測が出来ず意味のないマップになってしまう可能性が高いです。

従って、カスタマージャーニーマップを作成する際には「ユーザーの声」に客観性を持たせるような工夫をするようにしましょう。

実際に口コミなど生の声がある場合にはそこから参考にするのもおすすめです。

作り方流れを抑えて効果的なカスタマージャーニーマップを完成させよう

カスタマージャーニーマップは顧客の悩みや課題を購入までの過程ごとに分類して可視化できる便利なフレームワークです。

これまで何となくのイメージで捉えていたものがマップとして視覚的に確認できるため、最適な方法で顧客にアプローチができるようになるでしょう。

ネット上にカスタマージャーニーマップのテンプレートは多く存在していますが、テンプレートに頼りすぎるのはおすすめしません。

企業によって最適なカスタマージャーニーマップは異なるため、テンプレに付け加えたり項目を削除したりして活用しましょう。

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